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消滅する記憶

(エルム視点)


………あれ?

なんでみんな鼻血だして倒れてんの?


ふと何かから戻ったように気がつくとラル、ニル、セルナが鼻血を出して倒れていた。


満足げな表情で


いや、ニルは血は止まってるか。


一応治そう。


部分治癒パートキュアー ブラッド」


………さて


「ねえねえ、これって………お姉ちゃん?」


どういうことか聞こうとするが

お姉ちゃんは笑顔でこっちを向いていた。


……なんだろうか


「まあ、私は許してないけどね」

「へ?なにを?」

「ねえ、エルちゃん

私に隠していることってあるかな?」


話に全くついていけてない

というか会話になってない


「……どういうこと?」

「いやぁ、私に隠し事があるんじゃないかと思ってね」

「………」


考えてみるが特に思い当たる節はない。

……うーん

うん、隠し事ってのはないはず


「ない、かな?」

「ふむふむふむ、なるほどねぇ」

「なに?なんなの?」

「じゃあ、エルちゃんって彼女できた?」

「なんで!!?」


そっち系の話!?


「ほら、セルナちゃんに聞いたらまだ結婚してないっていってたから」

「……」


納得できるような出来ないような……

……いや出来ないわ!!


「元々俺が知らないことだったんで気持ちの整理ができていないというか唐突すぎて戸惑っていたまま流していたのでよくわかっていないというか……」

「エルちゃんさぁ」

「はい!なんでしょう……」

「なあなあにしてハーレム作ろうとしてる?」

「ブハァッ!!」


姉から発せられた言葉は予想だにしなかったものだった。


まってくれ!お姉ちゃんよ!!

なんでそうなった!!


「ちっ!ちがっ!!」

「違わなくないよね?」

「いや!そんなこと思ったことなんてないよ!」

「じゃあ、周りから見たら完全にそうにしか見えないよ?許嫁がいながらこんなに可愛い子を三人も囲って……」

「囲って!!?」

「さらに女王様まで……」

「なんでしってんの!!?」

「お姉ちゃんですから、

とまあ、様々な美少女に好意を持たれて」

「まって!なにがどうしてこうなってるのさ!!」

「どうして?どうしてなんて!

羨ましいからに決まってるじゃない!!」

「ええぇぇえええ!!」

「羨ましい!!なんで私は入れてくれないのよぉ!!」

「ええ!!えぇぇえええええ!!」

「なんで私はお姉ちゃんなのぉ!!ずるい!ずるいよぉ……」


突如泣き出すお姉ちゃん


……これ俺はどうすればいいんだよ!


「お、おおお落ち着いて!お姉ちゃん!」


俺もそれなりに動揺しているようだ。


そんなこともあり俺はふとこんなことを思いそのまま口走ってしまった。


「というか、今のお姉ちゃんって意識的にはお姉ちゃんだけど身体的には死神ってことになるんじゃ……」

「っ!!!!」

「……あ」


やべっ


「そうよ、そうだわ!!」

「いや、あの、まって、今の無しで……」

「私ちょっとあの両親のとこいってくる!!」

「ちょまっ!!」

「アリスちゃんよろしく!!」


あるときから急に会えなくなって死んでいたことを伝えられそれでももう一度会えた、そんなアリスを俺に押し付ける(いやまあ嬉しいんだけど)


「インビジブル!」


自らを透明に見えるようにする視惑魔術を嬉々としながら唱えさらに次の魔術を紡ぐ。


転移トランスレィション!」




……

いやまて


「……俺どうすればいいんだよ」

『こっちに戻してやろうか?』

「あ、グラグさん

なんだか久しぶりな感じが……」


聞いていると安心するような落ち着いた声が頭に響く


……というか、どこにいても筒抜けなのかな


『とはいっても2、3日位じゃないか』

「そうでしたっけ?最近一日が濃くてつい」

『そうだろうな、セルナにあのラルとかいう気の強そうにみえて裏はでれでれの双子の姉のほうとその片割れの大人しめで従順そうに見えてちょっと変な性癖に目覚めそうな妹、そして、何をするにも予測ができない天真爛漫なお主の姉

そやつらと一緒にいればそりゃあ疲れるよの』


……ラルとお姉ちゃんはともかく

ニル、変な性癖って……


「もしかして、あのアリスにパンツ脱がされそうになった……イダダダダ!!」

「思い出さないでよ……」

「ああ、聞いていたんだ、アリス」


少し立ち直ったらしい


「で、そのときにニルに縛られて吊るされてたときのやつかな……」

「あの勘違いされてた時にいったい何をしていたのかしら……」

「いやいやいや!知ってるよね!」


でも、よかった。

変な推察をたてられるくらいにはなって


……ん?よかった……のか?


