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長電話2
「それで、奈々未なんか話あるんだよね?どうしたの~。もしかして奈々未も先輩のこと好きになったとか~…?」
いつもの花音らしく明るい口調で尋ねてくるが、電話の向こうの神妙な面持ちが想像できた。
「ないない。花音に伝えたかったのはね、先輩に彼女はいないってこと。」
いない、のところを少し強調させて伝える。
「ほんとー?じゃあ私にもワンチャンあるかな?」
そう答えた花音の声はいつにもなく弾んでいて、つたえてよかった、と思った。
それから暫くの間―きっと1時間は超えていただろう、私たちはデートコーデとか、デートコースの話をしていた。めずらしく長話をした気がする。
「じゃあまた明日。学校でね。」
そろそろご飯の準備をしなければいけないので、適当に話を切り上げて電話を切った。
夜ご飯はいつも私が作っている。両親が共働きで夜にならないと帰ってこないからだ。
今日は何にしよう、と考えながらエプロンを着てキッチンに向かう。
するとまだ橘先輩がいた。




