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「魔法を打ち込んだら、ナイトゴーレムはかえって力をつけます。ナイトゴーレムの魔力が尽きて動かなくなるまで、わたくしたちは姿をくらますしかないのです」

「あ、そうか。確かにそうなるな。じゃ、どうしようもない、か」


 そういえば、エネルギー波を吸収して、自分の力にする人造人間のでてくる漫画もあったっけ。それと同じパターンか。今回は、たまたま俺がいたときにナイトゴーレムが現れたから、なんとかなったってことらしい。


「俺がいてよかったな」

「だから、皆、あなたを歓迎しているのですよ」


 なんとなく言ったら、マーガレットが、さっきまでの表情を流すように微笑んだ。同時に右肩が暖かくなる。横をむくと、ジャスミンが俺の右肩に手をかけていた。つづいて、左の太腿も。そっちを見たら、俺の助けた子供エルフが笑顔で手を置いている。気がついたら、ほかのエルフたちも俺を見つめていた。

 自画自賛になるかもしれないが、皆の目は、希望の光を見る目だった。


「なるほど。まあ、大体だけど、ナイトゴーレムってのが、ドラゴン退治につくられたはずなのに、たまに故障して、みんなにものすごい迷惑をかける代物だってことはよくわかった」


 俺は大げさにうなずいて見せた。こういうときは、嘘でもわかったふりをしたほうが親近感を招く。


「で、次に、昼間もした、第二の質問。どうして俺を怖がらないのか――は、いいか。いまの流れでよくわかった」


 質問しかけて、俺は話を切った。これはいいとしよう。


「ただ、追加で質問。みんなが力を合わせて戦えば、ナイトゴーレムをたおすとか、そういうことはできないのか?」

「それは無理です。わたくしたちが使う弓と矢は、狩りをするためのものですので。ドラゴンの炎にも耐えられる鎧を砕く力などありません」

「あ、そうか」


 森の貴族であり、妖精の至高でもあるエルフが、自分から喜び勇んで戦争に参加するとも考えにくい。そういう種類の武器は持ち合わせがない、か。考えている俺の前でマーガレットが話をつづけた。


「わたくしも、かつて人間の世界に降りて、人間の、騎士の鍛錬を目にしたことがあります。皆、甲冑を身に着け、剣と盾を持って戦っておりました。つまり、騎士の持つ剣は、騎士をたおせるということです。ならば、ナイトゴーレムをたおすには、ナイトゴーレムの剣を使うしかありません」


 昼間、俺がナイトゴーレム相手に考えたことと、ほぼ同じことをマーガレットが説明した。このへんの理屈は、どこの世界でも同じらしい。

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