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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第十三章 ダークエルフの島の発展
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10話 ギルマスとの商談

 村長達やアンネマリー王女達とダークエルフの島について話し合い、ダークエルフの島を守るための結界を張った。最初は少し暴走してしまい、かなり殺傷度が高い結界を張って周囲にドン引きされたりドロテアさんに注意されたりしたが、最後にはちゃんと冷静になって結界を張り直した。


「ご主人様。何かお悩みですか?」


「うん? あぁ、フェリシアか。いや、ちょっとダークエルフの島を思い出していただけ。あの結界で大丈夫なのか不安になったんだ」


 張り直した結界は、第一段階のグルリ島を囲む以外はやり直した。島を出発する時にも確認したけど、地味だから妙に不安になってしまう。


「ふふ。あの結界なら大丈夫ですよ。心配し過ぎです」


 フェリシアがしょうがない人ですねと言いたげに笑う。何か笑われる要素でもあった?


「そうかな?」 


「はい。イネスとアレシア達も試したじゃないですか。イネス達が諦めるくらいですから、誰も島にたどり着けません」


 うーん、あの時は僕もそう思ったんだけど、なんか抜けている気がして、ちゃんと鍵を閉めたか心配になる時と同じような不安がある。でも、あんまり心配しても仕方がないか。


 普段は普通の海と変わらないようにしたから地味だけど、指定した範囲内に船か大型の魔物が侵入したら、範囲外まで海流で押し流す結界。


 侵入できるかどうかの確認で操船大好き組が挑戦したけど、すべて範囲外まで押し流された。


 ガレット号で全速で突入したり蛇行してみたりと、様々な方法で挑戦したのに突破できず、イネスやアレシアさん達、めちゃくちゃ悔しがっていたからな。あのパワーボートで無理なら、一般に出回っている魔導船では越えられないだろう。


「うん。そうだね。フェリシアの言う通り、心配のし過ぎだね」


「はい。ですが、島を心配してくださってありがとうございます」


 ……ダークエルフのお祭り以来、フェリシアが更に優しい顔をするようになった気がする。なんかとっても嬉しい。


「どうかされましたか?」


「ん? い、いや、なんでもないよ。それよりも他の皆は? もうすぐ南方都市に到着するから船を乗り換えるよ」

 

 フェリシアの優しい笑顔に見惚れていましたとか、そんな恥ずかしいことは口が裂けても言えない。どうしたんだ僕、思春期が蘇った?


「みなさん、思い思いに楽しんでいますよ。ストロングホールド号に連泊するのは久しぶりですからね」


「そっか。じゃあ準備するように伝えに行こうか」


「はい」


 フェリシアと連れだって部屋を出る。さて、探す場所だけど、それぞれのお気に入りの場所を考えたら大体の居場所は分かるな。


 自販機コーナーに酒好きが集まっていて、カーラさんはバイキング、もしくはクラレッタさんとクレーンゲームってとこだろう。


 リム達スライム組とペントは……ちょっと予想がつかないけど、たぶんご主人様と一緒か、食べ物がある場所かキッズコーナーあたりを探せば発見できるはずだ。

 

 最近はクリス号中心で生活していたけど、アンネマリー王女達の滞在場所と建築資材の積み込みを考えてクリス号はダークエルフの島に残すことにした。


 それでストロングホールド号で移動することにしたんだけど、その生活が落ち着くこと落ち着くこと……クリス号にも慣れてセレブな自分にも慣れたかと思っていたんだけど、根は庶民から抜け出せていなかったようだ。


 料理は豪華客船程融通は利かないがなんとなく心に染みるし、チープなカップ麺も美味しい。カップ酒も自販機コーナーの唐揚げも最高だ。


 部屋も狭い方が落ち着くし、家具も馴染みがあってまったりできる。結界を張る時に調子に乗っちゃったし、これからは自分を見つめ直すためにもフェリーでの生活時間を増やそうと思う。




 ……予想通り過ぎて、ちょっとは生活習慣を新しくしてもいいんじゃないかと思う。


 自販機コーナーでほとんどのメンバーを確保。カーラさんはバイキング。クラレッタさんはクレーンゲーム。


 予想外だったのはリム達とペントだけだった。マッサージ椅子でペントに包まれながらリム、ふうちゃん、べにちゃんが、高速プルプルしているとは誰も思わないよね。


 たぶん、リムがペントにもマッサージ椅子の楽しさを教えてあげたかったんだと思うけど、心臓に悪いから僕が居る場所でやってほしかった。


 あと、マッサージ椅子の動かしかたも覚えてしまったようで、今後が不安だ。ちゃんと言い聞かせておこう。


 ***


「ブレシア王国の資材高騰は、お主の巨大な船で資材を運んである程度落ち着いたはずなんじゃが、今度は何を企んでおるんじゃ?」


 南方都市に到着して、商業ギルドで建築資材の商談をしようとしたら、ギルドマスターの部屋まで連行された。そして、購入したい資材の一覧を手渡しただけで、疑惑の視線を向けられてしまった。


