1625話、ロゼッタ、ロゼッタ騎士団夜勤部隊
今回、昼間に訓練受けるメンバーだけじゃなく、昼間は仕事をして、アフターファイブから訓練受けるかーって人が一定数いらっしゃったのでロゼッタ騎士団夜勤部隊も設立した。
なので、昼間のメンバーが帰ってすぐに夜勤部隊となるメンバーがやってくる。
明日の仕事に響かないようにしたいので最初に軽く運動させて実力と性格を把握。
その後にパワレベ第一段階を行って様子見かな。
土魔法で作った高台から皆を見つめ、私は本日の訓練内容を確認する。
「おい、お前も来たのか!?」
「あぁん? お前来る気ねぇっつってただろ」
「お前だって店が忙しいとか言ってたじゃねぇか!?」
皆考えることは同じだったようだ。
彼らが訓練を受けようと思ったのは、きっとこの町のためだ。
自分たちの周辺の笑顔を守りたい。そのために彼らはここに来た。
だから、多少辛くたって続けてくれると思う。
「皆さんこっちですよー」
「お、ありゃ貴族のロゼッタお嬢様か?」
「面接に居たからすぐにわかるな。ただ、夜になるとあの髪だから周囲に溶け込んでしまいそうだぞ。気付いたら後ろに居るとかなりそうだ」
「はは、お前さんが情けない声で驚いたら笑ってやるよ」
「お前こそおかぁちゃーんとか泣き叫ぶなよ。知り合いと思われたら恥ずかしいからよ」
周囲にいるのが顔見知りが多いようで、そこかしこで軽口の叩き合いが行われている。
「ウチは主人に任せてこっちに来ちゃったわ」
「たまには夜食を自分で作ればいいのよ。私たちの苦労が分かるってものよ」
「あら、奥さん、貴女もいらっしゃったの!?」
「ええ。主人が頼りないから、私が一家を守らなきゃ」
うーむ。男性よりもおばちゃんが結構いらっしゃるな。
ベルングシュタット領のおばちゃんは精神的に強いのかもしれない。
「全く忙しいってのによぉ」
「どうせ鉄打つしかできないんだから、たまには領地の為になることしなさいよ。ほら、一緒に参加してあげるから」
ドワーフの夫婦とか、肉屋のおっちゃんとか、いろんな仕事人がやってくる。
一部明らかにカタギじゃないオジサンとか武装済みの下っ端顔とかがいるけど、まぁ訓練していけば問題あるまい。ダメそうならロゼ案件か教団送りで。
我ながら酷い発想だなぁ。でも罪を償わせようといろいろしてると結局信者になるから教団送りが妥当なんだよ。おかしいな?
「皆様ようこそお越しくださいました。ロゼッタ騎士団夜勤部隊を指揮します、ロゼッタと申します」
知ってた。とよく言われる。
うん、まぁそうだよね。ロゼッタ騎士団で集めたもんね。そりゃロゼッタが指揮しちゃうんだよ。
畑も執事さんやメイドさんが私の仕事だひゃっふーと楽しそうに行い始めたし、私のすることこれ以外もうほんとにないんだよね。
だからまぁ付きっ切りで訓練してしまおう。軌道に乗ったら一部メンバーと景観改革を始めればいいだろうし。
「夜勤部隊は明日の仕事に支障をきたさないように時間も昼の部隊の半分で行います。とはいえ、実力がそこまで身に付かない、と嘆く必要はありません。ただ、強くなることは確定していますが、同時に強くなるだけなって、目的とは逆に悪逆の限りを尽くそう、あるいは他の領地で暴威を振るおうという愚かな人員が出てくるかもしれません。なのでこれから一週間は軽めの訓練で皆さんの実力と精神性を確認させていただきたいと思います」
ざわつく皆さん。しかしながら一週間の軽い訓練でここの訓練がどの程度のキツさかがわかるので納得し始める。
「オイオイロゼッタさんよーっ、俺らぁ強くなるためにここに来てンだぜぇ。なぁんで軽い運動だけで終わらされるんだ、それも一週間もよぉ。来た意味がねーだろがぁ!」
武装状態の下っ端顔が武器を引き抜き威圧してくる。
周囲の市民が逃げようとし始めたので、風魔法で声を大きくして「落ち着け!」と軍隊式に凛と告げる。
「武器まで出して威圧してるみたいだけれど、貴方程度の実力ではかすりもしませんよ?」
とんっと土魔法で作っていた高台から飛び降り、男の前にゆっくりと歩み寄る。
「ンだとテメェ!?」
「皆さん、逃げる必要もありません。そしてよく見ておいてください。皆さんには今から私が行うことを出来るようになってもらいます。というか、訓練を受けていれば自然と身に着きます」
「無視してンじゃねぇぞクソ女ァッ!!」
私のこと知らずに攻撃仕掛けてくる人まだライオネルにいるんだなぁ。
ショートソードを大きく振りかぶって打ち下ろす男。
あまりにも遅すぎて軽々避ける。
それからも優雅に華麗に大胆に。
男の攻撃をひらりひらりと避けて見せると、怯えていた周囲のメンバーも落ち着きを取り戻し始めた。
全然当たらない。
ひらひらのドレス衣装なのに服にすら剣先が引っかからない。
次第、メンバーの皆さんは俺にもできるのかあれ? と期待に満ちた目をし始めた。
やっぱり実際に見せるのが一番だね。この下っ端顔君には感謝しておこう。まぁ牢屋にぶち込んで教団送りだけど。




