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叩けば直る、そんな能力  作者: ちぐい


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1/9

1話 叩けば直る、そんな能力

1話でまだ何も進んでません。

すいやせん。

「異能力」ーーー

そう聞くとサイコキネシスや透視能力、時間停止やパイロキネシス、飛行能力や透視能力、そんな感じのものを思い浮かべるだろうか。


現代の世界では、3000人に1人が異能力を発現しているため、割と身近な存在とされている。

昔はなにやら殺伐としたことになったらしいが、今では国連か定めた条例のもと世界的に「異能力者との共存」が実現されつつある。

前述したような能力はたしかに悪用されたら怖いが、異能力者がみんなそんな大層な能力を持っているわけではない。中にはしょうもない能力を発現して「能力になんて目覚めなくても困らない」と思われる人もいるそうだ。可哀想。


「はあ...はあっ...」


「スマクちゃん、これで貴方に教えることはもうほとんどないかもねぇ...」


床で息を切らし寝転がる俺に、相手が覗き込みながら話しかけてくる。


「はぁっ...ばあちゃん、これでやっと修行も終わりだな!」


「そうねぇ、でもとれーにんぐはちゃんと続けるんだよ?いつも言ってるようにーーー」


「わかってるよ【異能力者なんて、能力がなけりゃ一般人】だろ?」


異能力とは遺伝的に発現しやすいこともあるらしい、両親は【ノーマル】だがばあちゃんの能力が遺伝したのではないかと考えられている。能力も同じだし。

幼少期に能力を発現した俺は、その日からばあちゃんに格闘技術を叩き込まれていた。


「でもさ、ばあちゃん」


「なんだい?スマクちゃん」


「どう考えても俺たちの能力【テレビを叩けば直る】に戦闘力必要ないと思うんだ」


「...そうねぇ」


「え?じゃあなんで俺10年以上ばあちゃんにボコボコにされてたの?」


「まぁ...なんというかねぇ、孫が自分と同じ能力持ってたら嬉しくて...ノリ?」


「マジかよ!?...え、マジかよ!」


「まじよ、まじ」


「はああああああああ!?」


「スマクちゃんは朝から元気ねぇ...」


俺の血の滲むような努力はなんだったんだ?

ある時はばあちゃんにボコられ、ある時は100キロの重りをつけて走らされ、ある時はばあちゃんにボコられ、ある時は100キロの重りをつけて川の下流から上流を泳がされ、ある時はーーいや、俺ばあちゃんにボコられすぎじゃね?てか冷静に考えて普段杖ついてるばあちゃんが修行になるとシャキッとしてるのに疑問持てよ俺!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁ...朝から疲れたな」


「おはよう、スマク。悪いんだけどまたテレビ壊れちゃったから直してくれる?」


道場を後にし、朝食を食べにリビングに向かうと母さんが挨拶と共にテレビ直しを依頼してくる。

テレビを見てみると、砂嵐が流れていた。


「また壊れたの?いいよ。この能力は角度が大事なんだよ角度が」


パコッ


斜め37度でテレビを叩くと、映像が流れ始めた。

どうやらニュース番組を見ていたみたいだ。


「...いつも思うけど、お兄のそ(・)れ(・)って異能力なの?」


母さん以外でリビングにいたのに気づいていなかったようだ。振り返ると、今年から高校生になりオシャレ制限の幅が広がったからか蒸栗色に頭を染め、スカートを折り短く着崩している妹がいた。我が妹ながらモテそうな外見だよな...

うちの家族は5人家族だが、兄貴は大学生ながら結婚したため家を出ている。そこにばあちゃんが一緒に住んでいる形だ。

鏑家の女衆3人である祖母、母、妹は美形で、妹はモテているがら祖母母も昔はモテたらしい。

俺はどうやら親父に似たんだな。



「菫(すみれ)ちゃん?いくら俺がレベル1だからって朝からいじめないでよ」


俺の能力を否定してきた妹に対して、反論してみる。


「違うし、お兄の能力なら別に悪用できないから隠れて普通の学校行けばいいじゃんって話。ほら、うちの学校って能力で差別する人がいるとか聞くし...お兄が虐められてたら可哀想だから」


ニッコリ


「なんだ、相変わらずスミレは優しいな」


「ちょっ、頭撫でないでよもう子供じゃないんだから」


良い子に育ってくれてお兄ちゃん嬉しいよ、レベル1の俺にも優しくしてくれる妹を持てて幸sーーー


「いい加減に...離して!」


ズオン


「ゴブッ」


妹が人差し指を上から下になぞる様にすると、俺の体が築10年のフローリングに叩きつけられる。

残ローン30年の味がするぜ...親父ぃ!!!


「ほら2人とも、早くご飯食べちゃいなさい。あとスミレ、能力をお兄ちゃん以外に使っちゃだめよ?あなたレベル4なんだから」


朝食が出来上がったのか、母さんが皿を2つ食卓に置きながらスミレに注意する。


「はーい」


「僕には使っていいんですね、母上」


「むしろお兄はなんでレベル1なのに、耐えられるの?一般人なら入院レベルなんだけど」


「修行の成果?」


待て、入院レベルの力使ってきてるのこの子?家族の愛が重くて困るぜ(馬鹿)


うちの兄妹は両親がノーマルなのに3人とも異能力を持っている。俺はばあちゃんと同じレベル1だが、妹のスミレはレベル4【グラビティ】を持っていて学園でも一年ながら有名人だ。

ちなみに先ほどから言っているレベルとは、国連が定めた【異能レベル】であり、能力者の総合的な危険指数を表すもので


レベル1→一般人級

レベル2→アスリート級

レベル3→超人級

レベル4→怪物級

レベル5→災害級


の目安で区分されている。他の表し方でいうと、レベル2が人間の限界付近、レベル3が人間では不可能な領域、レベル4が1人で軍隊や都市機能に匹敵、レベル5が国家規模で対処が必要といった具合だ。

え?レベル1?一般人は一般人だろ(逆ギレ)


つまるところ妹は1人で軍隊レベルなのだが、そんな妹が平日の朝から自分の家で朝食をとれているのは...まぁ条例とか学園とかのおかげって感じだ。

ちなみに世間ではノーマルが異能力を持つ子供を産んだ時、ネグレクトするという事件も過去にはよくあったみたいだが、うちの両親は3人とも学費浮いてラッキーぐらいにしか考えていない。


「ほらお兄、早く学校行かないと遅刻するよ?」


「え?一緒に登校するの?スミレがいいならいいけどさ」


「何言ってんの?兄妹なんだから別に恥ずかしくないでしょ。いつも一緒に登校してるわけじゃないし」


ニッコリ


家族に恵まれたことを喜びながら、朝食を済ませ妹と学校に向かう。



ありがとうございました。

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