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ドラッケン

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「おらっ!偽物め。しっかり魔力を補充せんか!そんなことじゃセイント様の足元にも及ばぬぞ」

「ひぃっ!難しいなぁ。こんなの初めてだよ」


制御室では、風のオーブをクーデルが必死に制御していた。


「貴様!王子になんという無礼を!」


騎士たちが激高するが、船長は意に介さなかった。


「知らぬ。我らが忠誠を尽くすのは勇者とその仲間のみ」

「だから、王子はセイント様の息子なんだってば!」


騎士たちは必死に説得するが、船長は相手にしなかった。


「わはは。いいよ。どうせ父上に会ったら誤解が解けるんだから。それより、もっと船の制御法を教えてくれ」


向上心にあふれたクーデルを見て、船長も少し態度を軟化させる。


「偽物にしては見所があるな。なら、徹底的に鍛えてやろう。ちゃんと学べば、セイント様の代役ぐらいはこなせるかもしれぬ」

「ひいいっ」


徹底的にしごかれるクーデルだった。




セイレーンは、セントバーナード城に到着する。


「これがセントバーナード城?た、たしかに面影があるが、どこかおかしい。細かい所が違って居る」


城を見た船長が動揺する。


「当たり前だろう。400年もたっていたら色々変わるよ」

「ぐぬぬ……」


王子の言葉に、船長も唸り声をあげる。兵士たちも不安そうな顔になった。


「まさか、本当に400年後の世界なのか?」

「俺たち、いったいどうなるんだろうな」


そんな声をあげながら、船は城の中庭に着陸した。


「貴様たち!何者だ!空を飛んでくるとは不気味な奴」


あっと言う間に騎士たちが取り囲むが、彼らを抑える者が出てきた。


「落ち着くがいい。懐かしい。かえって来たのだな。セイレーン号よ」


彼らを迎えたのは、セイント王である。


タラップを降りた船長は、彼をみて跪いた。


「こ、この魔力は……お久しぶりです。セイント様」

「長年の任務ご苦労であった。ドラッケン船長」


セイント王はドラッケンに微笑みかける。


「ゆっくりと話すとしよう。400年ぶりにな」


こうして、船長は応接室に招かれるのだった。


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