夢………そして残り4日
投稿がとても遅くなってしまい誠に申し訳ありません
白くと黒にそまった心界は崩れそこには晴れ晴れとした空と広大な世界が広がってゆく
「ありがとうございます、エルム様」
「……ううん、僕こそ君に救われてばっかだよ」
「何度だって私がエルム様を救えるのならこれからも救います、何故なら私はもうエルム様のものですから」
「なら、僕の全てもセリィにあげる
………僕は君に尽くすよ」
それを聞いたセルナは嬉々とした笑みを浮かべ────
その目は幸せとは─────
程───
─遠い
「お帰りなさい」
「ええ、ただいま帰りました」
心界から戻ったセルナは心底幸せ……いや、嬉しそうに目を覚ました
隣にはこの一年、眠り続けるエルム、
向かいにあるソファーにはエルムが一年前に自らを消滅させるために魔術で創った魔術生命体、フィアロールと異世界から来たエルムを知る芽音が座っている
「何かあったんですか?」
「はい、色々と……ね」
「…………」
フィアと会話するセルナに芽音はなにかを勘ぐっているようである
「…ねぇ、セルナ」
「なんでしょう?」
「…………あなたは………この世界は好き?」
どういう意図があるのか
それはこの場にいるフィアだけがわからなかった。
「ええ、大好きです、とても」
「……そう、もうわかったよ
…………ウチは今日はこれで失礼させてもらうね
それと
セルナの館にエルムにお客様が来てるみたいだ
待たせても悪いから出来るだけ早く帰ることをおすすめするよ
…………気を付けてね、彼女はきっと──見抜く」
音芽の鋭い目付きは先程まで見せていたものとは180度違うものである。
そして、指を鳴らした
ありきたりなそれは彼女にとっての最強の移動手段である
「転移!?」
「…いや、これは…昔エルム様が使っていた異能の一つです」
「マスターの能力ですか…フィアにはない」
「仕方ありませんよ、フィアはエルム様の過去にはいなかったのですから」
「……行けるものなら行きたいです」
「………だけど、エルム様は…行けた…」
「えっ!?」
「エルム様が三番目に封印した能力
刻針庭」
「ミンス……ガーデン……」
「時はエルムの物、刻むも戻るも自在にできるのです」
「……それは…」
「ええ、最凶の能力よ、何もかも自在に操れるのと同義なのだから」
「それが……三番目…」
「でも、今は関係ないわね、さっき彼女が使ったのは波潜、音と言う波に潜り一瞬で長距離を移動できる転移系魔術と同等の能力、それに魔力を一切使わないし詠唱もないから正直初見じゃあ
無理よ」
「そうですね、あれで急に後ろをとられたら気づかずにやられてしまいます」
「後ろなんてとらない」
「え?」
「取る必要がないんです…………潜ったまま攻撃されたらこちらにはなにもできないのですから」
「でもそんなことは気にする必要はないですよ
彼女は冷静に物事を考えますから、マスターの取り合いにはならないでしょうし…」
「冷静に考えるから…………
ねぇ、フィア」
「なんでしょうか?」
「貴女は、誰のために戦うんですか?」
「マスターのためにですが?」
「私が敵にまわったら?」
「もちろん…殺します」
即答……か
「例えば…ですよ、私がエルム様を裏切るわけないじゃないですか」
「知っています、フィアもセルナさんに手をかけたくないですから」
「へぇ、魔術生命体も情があるんですね」
「…………セルナさん、帰ってきてから変ですよ…
前のセルナさんはフィアを挑発なんてしません
………本当になにかをするようなら、先程もいったようにフィアは貴女でも容赦なく潰します、
フィアはわざわざセルナさんの考えは詮索しません
貴女が何を考えていたとしてもフィアから見たら所詮セルナさんです
それに、今のセルナさんより芽音様のほうが信用できます」
そういい、眠るエルムをフィアは抱き寄せた。
セルナから遠ざけるように
「…………そうですか」
「はい、それどころか今のセルナさんはきっと誰よりも信用できません」
「だったらどうするのですか?」
「セルナさんをマスターに近づけさせないだけです
これからフィアたちはセルナさんの館には帰りません」
「たちとは、誰の事を言っているので?」
つい先程までフィアの腕の中にいたエルムはいつの間にかセルナの腕の中にいる
「………本当にマスターの敵となるのですね」
「違いますね、エルム様を私のものとするだけです、能力も人格もエルム様本人ですらも、全て、全てを、私のもの……とね」
「……………やれるものならやってみろ、フィアの存在をかけてマスターを守らなければ……フィアはフィアにとって創られた意味が無くなる!」
「ふふふっ、やってみろ……ですか、楽しそうですね、面白そうですね!!」
「ふざけやがって……」
「フィアも猫被りでしたか、ですが、まだその時ではないので私はまだなにもしませんよ、目覚めまで四日、までは」
「……………………ならこれだけ聞かせてください
貴女はなぜマスターを求めている?
マスターが貴方だけは信じれると言わせた貴女がなぜ、マスターを裏切るのですか?」
「だから裏切るわけじゃないですって」
「裏切るんでしょう、貴女も所詮マスターの能力が欲しいだけの───屑だったんですね」
「…………」
「過去にフィアがいなくてもマスターの記憶を介してならフィアだって過去を知れます
それに、マスターはその手の輩には狙われ続けてきていました
その事は貴女が一番よく知っているはずです」
「はい、ずっと……エルム様がこの地に降り立ってからずっと一緒にいましたから」
「…それなのに、貴女はっ!!」
「そうですよ、私はこれまでの屑と同じ…だったってことです」
「…………マスターをこちらに渡してください」
「渡さなかったら?」
「いえ、言葉を間違えたようです
マスターをこちらに渡せ
命令だから拒否権なんてない」
「ふーん?なら、そもそも、貴女の命令に従わないといけない理由もないわけですね
それでは、
転移」
自らが教えた転移魔術により一瞬で目の前からセルナが消える
「セルナさん、本気でマスターの敵になると言うのならフィアは………─────」
フィアの決意の現れである最後の言葉は尽神の間で反響し、消えていった………
「遅かったじゃねえか、エルム、セルナ」
突如突きつけられる刀
セルナの館、エルムの部屋
転移してきたセルナたちを待っていたのは浴衣姿の銀長髪の女刀使いだった
前書きで書いたように投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
次話こそは一週間以内には投稿できるようにしますので見捨てないで見守ってくれるとクロ課長はとても嬉しいです




