キミの名は
「どうもお世話になりました。」
「いいのよ~、ボーちゃん、ロゼちゃん、マインちゃんまた遊びにいらっしゃいね~」
はーい!カメおばさん家はご飯が美味しいからケイちゃんがうらやましい。
けど、ニンゲンが言う“タバコ”の臭いだけは勘弁。
あれさえ無ければ養子に入りたい!
「それにしてもこの子達すごい早さで大きくなるわね。」
「え?そうですか?毎日見てると実感湧かないですけど。
むむむ・・・」
何だよ?何故ボクを見つめる?
「そういえば・・・マインがまん丸じゃない・・・」
「そうね。前はこう・・・500円玉位だったわよね?」
「胴が伸びて楕円形になって・・・」
要は甲羅が伸びたんだね。
「色が薄くなったんじゃないかしら?」
「そうですね。以前は真っ黒に近い緑色だったけど、ボーちゃんに近いかも。」
ボク達の色はホント複雑なんだ。
水の中ではボクは真っ黒に近い緑色。
ボーちゃんの甲羅の内側も割と近い系統の緑色を薄くした感じ。
凹ちゃんもボクに近い黒ぽい緑色だったから大きくなると薄くなるのかな?
ロゼちゃんは初めて会った頃からサンゴとかデザートピンクとか表現出来そうな赤系統の色合い。
水の中でもこういう色合いなんだよ。
カメおばさん家から帰って翌朝・・・
「おはよう。ボーちゃん、それカメ餌だ!」
何言ってるんだ?
ボクだよ!
ボ・ク・!!
マインだよ~
「あれ?カメ餌食べないなぁ…」
「おはよう、ロゼちゃん。」
え?その子ボーちゃんだよ?
「うん?
L字形の石の下に隠れて顔しか見ないと見分けつかないなぁ。」
いや、さっきから甲羅見ても見間違えてたのに!
「ほれ、ご馳走だぞ!キビナゴのフリーズドライ!
細かくハサミで切ったから食べられないことはないだろ?」
お、この臭いは!
フラフラと出て行くとボーちゃんと目が合った。
パク!
マッタリとした芳醇な味わいが・・・こりゃ堪らん!
ちょっと大きいのを咥えるとすかさずボーちゃんが目を輝かせて寄ってくる。
ソレ、ちょーだい!!
やーだよ!
逃げるボクに追うボーちゃん。
二匹の動きはまるで“板野サーカス”!
「あ、ボーちゃんとロゼちゃんが餌の取り合いしてる!!」
いや、だから・・・ボクとロゼちゃんを間違えてるって!




