疲れもたまりますよ。体力ないんだから。
眠い。
テスト最終日。すでに生物基礎のテストが終了し、残るは物理基礎のテストのみだ。
ここまでは順調だった。
火曜日の日本史Aと世界史Aのテストは予定通り前日に徹夜はすれどもテスト自体は二十分で終わった。けっこう一夜漬けって効果あるんだなって知った。
生物基礎もなんとか二十分で終わらせて睡眠をとったが、やはりまだ眠い。
しかも次は物理基礎。
計算できなきゃ解けない。
解けなきゃ当然点は取れない。
点が取れなければ、成績はつかない。
物理基礎が零点でも、他でカバーできなくはないだろうが、欠点をとると補習だ。それに、成績も物理基礎だけ酷いことになりかねない。
さすがに嫌だ。
ある程度の点は欲しい。
どうしようどうしようと考えている間に、テストが配られた。
よし、もういい。とにかく眠い。寝てしまおう。
起きられたら、数問は解けるはずだ。
現状、問題を解けるほど頭が回っていない。
おやすみ。
『え~、問題の訂正です。大問六の三問目、解答欄が存在しませんので、各自で枠を設け、記入してください。繰り返します。大問六の三問目、解答欄が存在しませんので、各自で枠を設け、記入してください。以上です。よろしくお願いします。各自健闘をお祈りします』
そんな放送で目が覚めた。
よし、さっきよりは頭が冴えている。
いける。
全力で取り組もう。
残り時間も五十分。
丁寧に計算していけば、ミスも減るはず。
そうして、なんとか最後の問題を解き終え、自前の解答欄に記入したとき、テスト終了のチャイムが鳴った。
安心したからか、眠気と疲れがどっと押し寄せた。
視界が暗転し、気付けば先生が何か言っている。
ああ、そうか。倒れたか?
「大丈夫です。帰ったらちゃんと寝ます」
「おお、そうか。気を付けろよ?」
「もちろんです」
その場は何とか収まった。
ふう。
よかったよかった。
別れ際だった。
一緒に帰ろうと言われ、僕は春山と一緒に駅まで行った。
なんだか、ドキドキする。
心臓が脈打つのがはっきりとわかる。
やっぱり好きなんだろうか。
隣を歩くだけでこんなにドキドキするとはどうもあれだな。
これは伝えたほうがいいか?
言わないと辛くなるようなら、検討してもいいかもしれない。
まあ、やめておくか。
「さっき、結構ドキッとしたんだよ? 心配させないでほしいな」
「まあ、これからは気を付けないとな。一夜漬けなんてしないようにしたいもんだ」
「そうだね~。やったことなかったけど、今回の遠山くんを見てる感じだと、だいぶ辛そうだし、徹夜で一夜漬けをするのは危険そうだね」
「まあ、詰め込みすぎたんだろうな。教科書丸暗記したし。範囲のとこは一字一句違わず言える」
「やっぱりすごいね」
「まあ、この学校のテストのレベルも大体わかったし、次からはもっと手を抜くことにする」
「うん。あ、駅ついたね」
「じゃあ」
「うん。またね」
「また来週」
「気を付けてよ? 注意散漫になってるだろうし」
「だな。気を付ける」
手を振って別れ、家になんとか帰り着くと、僕は泥のように眠り込んだ。
たぶんその心臓のドキドキ、違うやつですね……。




