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もぎ取ったキュウリ
いつのまにか十メートル程に成長しているヒラトリの樹に背中を預け
燻製器を気にしながらも、もぎ取ったキュウリを齧る。
「うん、いいんじゃないかな。」
ほんのりと独特の青臭さが残るキュウリは
ポリポリとした歯ごたえが心地よかった。
「ん、まずい。寝ちまってたか。」
急いで燻製器のボウルを外していくと、茶色くなった尻尾肉が現れた。
「はぁ、火事になって無くてよかった。暇つぶしも考えておかないとな。」
試しに一口かじると、切り分ける前の硬さが嘘のように柔らかくなっていた。




