激戦vs.ダンゴムシ
ニンゲンは庭からダムゴムシを取ってきてボクの目の前に落とした。
ポチャンと落ちてきたダンゴムシが水面でジタバタ足掻いている。
それを見たボクはフラフラと引き寄せられる。
頂 き ま ー す !
フラフラな身体のどこにそんな力があるのかってくらい激しく食らいつく・・・
ペレットは全く食べ物と思えなかった。
けど、ダンゴムシ・・・日本に古来からいる生き物達・・・はボク達日本イシガメのDNAに刻み込まれている。
ボク達のご馳走だと。
ダンゴムシに噛みついた・・・
筈だった・・
産まれて初めて生きてる相手に噛みつき砕き、
呑み込む・・・
そう思って口を閉じる・・・
ダンゴムシの丸い殻を大きく開いた口が滑って水だけを呑み込んだ・・・
あれぇぇ??
もう一度。
また狙いは外れ空振り。
その煽りでダンゴムシは水面から沈んで水槽の底でジタバタしている。
今度こそ!
さっきは水面の獲物をほぼ横に噛みつこうとしたから狙いが剃れたんだ。
今度は水底だから上から狙いをつけて・・・
ご馳走様~
とはならなかった。
またしても狙いが外れ、ジタバタしてるダンゴムシがボクの顔にくっついた。
溺れる者は藁をもすがるって言うけど、たくさんある脚がボクのおめめを歩いて行く。
ニンゲンなら背筋から首筋を指でなぞられたようなカンジ?
ゾワワっと気色悪い感触に手で払いのけようとするが、今度は手にくっついた。
手を歩いて向かう先は脇の下?
甲羅から手足が突き出してるあのポケット状の一番柔らかい場所だ。
ヒィーそこダメ!
お願い!!
勘弁して~
そこ、とってもデリケートなの!
ああ、ダメ!!
イヤ~
もし、日本イシガメに発声器官があったなら間違いなく情けない声で鳴いていた事だろう。
「マインはダンゴムシに遊ばれるなぁ。
他の子はどうかな?」
ボーちゃんもロゼも初めてのダンゴムシに悪戦苦闘。
ボクと同じように首筋から背中を抜けてあっさり逃げられたんだって。
本日の三本勝負
ダンゴムシの逃げ切り勝ち!
翌日、溺死したダンゴムシをボーちゃんかロゼが食べたとさ。