第一話:待ち合わせ
小学生の頃からだったか・・、俺の私服を馬鹿にする奴が出てきたのは
中学生の頃からだったか・・、俺の髪型に清潔感が無いとか言われたのは。
どれもこだわりが無かった、そんな物に金を使うならパソコンのグラボやゲームに使いたい。
そんな風に思っていた。
逆に言えばワックスを付けたりカッコつけたりする方が恥ずかしかった。
そんな風に考えが変わったのはある友人がキッカケだった。
俺には幼馴染がいる、とても仲良くオタク仲間としても一番の親友だった。
そして彼は”リク”といって、昔から俺を羨ましがっていた。
「背高くていいなぁ~」「鼻が高いよね」「僕も早く声低くなりたいなあ」..など。
当時の俺は恥ずかしながら調子に乗って「っふ、こればかりは神からの授かりものなんでねっ」などとほざいていた。
切実に死にたい、てか昔の自分を殺しに行きたい。
この時代にタイムマシンが無くて良かった。
そんなリクとも高校の試験勉強で中々会えずにいた。
俺とリクは無事にお互い合格したので合格祝いをするため俺は駅で待ち合わせをして飯を食いに行くことになった。
そして当日俺が駅でまっていると後ろから声を掛けられた。
「お待たせ、待った?」
俺は後ろを向きながら今来た所だよっと言いかけて絶句した。
誰だコイツ・・・。
俺は頭の中で待ち合わせたリクと照らし合わせてみると面影があった。
だが、ほとんど別人だった。
モッサリとした重い髪の毛は面影も無く、ふわふわとした感じの髪はほんのりと整髪料の匂いを感じさせる。
服はジャケットの丈が長いコートの様な物の下に”とっくり”いやこれは多分最近で言う”タートルネック”とかいうやつだろう。
ズボンはやけに細いジーンズ、これも知っている。
たしか・・す、す、スコッティーパンツだったか?
あれ、そんなティッシュみたいな名前だっただろうか・・?
白と黒で組み合わせた感じの服は清潔感があって童顔で身長の低い彼が大人びて見えた。
そして俺は自分の服装を舐めるように見た。
上はスウェットに下はダボダボのジーンズ。
とどめには意味の分からない柄のマフラー。
俺は謎の敗北感と劣等感に襲われた。
俺は真っ白に燃え尽きながらも挨拶するついでに褒めた。
「合格おめでとう、お前なんかオシャレでカッコよくなったな。」
「うん、おめでとう!えっと。ありがと・・。」
リクは頬を染めながら恥ずかしそうに言った。
なにこれ、コイツ可愛い。
まさかリクがこんなに美少年だったとは・・・、眼鏡を取ったら美少女とかいう展開のエロゲで見たものと似たような感じか、あのエロゲの主人公もこんな感じの衝撃を受けたのだろう。
そして俺のラブコメは”リク”ルートに入ってしまうフラグを立ててしまったのか・・。
リクルートで完璧にラブコメの神様が求人求めてますね、リクルートだけに?ああ、今のは死にたい。
などと下らない事を思いながら予約した中華料理屋に向かうことにした。
「まあ、寒いし予約してあるから早く行こうぜ。」
俺がそういうと”うん”っと大きくうなずいてニッカっと笑った。




