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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
二十六章
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4話 ハッピーウイーク

 三女神様方を出迎える準備をある程度終わらせて、更に喜んでもらうために漁に出た。サイズが違うが虎ふぐに似た模様の虎ふぐ(仮)を苦戦しつつも確保することに成功し一安心。テンションが上がって徹夜になってしまったが、無事に三女神様方の姿を拝見するところまでたどり着けた。これから一週間は文字通りハッピーウイークだ。




「ふふ、航さん、お出迎えありがとうございます」


「ご招待、ありがとうございます航さん、楽しみにしていました」


「航、ありがとう。色々と船が増えて楽しみにしていたわ」


 降臨された光の神様、森の女神様、美食神様から個別に声を掛けていただく。


 単純な僕は女神様方に感謝を伝えられただけで、十分に報われた気持ちになる。


 まあ、僕は欲深なので報われた気持ちになろうとも、更なるご褒美を求める訳なのだけど。


 それにしても、降臨した女神様方は普段からどなたも輝いているように見えるのだが、光の神様は物理的に輝いているな。


 光の神様の輝きは精神や健康状態に左右されるらしいから、体調は悪くないようだ。創造神様の行動が縛れると光の神様にかかる負担は相当軽くなるんだな。


 初対面から光の神様はすさまじく美しい女神様だったが、同時に社畜臭もしていたからその環境改善のお手伝いが出来たのであれば光栄だ。


「いえ、僕もいらして頂くのを本当に楽しみにお待ちしておりました。クリス号の一週間の休暇を存分にお楽しみください」


 三女神様方の言葉に僕の素直な気持ちを伝える。まあ、言葉にしなくても確実に僕の気持ちは伝わっているんだけどね。


 だって、三女神様方の降臨を報酬として望んでいるんだ。誰にでも本気だと理解できる。


「光の神、もう少し光を抑えてください。下界ではそれでもまぶしいですよ」


「あら? 調整したはずですが、まだ漏れていましたか。航さんごめんなさいね」


 森の女神様の注意に光の神様が自身の輝きを抑える。


 今の輝く光の神様でもすでに調整済みの姿だったらしい。光の神様、調子が良いどころか、絶好調だったらしい。


 光の神様の体調と創造神様の体調は反比例する気がするから、創造神様、かなり追い込まれているのかも。あのブリーフなヒーローがいまだにトラウマとなり創造神様を苦しめているのかもしれない。


 ん? そういえば……。


「いえ、輝く光の神様が拝見できて僕もとても嬉しいです。あの、それで気になったのですが、僕に配置されていたミニ創造神様はどうなったんですか?」


 気になったのは姿を保ったまま神界に連れていかれたミニ創造神様の存在。


「ああ、あの子は商売の神に預けています。創造神様よりか物わかりが良い元気な良い子ですよ」


 躾けたな。物わかりが良いと言った時の光の神様の目がマジだった。創造神様の姿を模しているとはいえ、さすがに力関係では光の神様の方が上なのだろう。


 僕の想像でしかないが、あの割とワガママだったミニ創造神様を、ビシバシと教育している光の神様の姿が思い浮かぶ。


 そして教育されたミニ創造神様はいまだに創造神様のトラウマスイッチとして活躍していると……創造神様を制御するなんて、あの正義のヒーロー、本当に凄いヒーローなのではなかろうか?


「……それなら良かったです。では、ここで話していてもなんですから移動しましょうか。まずはどうされますか? お部屋で休まれますか?」


 ミニ創造神様についてはもういいだろう。あの存在が今回の一週間という対価を引き出してくれた部分もあるし、遠くから感謝と幸せを祈っておこう。


「そうですね、では、部屋で少しゆっくりさせていただきましょうか」 


「分かりました。では、お部屋にご案内しますね」


 光の神様が決断し、その言葉に森の女神様と美食神様も頷いたので部屋に案内することにする。


 女神様方の滞在期間が短い場合は、離れることに悲しみを覚えるが今回の滞在は一週間もあるから焦る必要がない。時間の余裕は心の余裕に繋がるって本当だね。


「あ、航。お昼はあの屋台船と言ったかしら? アレが気になるから予定が決まっていなければあの船での食事をお願いしたいわ」


「無論構いません。では準備しておきますね」


 美食神様のお願いを快諾する。


 さすがにふぐ料理をお昼に提供するのはどうかと思って、今日のお昼はクリス号の最上級レストランを予定していたが美食神様が望んでくださったのであれば異論はない。


 なぜなら早く提供すればするほど、僕の調理道具自慢に話しがつなげやすくなるから。そして頑張って捕獲した虎ふぐ(仮)の出番も早まる。


 つまり、美食神様との接触が増えるということで良いことづくめだ。やったね。




 ***




「美食神様はもつ鍋が気になると思うのですが、僕のお勧めのふぐ料理を試してみませんか?」


 昼食の時間。


 美食神様が屋台船を選択したのは、僕達、特に女性陣がもつ鍋を頻繁に楽しんでいる光景を神界から見ていたからだろう。


 カーラさんのお祈りと言う名のお食事レポートも続いている様子なので、興味を持つのも当然だ。


 そのことは理解しているが、僕としてもそろそろふぐ鍋を堪能したいと思っている。女性陣がもつ鍋を気に入り過ぎて、なかなかふぐ鍋を提供できずに焦れていたのだ。


 女神様方がもつ鍋を気に入ってしまい、まあ、それはそれで嬉しいのだが、ふぐ鍋の提供が遅くなる事態は避けたい。 


「あら、航のお勧めなのね。もつ鍋を次の機会で楽しませてくれるなら無論構わないわ」


 やはり美食神様の興味の対象はもつ鍋だったか。


「はい、必ずもつ鍋を堪能していただく機会は作りますのでご安心ください。では、プールに移動しましょうか」


 女神様方を案内して屋形船を召喚するプールに移動する。


「船召喚!」


 僕がプールに船召喚をすると、背後で船の中に船を召喚するって変な光景ですねという、女神様方の会話が聞こえる。


 たしかにそうだよね。特にこの世界だと、中に屋形船クラスの船を内包できるほど大きな船って滅多にないどころか存在しない可能性が高い。


 この世界の船は船内にプールを造る余裕なんてないはずだ。いや、王侯貴族なら可能性は無いこともないのかな?


