表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/145

18

「――まあ、そうだろうな」


 あたりまえの説明である。突然変異で、本来の戦闘民族よりも、はるかに高い戦闘力を持った個体というのは、漫画で何度も見たことがあった。うなずく俺を見て、マーガレットが話をつづける。


「ところが、自らの強靭な魔力に気づかず、魔導士としての教育を受けてこなかったものはどうなるでしょう?」


 いたずらっぽい顔をしながら、マーガレットが俺に質問した。ちょっと想像してみたが、見当がつかない。


「どうなるんだ?」

「あなたのようになるのです」


 マーガレットの表情は、冗談を言っているような感じではなかった。


「全身にみなぎる魔力を周囲に放出させる方法を、あなた方は知らないのです。そのため、魔導士としての魔力の行使ではなく、体内に宿っている魔力が、自らの肉体の強化という形で具現化するのです」


 ちょっと意外な説明だった。驚く俺をマーガレットが見据える。


「それが獣化症の正体です」

「へえ」


 なんとなく、俺は自分の両手を見た。そうだったのか。そういえば、遺伝子にはなんの問題もないとか、日本の医者も言ってたしな。それに、日本に魔力探知機なんてあるわけがない。獣化症の原因が解明できないわけだ。

 俺は、魔法の使い方を知らない魔法使いだったのである。


「ただ、ちょっと質問」


 俺は手をあげた。マーガレットが微笑む。


「なんでしょう?」

「こっちの世界――サーバナイトだったな。ここには、俺以外の獣人類はいないのか?」

「います。それが何か?」

「だったら、なんで俺を珍しそうな目で見たんだ?」

「彼らとは、基本的に交流がありませんので。どこに住んでいるかもわかりませんし」


 マーガレットの微笑が苦笑になった。


「それに、彼らには彼らの部族の教えがあり、誇りがあります。会うことがあっても、わたくしたちの話など聞いてくれませんし、もちろん協力を願いでても、うまく行くはずもないでしょう」

「それに、都の人間って、獣人類を怖がるから。同じ人間なのに」


 ジャスミンが追加で説明してきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