初のお食事
なにも食べてないボクはダンゴムシを食べ損ねて飢餓感がピークに達した。
ホント、ヤバいんだって!
お腹と背中がくっつきそうなんだ!
え?甲羅が有るだろって?
あ、アハハハただの比喩だよ比喩・・・
はぁ・・・マジヤバい。
今でも空腹過ぎてフラフラだし、時々意識が飛んじゃう。
水かさのあるところは意識して避けなきゃ溺れてしまう。
「うーん、ダンゴムシはダメ、カメの餌はデカ過ぎ。
コイツなに食べるかな?
うちにある食材なんて、レトルト食品とインスタント麺だけだし。
あっ、そうだ!“ネーちゃん”があった!」
ニンゲンは冷凍庫をゴソゴソ探す。
「お、出汁ジャコみっけた!
そのまま与えたら塩分多過ぎるんだったな。
お湯でふやかして塩分抜いて・・・
よーし、食べてみ!」
小魚がポトンと落ちてきた。
おお、これは・・・
芳醇な香りがボクの鼻腔をくすぐる。
フラフラと寄って行くともう止まらない。
い っ た だ き ま ~ ~ す !
ガブリとと噛むとなんて濃厚な・・・
でも・・・
固い・・・
1/3程食べた所でギブアップ。
固くてダメだ。香りはいいけど・・
「うーん、まあちょっとは食べたなあ・・・
海のモノは塩が多いから健康に良くないって書いてあったっけ。
これはどうよ?」
ニンゲンはそう言うと薄くスライスしたお肉をポトンと落とした。
クンクン・・・
コレだよ!コレ!
ボクは夢中になってかじりつく。
でも、固いなぁ・・
頑張って噛み切ろうとしても力が出ない。
他の子と一緒なら間違いなくご飯を奪われてるだろう。
「おお、食べる食べる。食の細ったカメにはコレだね。
冷凍ピンクマウス。(注)
丸々一匹食べれるなら完全栄養食って聞いたけど、コイツらごく一部しか食べられないから栄養偏りそう。
親ガメはあっさり引き裂いてたから柔らかいと思ったけど、コイツらには固いんだなぁ。」
へえ・・・あれはネズミさんの赤ちゃんなんだ。
母ちゃん達こんなの食べてるの・・・
めっちゃグルメかも?
注: 冷凍ピンクマウス 本来はフクロウとか大型魚、蛇などの餌。
日本イシガメにあげてる人はあんまりいないだろう。




