愛か偽りか〜生か死か
『・・私の正室になってはもらえぬか?』
ッ・・・!?
『なにをいってるの!?なるわけないでしょ!!』
なにを言いだすかと思えば、まさかの求婚だった。そんなもの、姉が受けるはずはなかった。主は父の仇なのだ。しかも吸血鬼。万が一にも可能性はない。しかし、主は
『・・・私は、おまえに惚れたのだ。十六夜の為にも幸せにしてやると約束する。間違っても嘘などではない!』
『・・・お断わりよ!』
そこには吸血鬼と吸血鬼狩人でもなく、仇と仇討ちでもなく、男と女のやりとりが繰り返されていた。頼みこむ男。渋る女。そんな感じだ。私は、その光景を、ただ見ていた。その時
ガバッ
何者かが私を捕まえた
『主様!今のうちです!』
くっ・・・・
不覚にも、忍び寄る兵に気付かず、捕まってしまったのだ。続々と、集まる兵達
『おのれ!卑怯な!』
主に対して、怒りを露にする姉。すると主が小声でいった
『これは、私の指示ではない!・・しかし、伯爵ともなると、威厳が必要。このままでは、二人共に殺さなければ、示しがつかず、スカーレット家が内部崩壊しかねん!だが、私は、おまえを殺したくない!信じてくれ!』
『じゃあ、どうすれば・・・』
少し詰まり、主が
『・・・・おまえが妻になるのならば、ここで婚姻を結び、その様を兵に見せれば、弟子のほうも助けることがだろう』
『ッ・・・!くっ・・・・・・本当にこれはあなたの策ではないのよね?』
『高貴な吸血鬼が、このような姑息なことするわけがなかろう、断じて違う!』
『〜〜〜あー!もう!わかったわよ!その代わり、弟子は必ず助けなさいよ!?』
主は、小さく頭を下げて
『こんな形ですまん。・・・・・・・兵達よ!よく聞け!私はこれより、この女を我が正室に迎える!』
そういい、姉の首筋を噛み、血を吸った。そして
『そこにいるのは、我、妻の従者ぞ!?離れぬか!』
私は自由になったが、姉はこれで主の眷属であり、妻である下位吸血鬼になった・・吸血鬼狩人の血筋のおかげか、効果は薄く、2割吸血鬼8割人間といった感じだった。そして又、私も眷属になり、名前を奪われ従者として生活することになった
そして、すぐにレミリア様が生まれ。私はレミリア様の教育係になった。姉の子・・・目に入れても痛くないとは正にこのことだと思った。主のいうとうり、私達は幸せだった。
そんな時、主が他への威厳の為に純血の妃と娘がいるといい、とある吸血鬼がスカーレット妃となり、暫らくしてフラン様が生まれた。この辺りから、主は変わってきた。
そして、私は姉妹の幽閉の話を聞いた。勿論、そのことを姉に聞いてみた
『姉さん!なぜですか!?』
姉は、慌てて、口を塞ぎ、赤い瓶を渡してきて
『まずは、これを飲みなさい』
早く返事が欲しかった私は、それをすぐに飲み干した。すると姉が
『まず、姉さんというのをやめなさい。これは内緒のはず・・・』
と、こちらを睨んできた。が、私はそんなことよりもレミリア様のことが心配でならなかった。
そんな私に感付いたのか、姉は口を開いた
『あの人は、もう昔のあの人じゃないわ。・・・私がなにをいっても駄目だった。でも、最後まで私は反対するわ。だから、あなたも協力してちょうだい』
当たり前である。そのつもりで進言したのだから。私は、強く頷いた。すると姉が
『念のため、これをあなたに託すわ』
そういい懐中時計を取り出して、渡してきた。
私は、ここで時を止める能力を敬称した。・・・が。
暫らくして
姉の死を知った。
姉は分かっていたのかもしれない。だから、自分に託したのかも。・・・・私のやることは決まった。
真相を突き止め、仇を討つ。唯一の忘れ子、レミリアお嬢様を救う。その2つに命を賭けると決め、一人、内密に捜査をした。
・・・・そして、(十六夜咲夜)この運命の名前を耳にするときがやってくる