『一応いっておくがそのときに少し目覚めたものとは違うからな?』

「え?やっぱりそのときにも目覚めてたの?」

『ああ、元々持っていたMとそのとき少し目覚めたS、そして、先ほどの影響でショタにも目覚めてしまったようだな』

「まって、【先ほどの影響でショタにも目覚めた】って?」

『お主は記憶にないんだったな、なら本人の記憶を少し見させてやろう』

「ちょ!怖いんですけど!!」

「私にも見させてもらえるかしら?声は聞こえてたけど見てはいないの」

『もちろんだとも、

記憶展界メモリアルワールド









一瞬の暗転のあと俺たちの体は半透明になっていた。

目の前にはお姉ちゃんの膝枕で安心したように寝ている……俺


……恥ずい

子供か!俺!


まだ子供だった!!

セーフ……いや無理

この年でお姉ちゃんに泣きついて寝るとか……


恥ずかしすぎて悶える


そして、お姉ちゃんとなにやら言い争っているセリィ

言い争っているというよりは押し問答みたいな感じだが


あっ、アリスがフラフラとしながらお姉ちゃんに近づいてる。


「待ちなさい!まだソワラス姉様が本物かわかったわけではない!」

「そしたらエルちゃんも危険ってことになっちゃうよ?」

「ま、まあそうなんだけども!!」

「あと、エルちゃんが寝ているんだから、しー、だよ?」

「う……ごめんなさい」


ちょ!認めんのはや!!


「お姉ちゃん!!」


そして目の前のアリスはお姉ちゃんに抱きつき……


横にいるアリスは悶えていた。


さっきの俺みたいだ、


その後抱きついたアリスを片手で包容しするお姉ちゃん

そしてその状況に置いてかれているラルとニルが置いてかれてるんだけどとかなんとかこっそり言い合ったりしたのがあったりだとかあり、次の話題にきり変わった。


「そういえばセルナちゃん」

「なんでしょうかソワラス姉様」

「もう、エルちゃんと結婚したの?」


ぶっ!!


「「ぶっ!!」」


俺はラルとニルが吹き出したタイミングと同じタイミングで吹き出していた。

セリィはちょっと言いづらそうな表情を浮かべる


「いえ、まだしてないです」

「そっかそっか!!」


……なんだか嬉しそうだ。

これを見るとさっきのうちのアホ両親に聞きに行ったのがとても気になる。


……どうなってるのだろうか……


「絶対に喜んでおられますよね!」

「そんなことないよぉほんとは誰にもあげたくはないとか思ってないってばぁ!」


…………


隣からジトッとした視線を感じる。


やめてくれアリス

そんな目で俺を見ないでくれ……

俺は無実だ。


「絶対に思ってますね……まったく、相変わらずですね、ソワラス姉様も」

「まあ、誰とも交流してなかったからね~」

「そ、そうですか」


七年間も寂しくなかったのだろうか……

ずっと一人だったなんて


「それはそうと、そこの双子ちゃん?」


ちょっと気まずくなった空気を晴らすかのように明るい声で話を変える

その標的はラルとニルだった。


「何でしょう!」

「何かしら?」

「君たちはエルちゃんとどういう関係?」

「「え?」」


この話に対しての標的はラルとニルだけではなかった。


これ……俺も入ってるわ


「エルちゃんの彼女さんとか?」


この目の前には許嫁がいるのにも関わらず投げ出された疑問にニルは……


「いえ、そんなことは……」


若干濁しつつも丁寧に返そうとしていた……が


「そんな風に見えます!?いやぁ嬉しいなぁ!」


ラルによってすべてぶち壊される。


「んん?それを聞く限り彼女ではなく、エルちゃんを好きみたいな?そんな感じかな?……それとも……」


ここであの質問をされた意味がわかった。

……あの質問だって?

あれだよ、あれ

ハーレムしようとしてるだとかだよ!


「ハーレムしているのか!!?」


いや!

ほんとに思ってなかったからな!!


ホントに!


