第10話 揺れる居場所
男性が帰るとシャルンは考えた挙句、とりあえず修道院まで相談に行く事にした。
自転車に乗り、少し急いでペダルを漕いだ。
修道院に着いて、自転車を塀の壁に立て掛けて受付に行った。
シャルン「すみません、院長に用事があって来たんですけど」
受付「どうぞ中へ」
シャルンは面会室に入った。
格子の向こうにナーノが現れた。
ナーノ「珍しいね、納品の日でもないのに」
シャルン「ちょっと相談があって」
ナーノ「院長に?」
シャルン「うん、あとナーノにも」
ナーノは嬉しそうに言った。
ナーノ「何?何でも聞いてあげるよ」
シャルン「私もしかしたら引っ越すかもしれないの」
ナーノ「ええ!?引っ越すって何処へ?」
シャルン「今、考えてるのは実家」
ナーノ「お店どうするの、やめるの?」
シャルン「実はね、今までの不動産会社が倒産して新しい会社が所有者になったらしいんだ。それで私にあの店から出て行けって」
ナーノ「酷い!未だ成人もしてない女の子を追い出すなんて、そんな酷い話ってあるの?」
シャルン「それで行く場所もお金も無いから、とりあえず実家に帰ろうかなって」
ナーノ「分かったわ、とりあえず院長呼んでくるから待ってて」
暫くして格子の向こう側にある扉が開いた。
院長「事情は聞きましたよ、シャルン」
その一言に、シャルンの胸はギュッと締め付けられた。




