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CASE.19 地固まる夜

お陰様で総合50pts突破しましたっ!!

いやぁ読んで頂いて有難うございます、これからもお付き合いの程宜しくお願いしますm(__)m







「……本当に来るのか?」

「来て、欲しいというのが正直な所です」

「おいおい、それじゃ──────」

「ま、待って今足音が!!」




 その一言に、全員が息を呑んだ。音を立てないように互いにアイコンタクトを取り、そして全員の視線が一箇所に集められた所────食堂の扉が、開け放たれた。




「皆さーん、オルカちゃんが来ましたよっ!!」


「「「「「うぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」」


「えっ、えっ……?」




 ミミちゃんに連れてこられたオルカちゃんは、扉の先にある食堂の光景に目を見開いていた。




「こ、これは……?」




 目に飛び込んできた、同じ宿に宿泊している冒険者達の歓迎ムードに、オルカちゃんは萎縮するレベルまで戸惑っていた。普段ならそれぞれが別のテーブルで盛り上がっている筈なのに、今日に限って自分の方だけに意識が向いているのだから、無理もない。




「ほらっ、オルカちゃん行きましょっ?」


「あっミミさんっ!!」


「お前らァ!! 今日はオルカちゃんの復帰を祝うぞォ!!」


「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」」




 誰かが開始の音頭を取ると、それに合わせて周囲の冒険者達が大声を張り上げた。

 主役であるオルカちゃんをミミちゃんが背中を押して誘導し、一つだけ白いクロスの引かれたテーブルに座らせる。そこで漸く俺の登場だ。




「来てくれて良かったよ、オルカちゃん」


「……イスミ」


「まずはちゃんと謝らせて欲しい。軽率な行動をして、本当にごめん」


「……もういいわよ。あたしの中で整理がついたし、これ以上何かを言うつもりも無いわ。

そんな事より、これはアンタが……?」


「確かに呼びかけをしたのは俺だけど、でも、ここに皆が集まってくれたのはオルカちゃんだからこそだよ」


「あ、アタシの……?」




 ここの宿屋に泊まっている冒険者一人一人に「オルカちゃんの為に」と声を掛けて回って、そうして食堂が埋まるぐらいの人数が集まってくれた。

 皆、パーティーとして迎える事はなけれども、同じ冒険者として彼女の事を気には掛けていたみたいだった。だから俺の声掛けに応じてくれていたのだ。




「皆、オルカちゃんの事が心配だったんだよ。

確かにパーティーとしては迎え入れて貰えなかったかもしれないけど、それは皆が自分の事で精一杯だったからで、別にオルカちゃんの事を嫌っている訳じゃないんだ」


「わ、分かってるわよそんな事……」


「うん。でも、パーティーとかそういうの以前に、オルカちゃんは皆と同じ冒険者なんだから。もっと皆の事を頼ってよ。苦しいなら、苦しいって言って欲しい」


「そうだぞオルカちゃんッ!!

ここにいる皆、オルカちゃんの”仲間”だからなッ!!」

「「「「「そうだそうだ!!」」」」」


「い、イスミ……それに皆まで……」




 俺や、俺の言葉に続く形で便乗してくれる他の冒険者達を見回したオルカちゃんは、今にも泣き出しそうな、だけど意地でも泣くまいと顔に力を入れていた。

 でも、話は未だこれで終わりじゃない。




「そして、これは同情とかそういうのじゃなくて、俺自身が決めた事。

──────俺と、パーティーを組んでくれないか?」


「えっ……」




 オルカちゃんとパーティーを組む事は、昨日から考えていた。ただ、まだこの世界で生きていくには不安定過ぎる俺が彼女とパーティーを組んでも良いのかという問題がどうしても付き纏っていたが、俺はその事は無視する事で解消した。要は”なるようになる”という事である。


 因みに、あの四人組は事情を全て知ったギルドマスターや職員達から厳しく説教された後、罰としてギルド監視下の宿舎で一ヶ月の謹慎を命じられていた。当然その時にはオルカちゃんをパーティーから外していたので、こうして心置きなく勧誘が出来る。




「昨日の今日でまた軽率だ、って思われるかもしれない。

何ならもう一発ぐらい殴られる覚悟もしている」


「何だかアタシが殴り魔みたいな言い方じゃない……」


「い、いやそういう意味でいったんじゃないけど……んんっ、そうじゃなくて。

──────俺には、オルカちゃんが必要なんだ」




 まさかここで勧誘されるとは思っても見なかったのだろう。皆が固唾を呑む中、唖然としていたオルカちゃんは途端に顔を朱くすると、嬉しそうに笑っていた。




「し、仕方ないわねっ!! そう言う事ならあ、アタシのパーティーに入れてあげるわっ!!」


「っ!! あ、あぁよろし──────」


「「「「「おおぉぉぉぉっ!!!!」」」」」




 いわゆるツンデレと言うヤツなのだろうか、それでも俺とパーティーを組んでくれる事を受け入れてくれたのだ。

 その事に嬉しくなって俺が握手を求めようとするも、周囲の冒険者達がオルカちゃんがOKを出した事に盛り上がった声で遮られてしまう。




「おうイスミッ!! お前、中々男じゃねーかッ!!」

「か、からかわないで下さいよっ」

「いや~、これは惚れるね。イスミは根っからの色男タイプだと見た」

「色男っ!?」




 他の先輩冒険者達に肩を組まれてはからかわれ、俺の顔までも赤く染まってしまいそうになる。……いや、今思い出しても結構恥ずかしい事を言ってる。




「ふふっ、変な人ですね、お兄さんは」


「……全くよ、全く以ての変人よ。でも、今は悪い気はしないわねっ」


「それは良かったですねっ。

ささっ、今日の主役はオルカちゃんなんですから、皆さんで盛り上がってないでオルカちゃんを会話に入れて下さいなっ!!」




 ミミちゃんの掛け声で解放された俺は、色々な冒険者と会話を交わし、時には辛辣な言葉(ツン)を織り交ぜ、楽しそうに笑うオルカちゃんを向かい側から見る。彼女の笑顔が、俺のした事の正しさを証明してくれる様な気がした。


 結局、俺達はオルカちゃんを中心として夜遅くまでどんちゃん騒ぎしたのだった。




はい、という事で無事(?)オルカちゃんとパーティーを組む事になった主人公。

余り対人に慣れていないのにあの性格は中々なのでは……?

あ、ハーレムになる……予定は無いけど何だかなりそう(^-^;



面白いと思ったらブクマ、感想等待ってます(^-^)


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