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私たちのヴァルキューレ  作者: 紅葉崎もみじ
ヒーローでも、勇者でも・・・
25/27

25話 無意味

 再び飛んでくる火球を躱す。


 大丈夫。そんなに速くない。私でもなんとか躱せる・・・!


 こちらに狙いを定める遠距離型はその手に持つ武器から火球を放つ。

 あれライフルじゃなくて火炎放射器だったんだ・・・。


 いや、出てくるのは火炎放射というよりファイヤーボールって感じだ。


 火球は着弾すると爆発を起こすみたい。

 てことはさっきみたいに太刀を盾のようにして防ぐことは多分無理だ。


「全部躱して弾切れを待つしかないか・・・?」


 でも、それっていつ?

 まさか弾数制限なしで無限に撃てるみたいなぶっ飛び性能があるなんてことは・・・・!


「・・・・!」


 こちらの速度に弾が当たらないと判断した相手は攻撃のパターンを変えてきた。


 先ほどのように威力の大きいものでなく、小さく威力が低いが速度が速い火球に切り替えた。

 しかも小さい火球は連射ができるようだ。


「躱しきれない・・・・!」


 何とか避けているが、何発か機体に掠る。

 威力が小さくなっているといってもこちらの脆い装甲では直撃すれば重大なダメージだ・・・!


「千歳!さっきの!」

「ええ」


 私が太刀を前にかざすと先のように刃が展開し「場」が発生する。

 その瞬間から視界のENが急激に減少を始める。


 火球が何発も太刀の壁に当たるが小さい威力では破れることはなさそうだ。

 着弾の爆発もこちら側に通るほど大きくはない。


「よし、このまま粘ればあああああああっ!」


 回避!

 こちらが足を止めて防ぐと敵は威力の高い火球を放ってきた。


 あぶない・・・当たってたら爆発にやられてた。


 それにより足を止めずに動きながらの防御に移ることになる。

 必然的にENが減る速度が上がる。


 くそ・・・!

 敵もこちらのENを消費させる作戦に出たか・・・!


 敵の火球も燃費が悪いならこちらに分があるだろう。

 こっちのENは減る速度が上がったといってもまだ7割は残っている。


 でも先に私が予想したように無制限に攻撃できるなら、いずれこっちが防ぎきれずに負けてしまう。


 


 このまま防ぎながら突っ込むか?

 いや大きい火球はこの十分に空いた距離があるから躱せているだけであって、距離が詰まればそれも困難になるだろう。

 こちらの攻撃が当たるような近距離ならまず回避は無理だ・・・。


 やっぱりこのまま耐えるしか・・・。


 ふいに火球の連射が収まる。


「?」


 すると両肩に装着され後方に下げていたミサイルポットが せり上がりこちらに照準を合わせる。




 ―――――マジで?




 轟音と共に数十発のミサイルがこちらに発射された。


「うっそおおおおおおおおおおっ!!!!」











「し、死ぬかと思った・・・・」

「実際あなただったら死んでたわ」


 でしょうね。


 ミサイルが放たれた瞬間、ロボットの操縦を千歳に換わった。

 私では考えられない動きで千歳はミサイルの弾をすべて回避した。


「ところで、途中躱しきれないミサイル。太刀で切ってなかった?」

「ええ」

「切った瞬間に爆発しそうなもんなんですけど・・・」

「そんなの爆発する前に太刀を振りぬけばいいだけよ」


 さらっと何言ってんの?

 これだから天才は・・・。


「はあ・・・・とにかくこっちも戦闘終了でいいのかな?」

「そのようね」


 ミサイル以降の攻撃はなく、遠距離型のロボットは沈黙している。


 多分さっきまでの私の回避能力を見て、ミサイルを躱せないと読んだ敵は惜しまずにミサイルを全弾放ったのだろう。

 実際私ではあの広範囲攻撃を回避することなんてできなかっただろうし。


 誤算だったのは、こっちのは千歳が乗っていたことだ。


「ある意味では私の技術が未熟だったから勝ったのかな?」

「何を言っているの?」

「なんでもない・・・」

「確かに、最初の火球にミサイルを併合させた攻撃なら私も躱すことに苦労したでしょうね。その点ではあなたのおかげで楽に勝ったということかしら」


 苦労・・・。

 つまり躱せないことはないってことね。


「それに、何度も言うようだけれど。私だけならそもそもこんな状況には至っていないわ」

「おっしゃる通りです・・・」


 まずい。どんどん小さくなっていく私。


「あなたの行動はことごとく非効率的ね。それで先と同じ質問だけれどこれからどうするのかしら」


 私は先ほどまでこちらを攻撃していた遠距離型。

 そしてその前に戦っていた罠を張る近距離型それぞれに目を向ける。


「あなた、わざわざ倒した敵に被害が出ない位置に移動しながら攻撃を回避していたでしょう」

「・・・・・」

「つくづく非効率的ね。そんなことに気を回さなければもっとうまく回避できたでしょうに」

「誰も殺さないで戦うって・・・・決めたから」

「本当にそんなことするつもり?」

「うん・・・・」


 返事はなかった。

 でも、千歳は私の考えを否定しているという感じではなかった。


 否定はしないけど、納得はしていないし。

 理解はしない。ということだろうか。


「とにかくこの二人を別の場所に隠さないと」

「そこまでするの・・・・!」

「うん。このまま戦闘終了まで他の敵が表れないとも限らないし。このまま終了してもこの位置だと次の戦闘でこの二人がまた戦うかもしれないじゃない。それだと私がしたことの意味がないし・・・・」


 いや、そんなこと言ったら。


 私がしているこの行い。


 これこそが本当に無意味なんだろうけど・・・。



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