プロローグ
「早く起きなさーい」
一階から叫ぶ母親の声で目覚めた。
(んー、もう朝か)
洗面所へ向かい顔を洗った。
部屋に戻り、ぱぱっと素早く高校の制服に着替え、一階のリビングへと向かう。
席に着くと朝食が用意されていた。
お米、味噌汁、鮭とシンプルな朝食だった。
「おはよう、1番に見に行くんじゃなかったの?」
「そうだった、早く出ないと」
母親と会話を軽く済ませ、急いでご飯を食べた。
カバンを背負い、玄関へ向かうと
「受験票と自転車の鍵忘れてるよ」
母親から素早く受け取り、靴を履いた。
「行ってきまーす」
元気よくドアを開けるとまだ寒い風が吹く中眩しい光が差し込んできた。
俺は山田無郎18歳
東京に住む普通の高校生だ
今日はこの前受けた難関国立大学の合格発表の日だ。
(緊張するな〜)
駐輪場へ向かい、自転車に乗る。
自転車を漕ぐとより一層寒さを感じる。
大学へ向かう途中いつも可愛がっている猫が近寄ってきた。
「おはよう、とーだ」
「にゃーん」
中学のころ怪我をして倒れている野良猫を手当したんだ。
お腹も空いてそうだったのでご飯も買ってきてあけだら、段々と元気になった。
それから親に内緒でご飯をあげていたら、懐かれたんだ。
名前は志望校に似せて付けた。
(おっと、立ち止まってる暇なんかないぞ)
立ち去ろうとすると目を輝かせて俺のことを見てきた。
(仲間になりたそうにこちらを見ているってなw)
「とーだお前も一緒に行くか」
「にゃんにゃーん」
勇者パーティだ〜と思いながら自転車のかごに入れてやった。
緊張もあってかいつのまにか大学の目の前にいた。
(やっぱ一番乗りは無理だったか…)
少し残念に思いながら大学の中を進むと、桜の木に蕾ができていた。
ドキドキしながら掲示板へ向かい、バックから受験票を取り出す。
「2125、2125、212…あ、あった!受かったー!!」
「にゃーん」
小さい頃から運動ができず勉強に全振りしてきたのだ。
周りは写真を撮ったり誰かと抱きあい泣いている。
俺はこぶしを握りしめ、猫と共に喜びを噛み締めた。
「じゃあ、もう帰ろうか」
早く両親に直接報告したかったので、
自転車で家への帰り道を急いで漕いでいると、
同じ高校の服を着た女の子が道を渡っていた。
この時は浮かれててなんでもできる気がしていたんだ。
「俺もこの学校の制服を着るのも後少しかー」
そんなことを呑気に考えながら漕いでいると女の子のところへトラックが突っ込みそうになっていた。
(まずい、どうしよう)
(いや、そんなこと考えてる暇はない)
「危なーい!」
体が勝手に動きだした。
自転車をその場で乗り捨て走り、叫びながら女の子を押した。
(良かった、助けられた)
その瞬間今まで感じたことのない激痛が走った。
「………グフッ!」
口から赤い液体が飛び出してきた。
全身の骨が折れ、体の関節が曲がってはいけない方向に曲がり、目の前が真っ赤になった。
(俺は死ぬのか、せっかく勉強して志望校に合格したのに…まだ両親にも結果報告できていないのに…)
耳は聞こえなく、視界が見えづらくなり、体が徐々に冷たくなって行った。
女の子が泣き叫びながら何かを訴えていた。
(こんなことになるなら恋愛の一つや二つをして青春を謳歌したかったな)
その瞬間意識が途絶えた。
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(あれ、俺はトラックに轢かれて…その後)
悪い夢を見ているのかもしれない。
血まみれになった俺らしき人が泣き叫んでいる女の子に抱き抱えられていた。
その後救急車に運ばれ、手術も受けて…
医師に何かを告げられ、両親が泣き崩れている姿が映し出された。
(なんなんだこれは、夢にしては妙にリアルだし)
不安に思っていたら、突然光が差して目の前が真っ白になった。
(な、なんだ眩しい)
その時夢が終わりを告げた。
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読んでいただきありがとうございます♪
時間がある時に少しずつ書いていくつもりなのでよろしくです。




