最終話 式を挙げました
最終話 式を挙げました
人間のチャペルで、要とエスパーダは結婚式を挙げた。
産後ダイエットの末、能と就の作ったウエディングドレスが映える体型にまでなっていた。
バージンロードをエスパーダの父と一緒にハトに乗って移動するエスパーダ。ハトはアックス所有のハイマースで、新婦側の席でハラハラしていた。
ハイマースから降りたエスパーダは白スーツ姿の要の手に乗り、神父の前に立つ。
神父が言った。
「汝、宿守要は病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、新婦エスパーダ・サリナスを愛し敬い、支え合う事を誓いますか?」
「はい、誓います」
要は静かに言った。
そして神父が言う。
「汝エスパーダ・サリナスは病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、新郎宿守要を愛し敬い、支え合う事を誓いますか?」
「誓います」
「指輪の交換を」
結婚指輪はプラチナで、スミス姉妹の自信作だ。
要はエスパーダの薬指に指輪を嵌めた。
エスパーダは要の薬指に指輪を嵌めた。
「誓いのキスを」
みんなが見守る中、要はエスパーダのヴェールを上げて、キスをした。
子供が泣き出した。
「おー、よしよし」
サイズが赤ん坊を抱いていた。要とエスパーダの娘、宿守弓である。生まれた後、二人で決めた。
「弓ちゃん、サイズお姉ちゃんがオムツ替えますからね」
サイズは弓だけでなく、銛のオムツも替えてるのでスムーズだった。弓は泣き止んだ。
「なかなかやるな」
黒星が言った。
「えへへ」
サイズは照れていた。
「あなたも見習ってやってみなさい」
銛をあやすエクスカリパーに嫌味を言われて黒星は口を噤んだ。尻に敷かれているようだ。
みんなチャペルの外に出て、ブーケトスをおこなった。エスパーダのブーケは小さいので、サイズとスミス姉妹しか参加できない。なのに能が参戦する。
「能は参加しなくて良いじゃん」
「サイズも弓ちゃん見てりゃ良いじゃん」
「ちゃんと就に預けてるから大丈夫。ライトハンドとレフトハンドは参加しなくても良いんじゃない?」
「僕等も参加しないと」
「人数合わせだよね」
二人はやる気満々だ。
大中小と揃った受け手に向けて、エスパーダは背面でブーケを放り投げた。
「ちっちゃ!」
「カモーン!」
まず能とサイズが争った。能の身長の半分にも満たない高さでしか届かないため、脱落。
そして勝ちを確信したサイズはブーケをつかもうと落下地点に移動して、手を伸ばす。
「あうっ」
某野球選手のように頭に当たり、取り損ねた。
「イェーイ」
「ヒャッハー」
二人が受け取り、ブーケを掲げた。小さいスミス姉妹が勝ったのだ。
「悔しい! エクスカリパー、結婚式しない?」
サイズが聞いた。
「黒星に聞かないとな」
エクスカリパーは黒星に圧をかけた。
「まあ、そのうちな」
そして要とエスパーダは頭を下げた。
これから披露宴だ。幸せ過ぎて、なんか震える。
「要、私幸せ」
「俺もエスパーダに負けないくらい幸せだ」
「張り合ってどうすんのよ」
「良いじゃん。争えるほど幸せなんだよ」
「じゃあ幸せ者君。帰ったら弓のお風呂頼むわね」
要は頷いた。今は家で弓の相手をするのが楽しい。まだ超能力は発現してないが、マダムを見ていたので不安はない。
ただ愛すれば良いのだと、少なくともシールドのように育つのだと思える。
「要」
「ん?」
「私を幸せにしてくれてありがとう」
「それはエスパーダと出会えたからだ」
じゃないと他の小人達や弓には出会えなかった。
「つまり私の課金きっかけって事だよね」
課金に困って、犯人を捜したらエスパーダだった。そして課金の最中、弓が生まれた。だからといって要は課金を良しとはしない。
「課金はゲームじゃなく、弓にしよう」
決まったと思ったが、エスパーダには呆れた顔をされた。
「今からそんな甘々だと反抗期持たないよ」
納得しない顔で、記念写真を撮った。要はその時の表情が幸せそうじゃないと後々まで言われる事になる。




