1 神の国
頑張って書いてます。
筋書きは粗方頭にありますが、まだまだ書いている途中です。
この場所は、神の国と呼ばれている。死後ここに来た魂は、審判を受け地獄で罰を受ける。
もしくは天国で幸せに暮らした後、記憶を消して別の人生を一から送る。
そして天国でも地獄でもないこの場所は、神の国の中心部で神の町?とでも言うべき場所である。
基本的に神かその子供たち、もしくは選ばれた人間しか入れない場所らしい。
動物は別で普通にいるっぽい。
暫くここで暮らしながら様々な武術を学ぶ。その後異世界に送り出されるらしい。
その異世界はいわゆる剣と魔法の世界で人間や獣人亜人魔族、動物魔獣、そんな世界らしい。
太陽さん的には行けばわかるとの事だが。
「その世界で魔王でも倒せばいいんですか?」
これがお決まりだろうと思い聞いてみる。
「魔王は今の所どうでもよい。」
「まずは腐りきった教会【太陽教】を粛清してもらう。」
と答える太陽さん
「腐りきった太陽教?」
どうやら異世界で太陽さんを信仰している教会が、腐っている様子。
前世の教会の事は全くと言っていいほど知らない。
しかし元の世界でも、宗教が権力を持ちすぎて腐敗したって話はたまに聞く話ではある。
「そうだ!まさにその通り。教会は本来、慈善団体的な立ち位置だ。怪我や病気の治療、孤児の保護、子供たちに対して最低限の教育などを行っていた。そうやって少しずつ世界に貢献し広まっていったのだが。とある王国での地位が上がりすぎた。その結果、その王国の一部の貴族と共に教会が悪事を働き始めた。」
「本来教会はその王国の貴族の悪事を暴き、断罪する立場にあった。それほど、その王国での地位は上がり、人々の信頼を集めていたのだが。何時しか教会が腐敗し始めた。貴族を断罪するどころか、共に悪事を働きだしたのだ。」
「その王国はそんな教会の豚共の傀儡になりつつある。」
「その哀れな王国が【エステラ王国】であり、まずお前にはその王国に行ってもらう。」
「太陽教の本拠地はその王国にあるんですか?」
「そうだ!そのエステラ王国は人間の国だ。昔は人間以外の種族も枢機卿や司教などの席についていることがあった。しかし最近の教皇や枢機卿らが、法典を勝手に歪めて解釈し人間以外を下等とした。今では教皇、枢機卿をはじめとする、すべての聖職者が人間になっている。」
「人間以外を下等とした理由は他種族の支配を目論んでいるかららしい。」
教会の偉い人たちが教会を私物化していて、なかなかにひどい状況らしい。
「教会やその王国が他種族を支配するなんてこと事ができるんですか?」
「無理だろうな・・・」
お月様『月の神』が口をはさみ否定する。
「王国は規模が大きく、人口も多いが。他の種族は人間よりも屈強で魔法に長けている。ただでさえ苦戦するだろうが。敵が増えてしまえば、【エステラ王国】側が簡単に滅ぶだろうな。」
と冷たく言う。
「彼ら自身は、滅ぶかもって考えたりしないのですか?」
太陽さんが答える。
「ああ。能無しの阿呆共が権力を持ちすぎただけだ。権力に酔いしれ、王国諸共破滅へ向かっているのだ。もしくは何かしらの策でもあるのか。」
もしかしたら裏に何かあるかもってことかな?