 カミーユさんが居ればこんな面倒な話し合いは必要なかったはずだけど、そのカミーユさんを僕が引き抜いちゃったからしょうがないかもしれないが、面倒ではある。


「僕の船ではなく、魔導師様の船ですね。資材は何を企むとかではなくて、アクアマリン王国で土地を手に入れたので、資材を集めておこうかと思っただけです」


 まだ認めんのか? といった顔でギルマスが見てくるけど、たとえバレていたとしても最後まで認めない。魔導師様は絶対に存在するんだ! そう思い続けることにしている。


「アクアマリン王国か……大層なお宝を発見したらしいな?」


 アクアマリン王国での僕の情報もある程度知っているのか。さすが商業ギルドだな。


「幸運でした。それで、資材なんですがどれくらいで集められますか?」


 このお爺さんとは長話をしたくない。パワフル過ぎるから変なことに巻き込まれそうだ。


「まあ、そう焦るな。儂らの仲じゃし、カミーユが抜けて大変なんじゃ。少しくらいはこっちに融通してくれてもええんじゃないか?」


 どんな仲だよって言いたいけど、お世話になっているのは事実なんだよね。護衛も紹介してもらったし、南東の島への仕事でも便宜をはかってくれた。カミーユさんを引き抜いちゃったのも、まあ、迷惑を掛けたことにはなる。


「……では、カミーユさんに確認してもらった後になりますが、いくつかの財宝をこちらで卸せるように取り計らいます」


 カミーユさんもギルマスの部下だったんだし、少しくらい融通を利かせても文句は言わないだろう。


「……カミーユはともかく、あっちにはマウロの奴もおるんじゃろ? ごちゃごちゃ口を挟んで煩い奴じゃし、面倒じゃから儂とワタルで商売をしようではないか。むろん、全部とは言わんしお主が卸して良いと思う範囲で構わん。多ければ多いほど嬉しいがの」


 ギルマス。マウロさんが嫌いなのかな? まあ、両者ともパワフルなお爺さんだし、商売でガチガチにやりあっていたのかもしれないな。


 でも、俺が卸しても良い範囲って言われてもさっぱり分からん。商人と言っても胡椒貿易で儲けたなんちゃって商人の僕だ。財宝の商談なんて手に余る。


 だいたい、マウロさんは味方なんだし、巻き込んだ方が僕は得なんじゃないか?


 ……分からん。こういう場合は人に聞くのが一番だな。アレシアさんならAランクの冒険者だし、商人じゃなくてもある程度の知識はあるはずだ。


「アレシアはどう思います? ここでいくつか財宝を卸しても問題ありませんか?」


 アレシアさんが、えっ? 私に話を振るの? って顔をしている。財宝はアレシアさん達の物でもあるんだから、話を振るのは当然だと思う。


「あー、そうね……商業ギルドのマスターにはお世話になっているんだし、ある程度は構わないんじゃない? ただ、渡したリストの資材の商談が終わってから話し合った方が良いわね」


 なるほど、建築資材で便宜をはかるなら、財宝を卸すのも構わないってことか。たしかにその方が交渉がスムースに運びそうだな。


「ギルドマスター。そういう訳で、まずは資材の方から商談したいです」


「ふむ。財宝が便宜をはかるほどの価値があるのであれば構わんが、期待外れだった場合は儂からの信頼を失うぞ?」


 脅し? いや、確認か。本当にそれだけの価値があるんだろうなってことだろう。


「えーっと、アクアマリン王国の鑑定人が狂喜乱舞していた財宝の一部ですから、たぶん大丈夫だと思います」


 希少金属や宝石もふんだんにあるし、適当な貴金属と、残っている美術品の数点でも卸せば問題ないだろう。


「分かった。では早急にこのリストの資材を集めよう。期間は……まあ、二十日も有れば十分じゃろう。値段は運搬費込みで3白金貨に負けてやる。それで構わんな?」


 構わんな? って言われても、それって負けてもらっているのか? 資材の定価が分からないから判断できない。アレシアさんを見てみるが、首を横に振られた。アレシアさんも分からないようだ。


 僕が判断するしかないとして……うーん、カリャリに資材を運んだ時は20白金貨だったよな。それで、孤児院の資材と売り払う資材が集まって……今回は50人の人魚が生活する村の資材が必要……。


 3白金貨は3億で……村って3億で造れるの? 高いか安いかさっぱり分からん。


 日本に比べたら資材が安いと考えて……えーっと……日本の家の相場とか知らないよ。土地を含めないで1千万くらいか? それなら30軒建つから、相場が安ければ50軒ぶんくらいにはなるのかもしれない。


「……それで構いません」


 ギルマスが負けてくれたって言っているんだから、僕はそれを信じよう。カリャリに行ったらカミーユさんにリストの写しを見せて、騙されていたらマウロさんに復讐を頼めばいいよね。


 ***


 商談がまとまった夕方、ギルマスと鑑定人が財宝を確認しにルト号にやってきた。


 財宝を鑑定したギルマスは、狂喜乱舞して帰っていきました。


 僕に31白金貨の支払いを約束して……。


 別に資材が高かろうが安かろうが、どうでもいい気持ちになったし、大盤振る舞いし過ぎた気がする。


 卸す財宝……もう少し減らしておくべきだったかも……。


感想でご指摘を頂いたのですが、フェリーの施設に間違いがありました。

今、少し手が離せない状況ですので、落ち着いた時に修正できればと思っております。

ご報告、ありがとうございます。


読んでくださってありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
正直カミーユさん引き抜きの時に、ギルドに結納金で白金貨10枚くらい積み込まなきゃダメじゃね?ってなったんでこれくらいは許容範囲よな。
[一言] 部下を信頼しているのなら、任せないとね。 なぜ専門家の意見を聞かずに、素人の自分だけで決定を下したのか。 どこかでよく見る、ダメダメな最高責任者(あの神さま)と同罪ですぞよ。
[一言] 実際、騙されて吹っ掛けられた方が、神の約束事上、都合が宜しい気が。 変な話、関わってくれる人の分だけボーナス出すくらい大判振る舞いしても、労働と結び付いて支払われれば問題無さそうだし自身側…
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