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「白い連中が何を言っても無視しておけばいいが、おまえはミーリアやレイリアと親密だと昨日のうちに聞いているからな。信用ある人間が私たちの話を聞いたと言いだせば、誤魔化すこともできなくなる」

「だから私は反対だったんだ」


 メアリーにつづき、ほかのダークエルフたちも口々に言いだした。それはいいけど、だから私は反対って。そんな顔つきの奴なんて、昨日の時点ではいなかったぞ。


「あのな」


 なるべく俺は控えめに申しでた。俺の言葉に、メアリーがビクッとした調子になる。なんで俺を怖がってるんだか。

 まあ、それはいいとして、俺は自分の考えを述べることにした。


「俺は、確かに昨日、ミーリアとレイリアの姉妹と話をした。それは間違いない。でも、それだけだ。ナイトゴーレムが暴走したって言ったら、レイリアは怒ってどこかへ行っちゃったし。それに、俺は今日、ジャスミンたちと一緒に森へ帰る予定なんだ。誰かに告げ口なんかしない。だから、そのへんのことは安心してくれ」


 俺の言葉に、メアリーが妙な顔をした。なんでだ? 横眼で見ると、背後のダークエルフたちも同じような表情である。

 なんと言ったらいいのか、拍子抜けしたというか、唖然としているというか、そんな感じだった。


「確か、Bだったな」


 少しして、メアリーが俺のニックネームを確認した。


「そうだけど?」

「貴様、私たちと寝る気はないのか?」


 とんでもないことを言ってきた。


「は? 寝るってなんでだよ?」

「人間の男など、結局はそれだろう」


 またすごい偏見でものを言ってきたメアリーである。


「だから私は、貴様が私たちを脅して寝るつもりだろうと思っていた」


 メアリーの言葉に、ほかのダークエルフたちもうなずいた。


「人間は、私たちダークエルフを淫乱だと勘違いしているからな」

「そりゃ、白い連中に比べれば、私たちは胸も尻も大きいけど、それとこれとはべつだ」

「私たちだって、いまは騎士だ。正義と平和のために生きる気でいるのに」

「まだ勘違いしている連中は大勢いるし」


 またもや口々に言いだす。どうやら、俺はとんでもないド腐れ野郎だと思われていたらしい。


「ちょっと待ってくれ。いいか?」

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