第二次聖戦
「わからないわけないですか
わたしは、仮にも亜人種、それも竜人ですよ?」
………基本的に人族以外、亜人族と呼ばれる種族たちは基本スペックが人族と比べて段違いに高い
筋力、敏捷力、そして五感全て
その他のほとんどに決定的な差がありさらには第六感と呼ばれるものすらも発達しているといわれている。
で、竜人は第六感が他の亜人種に比べても発達しまくってるってわけだ。
………そりゃあバレれるわな
「………わかった、わかったからさ、一回ここを出ようか」
「嫌です」
「なんで?」
「ここならあの愛人たちにバレずにエルム様とイチャイチャできますもの」
「うん、やっぱり出ようか」
………このままは危ない気がする
俺のなけなしの第六感はそう告げていた。
「嫌です」
「じゃあ俺だけでも……って離してくれるかな?」
匍匐前進の要領で逃げようとするが、足首を捕まれてしまう。
「どこにいくんですか?」
「もう、ここ(ベッドの下)以外だったらどこでもいいや」
「わかりました」
「え?」
思ってたよりも素直に離してくれるセリィに驚きつつもなんとかベッドの下から抜け出すことに成功する
セリィも俺よりも少し遅れてベッドの下から這い出てくる。
………怖い
「………よし、どうしたもんかな…」
「よし、じゃあエルム様?」
「ん?なに?」
このとき、俺は第六感を信じてベッドの下から抜け出した。
それだけが第六感なのだと信じてしまっていたのだ
ほんとはこの部屋から抜け出すべきだったのに………
「ドーン!」
「ぬあっ!?」
立ち上がった俺を同じく立ち上がったセリィによってなぜか突き飛ばされる。
そして、突き飛ばさせた方向は、今這い出てきたところの真上。
そう、ベッドの上だ。
「えっと、セリィさん?何をなさるつもりでしょう?」
「エルム様、こんな素晴らしい言葉を知っていますか?」
俺の言葉を無視しそのままにじりよってくるセリィはなにか楽しそうに俺に問いかけてきた。
「………どんな言葉?」
「既成事実という………」
「うわぁああああ!!聞こえない!!俺にはなにも聞こえないからぁああああ!!!!」
「あらあら、まあ、エルム様が聞こえなくともあんまり変わらないですが……」
おかしいよ!!この子おかしいって!!
てか、なんかこの状況とにているものを体感した気がするんですけどぉおお
「よいではありませんか、よいではありませんか!」
「よくない!よくないって!」
いつのまにか押さえられている両手首を振りほどこうとするが……
全然振りほどける気がしない!
てか、圧倒的に身体能力の差が!!
そして俺の身体能力の低さが!!
「なぁーー!!ぬあーー!!!」
「ふー!ふー!」
「崩壊してる!!キャラが崩壊してる!!」
セリィの荒い息づかいが俺の顔に掛かるくらいに顔を近づけられて場違いにもドキドキしてしまうのは仕方ないと思いたいんだが………
「うふふ、ふふ!」
「………あの………ち、近すぎないですか?」
「当たり前じゃないですか、これからあんなことやそんなことをするんですもの」
「…………、………」
「ふふふ、大丈夫です、はじめて同士なんですから!」
「…………うわあぁあああ!!」
「それでは…」
バン!!
「「「エルム(君)!!」」」
あっ!みんな!!
「ちょっと遅かったですわねっ」
「むうっ!!?」
………っ!?
「「「………………ああっ!!!!!!」」」
完璧にハモった三人の絶叫、
その原因は………
俺の唇にあるこの柔らかい感触に聞いてほしい!!!
三人が扉を開けた直後に重ねられた唇は絶妙な感触を俺に与え続けていた。
与え続けていた、(現在進行形)、
そう、一瞬などではない。
今もなお続いている、
「んーーー!!」
「ん~」
いっこうに離れてくれないセリィは驚きでこわばっている俺の唇になんと舌をねじ込んでくる!
