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第十六話 土魔法ツンデレの過去と、ダンジョンの休憩


ダンジョン三日目。


三階層目の部屋で、ゴーレム型の岩魔物と遭遇した。

ドルガンが盾を構え、ラセリアが大剣を振り上げる。


「来い!」


リリーシャが土を操り、地面から巨大な壁を隆起させる。


「これで足止め……!」


魔物が壁に激突し、ひびが入る。


俺は後衛から神聖魔法を展開。


「みんな、回復!」


光がパーティを包む。


ミランダが狐火を飛ばし、ヤミカが影から苦無を連射。

連携で魔物を倒した。


戦闘終了後、俺たちは部屋の隅で休憩を取る。


ドルガンが息を吐く。


「ふう……今日もきつかったな」


ミランダが水筒を回す。


「みんなお疲れ。少し休もう」


俺は壁に寄りかかり、巻物を広げる。


「アミ経……もう少し読んでみるか」


リリーシャが俺の隣に座ってきた。


「……またお経?」


俺は頷く。


「うん。

唱えると力が湧くけど、

書いてある内容も、ちゃんと理解したいと思って」


リリーシャは少し黙ってから、ぽつりと言った。


「……土魔法も、同じ」


俺は驚いて顔を上げる。


「え?」


リリーシャは視線を逸らす。


「この魔法……里で生まれたときから、期待されてた。

『岩の里の土の娘』って呼ばれて、

幼い頃から厳しく鍛えられたの」


俺は静かに聞く。


リリーシャは続ける。声が少し震えていた。


「でも……15歳のとき、里の外から来た冒険者に騙された。

『君の魔法を活かせる場所を探してあげる』って言われて、

里を抜け出した。

……全部、嘘だった。

魔法を金で売ろうとしてただけ」


俺は静かに言う。


「……だから、俺のこと怪しんでるんだな」


リリーシャはハッとして、顔を赤らめる。


「な、なんでこんな話、したんだろ……」


少し間を置いて、彼女は小さく続けた。


「……あんた、巫女様のことばっかり考えてるくせに、

パーティの皆をちゃんと守ろうとしてるでしょ。

それが……少し、悔しいっていうか」


俺は驚く。


「悔しい……?」


リリーシャは慌てて立ち上がる。


「わ、わかんない!

もういい! 休憩終わり!」


彼女は早足で先頭に戻っていく。


俺は巻物を握りしめて、思う。


「……少し、心を開いてくれたのかな」


ラセリアが俺を見て、からかうように笑う。


「意外と女にモテるな、お前」


俺は慌てる。


「違いますって!」


ドルガンが低く笑う。


「まあ、ゆっくりやれよ」


……このパーティ、

少しずつ、俺の居場所になってきてる。


(第十六話・了 約2150字)

次回第十七話 は、とうとう出ますリリーシャ視点!

リリーシャ「

……嫌いじゃない。

いや、嫌いじゃないってレベルじゃないかも。

……いやいや、何言ってんのよ、私!」

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