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草木
苔の生えた大木をコンコンと叩いてみると、中は空洞のようだった。
草木はみな大きく、一番小さなシダの様な植物でさえ
俺の背丈をゆうに越えている。
存在の確認は出来ていないが、虫や鳥の鳴き声まで聞こえている。
すると、背後からガサリと音が鳴った。
弛んでいた意識を戻し、身構えると
そこにはウサギがいた。
「もふもふ・・・よかった、ちゃんと居たんだな。」
これでしばらくの間の肉の確保が出来る、と喜色を浮かべる。
肉だけが目的と言うわけではない。
この命のやり取りをするダンジョンで、可愛いものは心を癒してくれるのだ。