 そもそも船を召喚できるスキル自体がレアだろうから、可能性を考えるだけ無駄なレベルで特殊な光景だろう。


 興味津々な様子の女神様方を案内して屋台船に乗船する。


 下準備は万全で、屋台船の中には既にサポラビを配置してあるので、サポラビ達が僕達の乗船を出迎えつつ席に案内してくれる。


 今日は女神様のサポートということで、一人一サポラビの万全の態勢だ。


「それで、航、航のおすすめメニューはどんな料理なの?」


 席に着くとワクワクした様子で質問してくる美食神様。妖艶な美女の子供のような無邪気な表情……なんだかとてもHだ。


 ふふ、徹夜で準備したんだ。このパターンも当然想定している。


 僕はパチンと指を弾く。外国のドラマとかで偶に見る、なんかカッコいい仕草だ。まあ、僕がやると……お察しなのだけど、やってみたかったのだからしょうがない。


 無事、綺麗な音を鳴らせたことに安心していると、厨房から桶に入れた虎ふぐを運んでくるサポラビ。


「これは、虎ふぐじゃない。航、これは猛毒を持つ食べられない魚よ!」


 おお、虎ふぐと翻訳されたということは、この世界でも虎ふぐが認知されていて、名前がついているということだ。


 この世界での虎ふぐの名前はなんて言う名前なんだろう? 毒魚かな?


 そして、やはりこの世界で虎ふぐは食べられていないらしい。


 まあ、毒があると分かっていて、しかも実際に何人も死んでいるのに諦めず、最終的に安全に食べられるようにしてしまうとか、日本人は食に関して狂っていると言われるだけあるよね。


 そういえばふぐの卵巣の糠漬けだったかな? 確実に毒があるのに長期間糠漬けにしたら食べられるようになった。


 でも、どうして毒が抜けたのかよく分かっていないんだよね、的な話を聞いた時は、僕も日本人なのに日本人は狂っていると思ったもん。美食神様のリアクションも当然だ。


「心配いりません。この魚、僕の世界では虎ふぐと呼ばれているのですが、調理方法が確立されていて、安全に美味しく食べられるようになっているのです。とはいえ、僕の言葉だけでは不安でしょうから、美食神様を調理スタッフに任命しても?」


 美食神様のリアクションも想定の範囲内だったので、ちゃんとその対策も考えている。


「もちろんよ。ぜひお願いするわ」


 僕の言葉に瞳を輝かせて同意する美食神様。美食神という美食を司る神様が、こんな技術に食いつかない訳がないよね。


「あ、光の神様と森の女神様も確認の為にスタッフになられますか?」


 毒があると分かっているのだから、知識として安全を確認できた方が安心できるだろう。


「私達もですか? いえ、私は必要ありません。航さんを信じていますし、そもそも、下界の毒程度なら簡単に浄化できますからね」


 ……これだからファンタジーは。つまり、光の神様が浄化すれば、免許の必要すらなく美味しいふぐが食べ放題ということになるじゃないか……あ、解毒するために光の神様に浄化してもらう方がふぐの調理免許取得よりもたぶん難しいな。


 そもそも、会えないし。


 うん、そう考えるとファンタジーも意外とバランスが取れているのかもしれない。


 おっと、美食神様が新たな知識を待ちかねて、ソワソワし始めた。先にスタッフに任命してしまうか。


「…………ああ、素晴らしいわ。ふぐごとに毒の部位や調理手順、そして廃棄方法に使用道具の管理まで厳格に定められているなんて。そして、それほどの危険と苦労を重ねても食べたい魚がふぐなのね…………」


 美食神様が感動した様子で瞳を瞑り、そしてその瞳から一筋のしずくがこぼれ落ちる。


 泣くほど?


 喜んでもらえると思っていたし、面白いと思ってくれるかもとも思っていた。


 でも、さすがに涙をこぼすほど感動されるのは予想外だ。


 え? これはどうなの? 接待としては成功なの? それともやりすぎだったりする?


 これから美味しい虎ふぐ料理のフルコースが始まる予定なんだけど、不安になってきた。


今回、ふぐ料理の船について書きましたが、実際に体験した訳ではないので想像で書いています。

実際に虎ふぐを船でさばいているかどうかわかりません。ご容赦ください。


読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
設定ミス? 昔貴族を乗船する時、安全確認のため試しに毒を持ち込んだ話がありましたが、結界が張ってある船に毒を持ち込めないという設定があったはずです。
船の上でフグを食ったことはないなぁ
四足の生き物は机以外何でも食べる なーんて中国人の事を笑ってた日本ですが 生物の食材カウント数は中国より上だとか聞いたことありますね 今となっては食べなくなった物もかなりありそうですけどね。
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