青い髪の青年と神技刀
昨日は申し訳ありませんでした。
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おいおい…何でここに人間がいるんだよ…
先住民?いや、服装と顔立ちからして日本人か?
なら何故ここに?
いや、そんなことよりあの腰にある刀…
あれから感じる何か……何処かで……分かった!精神力か!
ならあの刀には神かそれに近い者が宿っているのか…危ないな…
そんな感じで蓮鬼が思考を巡らせていると、青い髪の青年は刀の柄に手を置き一瞬だけ微笑んだ。
「?……‼︎」
蓮鬼は慌てて後ろに振り返る。
そこには水でできた2メートル程の武人の様な姿をした水の塊が剣を横に構えていた。
蓮鬼はとっさに刀を横に振ることでその水の塊を切り裂いた。
すると水の塊は崩れ去り再び普通の水に戻った。
「何だ今の?」
「今のはこいつさ」
そう言うと青い髪の青年が初めて口を開いた。
「この刀の名前は神技刀……古代より我が国に伝わる神が宿るとされる武器だ」
「神技刀…聞いた事ないな…」
そう言うと青年はカチャリと音をたてながら鞘をたてると刀を少しだけ抜いた。
すると刀から突如水が溢れ出し青年の横に集まっていき、先ほどの水の塊が現れた。
「それが神か?」
「そうであり、そうではないな……水分」
次の瞬間、青年の横にいた水の塊に色がついた。
それは金と水色のだらりとした服にしたは長めのヒラヒラとしたボロボロの袴を着ていた。腰には一本の鞘がかかっており、目は鋭く、ただ蓮鬼だけを見ていた。
「これが本当の神……名前を天之水分神僕の一番の友達さ、水分と呼んでいる。
あっと、まだ名前を言うってなかったね僕の名前はスサノオ、よろしく」
それと同時に水神が口を開いた。
「水分だ…」
「……ひとつ聞きたい…天叢雲剣乃姫の名前を知っているか?」
次の瞬間、青年の空気が変わった。
「…何故その名前を?」
「……本人から聞いた…」
「あり得んな…妹はまだ、あの塔の中でとらわれているはず…外にでて人と話すなど絶対にあり得ん…」
「だが、本当に…」
次の瞬間、蓮鬼の横を槍が飛んでいった。
青年の頭上、そこには水本の水の槍が浮いていた。
「妹に手を出したのか?」
「ハァ…話を聞けよお前。
俺は姫とあった始まりは貿易国家メザリアが最初だ。しかも、その時は東の国がある事すら知らなかった。だから、スサノオさんと姫が…」
「スサノオでいい」
「…スサノオと姫がどんな関係かは知らないけど姫を東の国から連れ出したのは俺じゃない。確か……分隊長とその仲間だったかな?」
「分隊長……あの猿酒か…」
「そうそう、そんな名前だった。姫さんを国外の貴族共に売ろうとしやがってな!
俺はそれ聞いた瞬間、ガチで切れてあいつを殺しちゃったのさ」
「何だと?お前があの猿酒を殺した?」
「ああ」
(あれ〜?多分姫と同じ髪色だから兄妹かな?とか思ったんだけど違うのかな?普通そうならちょっとは喜んでくれるよな?普通は……ちょっと間違えたか?)
「お前があの猿酒を?……ふ、」
「何が面白い」
「いや、すまない。あまりに雰囲気が緩いやつになられたなと思ってな」
「何だと?」
「何だ?文句でもあるのか⁇」
スサノオは刀の柄に手を置いた。
(こいつ…俺の事を舐めてるな……ならば見せて差し上げるか)
すると蓮鬼はスサノオと同じように柄に手を置くと頭上に《ライトニング》を作り出した。
さっきまで笑っていたスサノオの顔から笑顔がなくなり驚きの顔に変わった。
何故か、
それは蓮鬼が生み出した《ライトニング》がスサノオを中心に360度全ての位置から現れたからだった。
「これで分かってくれたら良いんだけど?」
「……なるほどな…猿酒が負けるわけか。
納得した。それで、これはいつになればなくなるんだ?」
そうスサノオが言うった瞬間、雷は消えた。
蓮鬼は笑いながら
「いつでも」
と答えた。
スサノオは刀の柄から手を離すと蓮鬼の元に歩いてきた。
蓮鬼は一様いつでも動ける様に柄に手を置いたままそれを見る。
スサノオは蓮鬼の目の前で止まると一言…
「お前を信じる事にした、名前を教えてくれ」
「……蓮鬼だ」
「蓮鬼か…いい名だな。ついて来い…」
「どこに行くつもりだ?」
「まぁ、ついて来れば分かる…」
そう言うとスサノオは歩いていった。
(どっちにしろついていくしかないか…)
蓮鬼は今だに気絶しているミランダを抱き上げるとスサノオの後を追い、森の中に入っていった。
今回も読んで頂きありがとうございました。
そして、昨日は投稿できなかったのに読んで下さった方々、ありがとうございました。
次回は明日の昼か夜に出しますので是非よろしくお願いします。