カメおばさん家に行く 1
「あ、カモネギさん?
ウチの子が産んだ卵が孵ったんですよ!」
「あらら~さん?今なんて??」
「日本イシガメの卵が孵ったんです。四匹。」
「エエエ~!?
いつのまに卵を?」
「6月頃プランターに。」
「でも、掘り起こして孵化器に入れたなんて書き込みしてなかったよね?」
「イヤ~どうせ孵らないだろうと放置で。」
「このどアホ!産卵したら即回収やろ!
次の産卵で潰れてしまうで!」
「はぁ・・・まあ、その・・・」
ニンゲンが誰かと喋ってる。
なんか怒られてる。
「・・・それで今晩見せに行きますね。」
「というワケでカモネギさんのとこにお出かけだ!」
そんな事言われたって・・・あ、おばさんに何かご飯もらえるかも?
なんせこのニンゲン、冷蔵庫の中はスッカラカン。
食材のストックが何も無いからなぁ。
「よく来たね~。
ちっこい子がマインちゃん、ちょっと凹んでるのが凹ちゃん、元気なのがボーちゃん、マイペースなのがロゼちゃん。
じっとしてたらボーちゃんとロゼちゃん見分けがつかないねえ。」
おばさん家に来て開口一番、見分け方を聞いてボク達を迎えてくれた。
ボク達四匹を個別に見分けて接してくれるようだ。
ニンゲンときたら、たまにボーちゃんとロゼちゃんを間違えてるし。
「ケイちゃん、お友達が来たよ。
仲良くしてあげて。」
ケイちゃんはおばさん家の日本イシガメ。一つ年上だ。
水槽に入るとケイちゃんは四匹にびっくりしたのか隅っこに縮こまった。
おばさん家の水槽は大きめのプラケース。
母ちゃんのいる水槽と同じ位のサイズで水深5cmくらい。
ボクは溺れないように陸地に。
ボーちゃんとロゼちゃんはマイペースに水の中を探索してる。
凹ちゃんは中央の“タコツボ”に手をかけると止まった。
やっぱりしんどそうだ。
「さあご飯だよ~」
おばさんがカメの餌をパラパラ振り撒くとケイちゃんが器用に
水中から水面のエサを取っていく。
まるでジョーズが水中から襲撃するように。
でも、時々狙いを外すのはご愛嬌。
それを見たボーちゃんが真似をする。
口に入りきらないからずーっと追っかけていった。
わりとムキになるタイプ?粘着質?じゃなきゃいいんだけど。
このエサ大きめでボク達には丸呑みはムリっぽい。
それでもロゼちゃんと凹ちゃんはなんとか呑み込んだ。
凹ちゃんがボクの近くに来て声をかける。
「マイン、食べないと死んじゃうよ?
そんなに“土だんご”は嫌なのかい?」
「匂いがダメなの。」
「マイン、よく聞いて。
ここにいる以上、コレを食べないと生きていけない。
君にはぼくの分まで生きて欲しい。」
「そんな・・・死んじゃやだよ。」
「ぼくも死にたくはないけど。
今はムリでもいつか食べられるようになる。」
これフラグなの?




