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お直し屋シャルンの思い出の服  作者: まりちゃんとだんな


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第8話 夢の続きが来た日

次の日の朝方シャルンはまだベッドの中で夢を見ていた。


夢の中のシャルンは台所で朝食を用意していた。


包丁で野菜を切っている。


その足元に一匹の猫がやって来た。


そしてもう一匹も寄って来た。


二匹の猫はシャルンの足元に座り込んで待っている。


シャルンは側にあった二枚の皿にスープを注いで、皿の端にパンを乗せて二匹の猫の前に置いた。


二匹はそれをゆっくり食べている。


そしてシャルンは再び朝食の準備を続けた。


そして、その夢から緩やかに覚めた。


窓から朝の光が差し込んでいた。


シャルンは寝返りを打って横を向き、夢の内容を思い出した。


シャルン「…猫、か…」


少し横になったまま掛け布団にしがみついていた。


暫くベッドに居たが、いい加減起き出して朝の支度をして、店の方へと出て来た。


窓を全部開けて換気をしながら店の掃除をする。


綺麗にした後に窓を閉めてストーブを点けたら仕事に取り掛かった。


黙々と作業を続けるといつの間にか正午を過ぎていた。


今日は雪のせいで客が少なかったが、その分作業の方が捗っていた。


シャルンは軽く昼食を済ませ、再び作業を始めた。


順調に仕事を熟すシャルン。


その時、ドアベルが鳴り入り口の扉が開いた。


シャルンは入り口に居る人物を見た。


それは例の不動産会社の男だった。


今日はグレーのスーツを着ていたが相変わらず香水の匂いを漂わせている。


片手に大きなバスケットを持っている。


男はいつもの爽やかな笑顔で近づいて来た。


男「ハイ」


シャルン「今日は何ですか?」


男「実は君に折り入って頼みたい事があるんだ」


シャルン「はあ」


男は持っているバスケットを作業台の上に置いて言う。


男「この中身を暫く預かってほしいんだ。他に頼める人がいなくて」


シャルン「何が入ってるんですか?」


男はバスケットを開けた。


中に入っていたのは、シャルトリューという品種の、青みがかったグレーの猫二匹だった。


シャルン「あ!」


男「そう、猫なんだよ。この二匹を君に預かってほしいんだ、頼めるかな?」


シャルンは小動物が好きだったので断る理由は無かった。


更に、相手の方からシャルンにとって都合の良い条件を出してきた。


男「勿論只とは言わない、君にとって悪くない話も用意してきた」


男はバスケットの中の猫の頭を撫でながら話している。


男「この子達を預かってくれている間は此処の家賃を全額免除にさせてもらおうと思っている」


シャルンは驚き男に聞き返した。


シャルン「全額免除!?」


男「悪くないだろ?」


シャルン「是非預からせて下さい!」


男はバスケットの猫を両手に一匹ずつ抱えて言う。


男「こっちのゴールドの瞳の子がベイグル、で、こっちのオレンジの方がトリエグル、宜しく頼むよ」


男はそう言って帰ろうとしたが振り返ってもう一言言った。


男「実は僕うちの社長と婚約してね、来週から暫く婚前旅行に行く事になったんだ。だから当分の間会社の方も休業になるから宜しくね。じゃあまた」


男はそう告げて店から出て行った。


シャルンの作業台の上にはバスケットに入った可愛い猫が二匹いる。


シャルンは朝の夢を思い出した。


その猫達は暫くシャルンと一緒に暮らす事になったのである。

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