ホントに……


ホント…………に


ほんとは…………


ちょっと、思ったことがあったりしたかもしれないけど……

いえ、何でもないです。



「ちょっソワラス姉!しー!しー!」

「あ!ごめんごめん」

「えっと、いえ、ハーレムというか特例で認められた一夫多妻制で、エルム君に逆プロポーズをしているというかなんというか……」

「……特例で認められたってことは法を少しねじ曲げたってことよね……一応聞くけど、他にもいるの?」

「えっと、はい」

「その子は……上級貴族だったりする……?」

「上流貴族というか女王よ?」


ここで情報を仕入れていたのか!!

お姉ちゃんだからだとか全然違うじゃないか!


そんな俺の心の声をお姉ちゃんに向けようとしたがお姉ちゃんの後ろにモヤモヤした黒い煙みたいなのが……


怖っ!


「へぇ、へぇぇー」

「ま、不味い!ソワラス姉が!」

「……え?なに?」

「エルちゃんはいろんな女の子をたぶらかすような男の子に育っちゃったのかぁ」


なるほど……これでお仕置きルートましっしぐらだったのか


というか、結局ニルのショタコンに目覚めた原因とやらは?


『もうそろそろだから我慢せい』


あ、はい


「後ろに黒い障気が!」

「なんなのよあれ!?」

「私にだってわからないわよ!!」


そんな周りの声によって起きたのか、当時の俺


しかし、そんな記憶は俺にはない


「ん……んんぅ……」

「目が覚めたかなぁ?

え、る、ちゃ、ん?」

「……おねーちゃん?」

「そーだよ?お姉ちゃんだよ?」

「おねぇーちゃんだぁ!!んーー!!」


目覚めの抱きつきというべきかそんな子供の行動をお姉ちゃんにしていた。



……違う

これは俺じゃない


お姉ちゃんに抱きついたまま俺は小さくなっていた。

子供の時のように。


ズギッ!!


ぐあぁあああ!!!


その光景を見ていたら突如頭に鋭い痛みが走る


ちょっ!どうしたの!!エルム君!!

痛い!!頭が!痛いんだ!!

『なっ!?何かあった!!』

わからない!!とにかくあれを見ていると!


俺はそれにたいして指を差そうと目を向けるとその


小型化した俺が笑ってこっちを向いていた。


絶対に見えるはずないのに、こっちを向いていた

そして……


「……今は僕を認識するな……」


その子供化した俺がボソッと呟いた直後にグラグの魔術が解かれた。そして、俺の激しかった頭痛も収まっていく。


『強制解除された!?この黒魔王竜の魔術を!!?』

「え?強制解除!?」

『ああ!しかし今はそれよりも!』

「大丈夫エルム君!!?」

「……うぅ、なにが……」

『それはこっちの台詞だ!!いったいなにがあった!!』

「なんか、急に頭に激痛が走って……

あれ?なんで、頭に激痛が走ったんだ……?」

「さっきのニルの記憶を見たときに……」

「ニルの記憶?……あ、そういえばニルのショタコンの件はいつになったらわかるの?グラグさん見せてくれるんじゃなかったの?」

『ちょっと待て、お主、頭痛の前になにがあった?』

「え?えっと、グラグさんが本人の記憶を見させてくれるとか言ってたよね?あれ?違う?」

「グラグさんこれは……?どういう……」

『…………記憶の忘却?おいエルム、自分に記憶復元魔術をつかえ!』

「え?なんで?」

『いいから使え!』


「You recall the memory 」


俺は唱えた。

なにかを忘れてるのかな?


しかしなにも変わらない。

なにかを思い出した訳でもない。


「……変わらないけど……?」

「さっきあったことも?」

「だからさっきからなんのこと?」

『……これは記憶忘却魔術じゃない?

………消滅魔術!!?』

「消滅!?」

『なんで、数千年前の魔術が現代に!?』

「数千年前……太古の魔術」

『そう、太古の魔術

滅亡魔術ダウンフォールマジックの一つ、消滅魔術』

「……まって、話についていけてない

なに?なんなの?」

「今ちょっと重要な話してるから、ちょっと寝むっててね、

安睡スリープインピース

「えっ?ちょ……」


そこで俺の意識はいろんな疑問を抱えたまま落ちていった。

ごめんなさい

クロ課長でございます。

どんどん遅くなってしまっているクロ課長でございます。

弁解の余地もありません。

ネドゲにはまっちゃって……

とにかくすいません。


今話は自由奔放な姉とさらに存在が謎になった主人公でした。

次回は久しぶりの学院とさらに女王様、その親衛隊がでるかも!


今話も最後までお読みくださってありがとうございました!

誤字脱字は報告してくれると嬉しいです!


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