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東方紅魔記  作者: グレ
犠牲
11/47

絶望

『主様は玉座ではなく、屋上にいます!』


美鈴が叫んだ


(恐らく、気を読んだのだろう……彼女はどれくらい離れたとこまで分かるのだろう?正直にすごいと思った)


『美鈴、ありがとう!』


私は全力で周りの兵を薙ぎ払いながら屋上へ向かった。


『………す、すごい…こんなに強いのか…しかも目が赤く………これが吸血鬼……』


美鈴は畏怖と同時に強い憧れ、尊敬を抱いた


(この館は、すごい人ばかりだ・・私も、もっと・・)


『美鈴!来るわよ!?』


咲夜の声で美鈴は我に還った


…………物凄い数の兵が押し寄せてくる。パチュリーや咲夜が前衛で次々倒しているが、何人かはその間を掻い潜り、後衛の美鈴、こあの方にも来る


『くっ』


体が思うように動かない美鈴は、それでも手一杯だった


『あらあら、まさか、レミリア以外、勢揃いとは』


まがまがしい気を感じ、声のほうへ目をやると、そこには妃がいた


『レミリア一人で主様へ挑むなんて、あなた達あの子を見捨てたの?』


クスクス笑いながら、妃が問い掛けてきた


『あなたをすぐに倒して、お嬢様を救援に向かうから大丈夫よ』


咲夜が答えた


『私を?倒す?フフフ…、あなた達だけで?……そうねぇ?レミリアがいたら分からないかもね、あの子、腐っても吸血鬼だし。』


『それに、その様子だとフランドールの覚醒もまだみたいね、予定は狂ったけどここであなた達を殺せば、結果は同じね』


覚醒?皆、一瞬考えたが、すぐにやめ、戦いに集中した。


『お母様!やめて!皆を殺さないで!』


フランが懇願した


『フランドール………そうねえ?…いいわよ?』


『お母様』


喜ぶフラン


『あなたが死ぬならね?』


と、同時にフランの首をめがけ妃の爪が伸びてきた


『危ない!』


咄嗟に庇う美鈴。爪は彼女の体を貫通していた


『ゴホッ!ゴホッ!』


爪が元に戻る


『美鈴!!お母様…なんで!?』


泣きながらフランは美鈴を抱き抱えた。


『フランドール……あなたは危険よ?主様のためにも死ぬべきなの?分かってちょうだい?』


『お母様………』


泣くフランの涙を美鈴が指でそっと拭った


『わ、私は、フラン様の、涙はもう、み、みたくないですから、お願いです。あ、明るく、笑っていてください』


『…美鈴』


グッと涙を抑え、美鈴をみてニコッとするフラン


『あ、ありがとうございます、これで、まだ……いけます!』


立ち上がる美鈴


『起きちゃ駄目だよ!』


心配そうにするフラン


『私、いいましたよね?フラン様を守ると』


構える美鈴を見て、嘲笑う妃。……………その瞬間!


『吸血鬼にありがちな慢心ね!』


咲夜がそういい放つとナイフを妃に投げつけていた


それを合図のようにパチュリーの魔法の業火が焼き払う


『手応えはあった』


パチュリーが自信ありげにいい、様子を伺う


『…………慢心?………違うわ?………お前達はアリを潰すのに全身全霊を込めた一撃でも放つのかい?フフフ』


無傷!?


咲夜のナイフは刺さっていた、しかし、すぐに再生していた。パチュリーの魔法は衣服を焦がした程度だった


『……予想外の強さね…レミィの予知は本当に当たるの?勝てる気しないわ』


パチュリーが戦意を喪失しかけている


『パチュリー様!お嬢様を信じるんです!信じて!私達は全力で戦うんです!』


咲夜の叱咤で、パチュリーはハッとした


『ごめんなさい………咲夜?効かないなら効くまで何度もいくわよ!?』


『はい!』


………………


バシッ!ドン!バシッ!


美鈴は兵の相手で手一杯だった


『はあ、はあ、はあ…………情けない…あの二人の力になれない自分が歯痒い…』


美鈴は自分の腑甲斐なさから悔しさの余り、歯軋りをし、口からは血が出ていた






『屋上!ついたわ!』


レミリアは主と対峙した


『レミリア?生きておったのか?父は嬉しいぞ?』


『白々しい。わかっていたんでしょ?それに、お父様はお母様を殺した。』


『………だからなんだ?』


『私はお母様の仇を討つ!そしてフランや皆を守る!』


『貴様一人でか?』


『お父様の相手くらい私一人で充分よ』


……………


『舐めるなよ?出来損ないが!』


もの凄いスピードでレミリアに突進する主。


『くっ、左ね』


主の左からの爪の攻撃を爪で止める


ガキン!


『ほぅ?……貴様、昔のレミリアではないな?……しかし……』


主の攻撃が激しくなる


左!左!右!上!上!右!下!………全てを受け続けるレミリア



予知を使いながら戦うことで事前に予測して対応していた………………しかし…徐々に……


シュ!シャ!バシ!


『くっ!』


徐々にかすりはじめ、今となってはサンドバックのように、なぶられていた


……………


(予知、が、………追い付かない!…………最後の結末も、変わってない……)


主の余りに早いスピードに予知してからの守りでは追い付かなくなっていたのだ


『フハハハ、初めの勢いはどうしたのだ?』


次々に切り刻まれていく


(………力の差がありすぎた……私は、予知があるから受けるだけならなんとかなると、そう思っていた………だけど、これは…)


レミリアは絶望した


仮にも相手は、全ての吸血鬼のトップ、あの大戦の覇者なのだ。レミリアの力を10とすれば主は50。それくらいの差があった



しかし、レミリアも吸血鬼、回復能力により少しは回復している、しかし、それより受けるダメージが大きく、傷は増えていった


『ふむ、出来損ないにしては、大した回復力だ。』


主は手を止めた


『貴様をなぶるのにも飽きた…………最後に、あの大戦を制す鍵となった、私の本気を見せてやろう』


そういうと主の右手に膨大な魔力が集まってきた。そして……


それは一本の槍の形に収まった


『フゥゥゥ』


絶大な魔力を使い、流石の主も少しは疲れたようだ


(あ、あの槍は!?)


その槍の形は、予知で見た、自分を貫いたものと同じ形だった


『これはなあ、……神槍・スピア・ザ・グングニルというものだ。貴様には勿体ないものだが……少しは愉しめた。私からの褒美だ』


(……グングニル…勝利をもたらす槍か…………予知ではあれに当たると私は死ぬ……なんとか避ける方法は……)


『そして、これには魔力により回復能力を封じる力がある、その力で今まで多くの吸血鬼を殺してきた。貴様も、その中の一人になるのだ!光栄に思え』


『貫け!グングニル!』


!!!


主が槍を投げてきた


(は、早い!?)


勘で身を躱した!


(よ、よけれた!?)


(予知は!?)


その瞬間


グサッ!


『がはっ!』


(なんで?)


避けたはずの槍が体に刺さり、そのまま屋敷の壁に突き刺さって宙吊り状態になった


『ククク、グングニルは的を外さない。避けたと思っても瞬時に的に刺さる、私が、これを使った時点て貴様は死ぬ運命だったのだ』


(………運命…?……やっぱりこうなるのね?……皆、後は、任せたわよ?……フランをお願いね…)


レミリアの気が消えた


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