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料理上手なんだね
「先輩のお母さんが用意しているんじゃないですか?」
もし用意されていないなら…作ろうかな、なんて思い聞いてみた。
「母さんいないから。俺が10の時死んだんだ。事故で。」
予想外の言葉に、思わず言葉を失ってしまう。
「そんな暗い顔しないでよ。」
「でも…」
「だ・か・ら、ご飯作って。ごはん。」
先輩はいつもの調子で繰り返す。
「…分かりました。お代500円で作ります。」
「え~お金とる感じ?」
「嘘です。ただ味は期待しないでくださいね。」
よし、おいしく作ろう。
家族以外に作るのは初めてで少しだけ気持ちが高揚する。
「できました。ハンバーグです。」
ハンバーグをきれいに盛り付けたお皿を食卓に並べる。うん、完璧。
「ん、おいしい!!奈々未ちゃんって料理上手なんだね!!」
目の前でイケメン先輩が私の手料理を1口1口嬉しそうに口に運びおいしそうに食べている。そんな様子を見ていると、私まで幸せな気持ちになった。
「ありがとうございます!もしよければ…」
またご馳走します、と言いかけて言葉をのんだ。
先輩とこれ以上接する機会はないだろうから。
「来週も食べたい。」
先輩はにこりと微笑んでそう言った。
「え、はい!来週ですね」
料理の腕、もっと磨かないと。