「っ!!!???」
そして、ついに俺の第一関門が突破され…
「いい加減にしろっ!!!」
俺は吹き飛んだ。
突如身体の横側にきたとてつもなく強い衝撃によって。
俺の身体は部屋の窓を突き破り、
いっこうに止まるそぶりを見せずにぶっ飛び続けたのだった。
「あっ」
衝動的に動いてしまったラルの右手には業物のレイピアがしっかり握られていた。
振り抜いた後として
そう、エルムを吹き飛ばしたのはラルがつい、放ってしまった閃弾だったのだ。
通常なら閃弾は斬撃としてというより弾丸として飛んでいくので、貫通するはずだったのだが、今回ラルはつい、衝動的になってしまったせいで弾丸としてではなく砲丸クラスの大きさになってしまい、貫通せず、エルムを吹き飛ばしたのだった。
「あれっ?エルム様?」
唯一状況をわかっていないのは一番近くどころか、エルムを襲っていた、セルナだけ
他の人たちはみんないろんな意味で呆然としていた。
ラルは
やってしまった………
という、罪悪感
ニルは
エルム君のファーストをとられた………
という、虚脱感
アリスは
エルム君、死んでないよね………
という、不安感
皆それぞれ違うものだったが、もう一つの思いについては共通することであった。
それは………
この娘は、引き込まなければ何をしてでもエルム(君)を襲うだろう
というものだった。
彼女はいくら止めさせたりしようとしたとしても彼女のずっとエルムを思い続けてきたものが暴走しているので完全に止めさせるということは出来ない
そう思ったからこそ三人が確信したのだ。
恐らく怒りはその後だろう
「ねえ、セルナさん」
「え?あの、エルム様は?」
「今はこっちの話を聞いて?」
「あ、はい…」
「僕たちはあなたと、いや、あなたに負けないくらいエルム君のことが好きなの」
「………」
「だけどエルム君も僕たちを好きだといってくれた。
でも一人を選ぶことなんて出来ないって言われたの」
「………」
「だから、一夫多妻制が認められてる国で一緒にエルム君の“妻”にならない……かな?」
「………………ふざけないでください」
「………えっ?」
「たかが学院生活でのたった四ヶ月ぐらいのエルム様の境遇しか見ていないあなた方にエルム様と一緒にいる資格なんてありません」
「し、かく?」
「全て、とまではいかないかもしれませんが、
エルム様をよく知ってから出直してください
出来れば会ってすら欲しくないところですが、エルム様があなた方に好意を抱いているそうなのでその辺はなにも言いません。
ですが、エルム様のことをほとんどなにも知らないあなた方に結婚なんかさせない。
絶対に!!」
「なにも知らないって……」
「じゃああなた方はエルム様の何を知っていますか?」
「何を?」
「エルム様の好きなこと、エルム様の家系、エルム様のこれまでの人生、そして、エルム様の嫌いなこと」
「………家系はギール家の一人息子じゃないの?」
好きなことなどはわからないらしい
「いいえ、エルム様には一人の姉がいました」
「………した?」
「そう、いました
7年前までは」
「7年前?
………死神襲来?」
死神イビルサイズ
アンデット系の王
一度地に降りればその地から50メートルにすむ全ての生物が一瞬にして腐敗しさらにそこから移動してもさらに………という鬼畜的存在。
ある一定以上の能力を持っていればその効果は効かないのだが。
なので討伐するクエストが出たりするがアンデット系の王であるので
亜人や人族では勝てる可能性が微塵もない。
まあ、それよりも圧倒的な存在を間近で見て知り合っているのもおかしな話だ。
『呼んだか?』
呼んでません
………ついでに言うと死神によって腐敗した土地を浄化すると一年間はどんな種でも植えて一日経てば次の日に収穫できるということから死神というより豊穣神と呼ばれることがあったりなかったりする。
だが、そこにすんでいた固有種が絶滅してしまうケースがあったりするので依然として畏怖の対象となっている。
もとより死神自体が人を刈るのだから
「そうです。死神イビルサイズがある町に近い山にあらわれるという不可思議なことがあったあのときです」
「えっと、サリスの町だったよね、その町」
「はい、その町には被害はなかったのですが………」
「まって!、死神襲来のとき死者は出てなかったって……」
「……死神が現れたその山にはギール家の別荘があった。」
「なっ!」
「そして、そこにいたのはエルム様とその姉
アリスより前の世代で魔導王の申し子とまで呼ばれた魔術の天才、ソワラス=レイル=ギール」
その名前を出したとたんアリスの表情が激変した。
「ソワラ、ス様?」
ソワラス、
彼女はアリスの師匠であり、目標であり、
………かけがえのないお姉ちゃんだった。
ついに新キャラ登場の予感!
とまあ、今年も寂しくクリボッチを過ごしたクロ課長です。
………うう、辛いよぉ
来年こそはって3年くらい言い続けてるきがするぅ
そして今年も…
来年こそは!!!!
皆さんは良いクリスマスをお過ごしになれましたでしょうか?
過ごすことができたのであれば、羨ましいです……
出来なかったのであれば………
一緒に共感をしたいです………
まあ、そろそろこの辺にして……
今年の夏から始まったこの作品をここまで読んでくださってありがとうございます!!
来年も頑張って投稿していきたいと思っていますのでこれからもエルム君と可愛いヒロインたちをよろしくお願いします!!
新年早々に番外編を投稿したいと思いますので、またそこでお会いしましょう!!
良いお年を!!!
PS
前に投稿していた
魔王からの招待状を編集をして再投稿を開始したいと思っておりますのでそちらも見てくれると嬉しいです。




