地獄門
今回は少なめです!
33
「行くぞ、フェンリル…!」
蓮鬼はゆっくりと立ち上がった。
上半身はいつの間にか肌けており袴もボロボロだった。
(よくも、ここまで戦ったものだな…さて獣化!)
次の瞬間、蓮鬼の体は一瞬で銀髪に覆われ、肉体は強化され、完璧なまでの銀狼になったのだった。
《どうだ?狼の姿は?いささか、悪くもなかろう?》
(確かに…悪くない。内側から力が溢れ出ているのが分かる)
《何を当たり前の事を…蓮鬼が受肉したのは獣界最強と謳われる我、フェンリルであるぞ、先ほどの死に損ないの貴様とはわけが違う、さて…始まりにあの魔物でも倒すか?多分あれが貴様をやった犯人だぞ?》
蓮鬼は振り向くと、そこには両手を広げ高笑いを浮かべる西之宮の姿が会った。
「西之宮…」
「はーはっはっはっは‼︎‼︎どうだ?貴様ら人間の希望は死んだ!さぁ我に跪くがいい‼︎」
「嘘だ!蓮鬼さんが死ぬわけがない‼︎」
メラが大声で叫んだ。
(あれ〜?俺の心配してくれてるのは嬉しいけど俺生きてますよ〜、おーい…何で?)
《うむ…どうやら我らからは見えないが奴の周りには強力な闇のオーラが出ているらしい…そのオーラのせいで我らが隠れていて向こうからは見えてないらしい》
(なるほど…)
そうやって1人納得していると…
「誰がかってに喋っていいと言うった?
この小娘がー‼︎」
それと同時に西之宮の片手に闇のエネルギー弾ができ、それをメラめがけて投げたのだ。
(やば!行くぞ!フェンリル‼︎)
《ああ》
そう言うと蓮鬼は全力で地面を蹴った瞬間、一瞬でミラの場所まで来た。
そして、攻撃を防ぐために構えた瞬間体がかってに動き闇のエネルギー弾に向かって左手を突き出した。
(おいおいおいおい‼︎フェンリルさん!あんた何してんだよ‼︎)
《まぁ、見ておけ…》
(また死にたくなーい‼︎)
そう心で思った瞬間、闇のエネルギー弾は左手に当たる瞬間消えた。
そして、蓮鬼の体に何かが流れ混んできた。
「あっ」と驚く観客達に蓮鬼は一言
「心配させて悪かった。もう、やられない!」
と言うと手すりから飛び降りた。
「え、今の…蓮鬼さん?蓮鬼さん死んでなかったんだ!」
「だが、見たか?今の姿?今の狼の姿をしていたぞ?」
「ああ、俺も見た!綺麗な銀髪の狼だった!」
「でも、人狼はもう20年前に絶滅したんじゃ…」
「だが、現実には存在してるじゃないか…
もしかしたら、あれは狼の王かもしれないな…」
「狼の…王…」
「蓮鬼さん…」
観客達は闇のオーラを放つ西之宮に向かって堂々と歩いていく銀狼を見ることしかできなかった。
ーーー
歩いている間、
(で、さっきの何よ?)
《うむ…我の能力だが?》
(うむ…我の能力だが?じゃねーよ‼︎知らねーよ、そんなの!聞いたこともないし、さっき話しただろうが!)
《そうだったな…つい体の使い方がうまかったから知っていると感じがいしてしまった。
我の能力は魔力吸収。あらゆる魔力攻撃を魔力に変え、それを自身に吸収する事が出来る》
(……は?何それ、え?じゃー魔法を自身の魔力に変えて吸収する事が出来るの?)
《そうだ》
(……チートだ!ここにチート持ちがいる!)
《何がチートだ!そもそもお主だってまんざらでもない顔をしているぞ!》
(ふ、ふはは、ふっはっはっはっは‼︎俺は無敵だー!)
と言うっていると先程より大きな魔力球が飛んできた。
「おっと、戦闘中によそ見はいけないな…」
そう言うと蓮鬼はそれを左手で受け止めた。勿論、吸収を使って。
「なるほど…この流れこんでくるものが魔力か…」
もしかしたら、これ魔力は魔力でも対処法として俺が吸収する魔力にわざと小細工とかされたらだるいから油断はしないほうがいいかもしれないな…
などと、心のノートに書き込む蓮鬼だった。
観客達から一斉に驚きの声が漏れる。
それは西之宮も一緒だった。
「貴様!一体何処から現れた!何故俺の攻撃が通らないのだ!」
(ちょっとカッコつけるか…)
「我が名は蓮鬼‼︎狼王フェンリルの使い手なり!そして…貴様を滅ぼす者なり!」
「俺を滅ぼす?フェンリルの使い手?
貴様ごときが獣化した所で私には勝てんのだ!調子にのるなよ‼︎」
そう言うと再び地獄門からアンデット達が湧き出てきた。
「あれはだるいな…」
「さぁ‼︎アンデット達よ‼︎やつを踏み潰せ!」
大量の魔物達が蓮鬼めがけ突進してきた。
「あの門壊せないかな?」
《そうだな一点に集中して強力な一撃を撃ち込めば片方の柱くらいは壊せるかもな…
まぁ我ならあんなもの一撃…》
(そうか…ならやってみるか)
ぎゃーぎゃーと騒ぐフェンリルを無視しながら蓮鬼は飛び上がるとコロッセオの屋根まで上がる。
西之宮が何か下から言うっているが無視する。
蓮鬼は周りをみると各門から爆発音や戦闘の音が聞こえてきた。
よく見ると押されているアレクの姿が見えた。
蓮鬼はすぐにジークに向けてメッセージを入れた。
《ジーク!アレクが押されている何か一撃を敵に打ち込んでくれ!》
《分かった!後でどう生き返ったか教えてもらうぞ!》
《分かった!》
そう言うと再び黒き門に目を向ける。
今も出てくる魔物達にイライラした蓮鬼は右手を上げると約5本の巨大な雷が現れた。
「狼雷・ライトニング‼︎」
そう言うって手を下に振り下ろした瞬間、5本の巨大な雷は地獄門の各柱に2、2、1の本数で飛んで行った。
「何だあれは‼︎」
雷は西之宮の頭上を通り超し、後ろにある地獄門に当たった。
数分が経過し土煙がやんだ時、そこには
崩れ落ちた地獄門の姿があった。
今回も読んで頂きありがとうございます‼︎
次回は明日の朝か昼に出しますので是非読んで頂ければ幸いです!
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