「神様の直接介入はダメなんですか?」
「まあ自分ルールにはなるが。私や子供たちの直接介入は基本的に避けている。」
「確かに神様が世界に降臨してしまうと。大騒ぎですもんね。」
と適当に答えてみる。
「我らが直接介入すると。大勢の人が死ぬのだ。」
太陽さん達はかなり大雑把なようだ。直接手を下す前のワンクッションが私の異世界転生のようだ。
「まあぶっちゃけ、世界の半分が滅ぶ様な、天罰を下す方が楽なのだけど。」
「それだと復興に時間がかかるし。」
「私たちが手を下す前に、人間にやらせたら、ちょうど良く解決してくれるかなとおもって!」
とニコニコしながら言う。
「つまり私が失敗したら、世界に天罰が下り、世界の半分が滅ぶってことですか?」
「手に負えなくなった場合の最終手段だ。さっきのは冗談半分だから、あまり気にしなくていいぞ。」
冗談だとしても、あまりに軽々しく言っているので聞いてみる。
「簡単に『滅ぼす』って仰ってますけど、躊躇いとかはないんですか?」
太陽さんは軽く答える。
「法典の根本は【みんな楽しく幸せに】である。それができない、やらない、もしくは今の状況を打開すべく立ち上がる者も居ないのであれば。そんな人々は滅んでもよい。」
神らしくとても冷たい言葉だ。
「そう思うが・・・やはり世界に暮らす者すべてかわいく思っている。」
「なので滅ぼさずに済むのであれば、そのほうが良い。」
と最後の方は我が子を見守る母の様な眼差しで話す。
一瞬、とても冷たい神だと思った。しかし本当はそうでは無いのかもしれない。まあ太陽神だから冷たいわけないか。どうやら天罰は本当に最終手段の様だ。
「しかし私はただの引きこもりですが。」
「そんな私でも、その教会の豚共を粛清できますか?」
私はたいして能力のない、引きこもりニートなので。そんな難しそうなことできるだろうか。
「ああ特に問題ない。」
と太陽さんは自信満々に言う。
「実は太陽教側ではなく、【私側】の味方が教会内にいるので。頭脳労働はそいつに任せて、お前は何も考えず肉体労働でも構わん。」
「やり方は特に指定しないので、その味方と協力、相談して好きに対処すると良い。」
「あと。私に裁定を委ね、教会の権力者を裁き罰する事が出来る。そんな魔法を教える。」
「私直々の裁定なので教会所属の者は誰も逆らえないのだ。」
「エステラ王国もこの魔法の裁定を重視している。」
「王族や貴族はこの魔法に裁かれない事で、自分らは神に誓って正しいと王・貴族・民達に言えるのだ。」
「ただとても難しいので、すぐには使えないだろう。」
「転生後も鍛えて、その時が来たら発動できるようになっておけ。」
水戸黄門の紋所みたいに便利な魔法があるらしい。
「そんな便利な魔法があれば、教会がこんな状況になってないのでは?」
と当然の疑問を投げかける。
「すでに、その魔法を使えるものは居なくなったのだ。」
「なぜに?」
「まずこの魔法は、魔法に対する高い理解度と技量力量、高い神聖魔法の理解度と綺麗な心(神聖属性に染まった魔力)が必要なのだ。」
「人間の魔法使いはそもそも少ない。そして人間の貴族は市民に対して優位性を保つために、魔法の理論や技術を秘匿している。そのせいで、魔法使いが徐々に長い年月をかけて減っていったのだ。」
「その王国で、魔法使いになるには貴族で、魔法使いに師事するか、やたら難解でアホほど高価な魔導書と呼ばれる物体を買って解読する必要がある。」
「そうして魔法使いになった人は、わざわざ教会なんて行かずに、魔法使いとしての別の仕事をする。」
「その方が、儲かるし憧れの対象らしい。」
まあ魔法使いが少なければ、魔法使い自体が憧れの仕事になるのは当然か。
「その特別な魔法を使える者はそこそこ居た。だがよっぽどの物好きじゃない限り習得しようと思わなかったらしい。だから次第に数が減っていき、最後にはいなくなったのだ。」
「他の国はそもそも、教会と国の政治を別として考えている。だからその魔法が使えなくても問題ない国ばかりなのだ。」
つまり他国は、教会の庇護がなくとも問題はないから、敵対するなり好きにしろという感じの様だ。
話を聞く限り、教会の奴らも王国の貴族らもその魔法が存在する前提で権力を持つことが出来る様だ。
教会のトップが神で、王国も教会が使用する断罪の魔法に重きを置いている事から考えると。
その魔法が失われた時点で、失われたことが露見しない限り。
教会や貴族らを裁くのは王様でも難しいという事になる?
そもそも王国と教会がその魔法に頼り切った体制だったのが問題じゃないか?とか考えてみる。
「その辺の事も現地の味方と話し合ってくれ。」
「そもそも私の名を、阿呆共の私腹を肥やす道具にされるのはぜひ遠慮したい。」
と怒りを漏らしながら言い放つ。
「どれだけ憎まれ口を言われても、罵倒されてもかまわないが。私の名を語り法典を捻じ曲げ、悪事を働き、その原因を私に擦り付けるのは許さない。」
「私の威光をつかい、人々を苦しめるのは全体に許さん。」
どうやら彼らは、神の怒りを買ったようだ。
これから私が具体的に何をするのかを説明される。
「とりあえず。刀と和弓、ついでに薙刀などを主に鍛錬してもらう。」
別に文句はないが、なぜ日本古来の武術ばかりなのだろうか。
「お前が日本人だったからだ。」
いい加減な理由だった。
「サムライかっこいいだろ?」
さらにしょうもない理由が出てきた。
「太陽さんの最近のブームって時代劇かなんかですか?」
「なぜわかった?」
とすっとぼけた答えが返ってくる。
「だから日本人っぽい恰好なんですね・・・」
「そこそこ戦えるようになれば、何も問題なかろう?」
特に文句はないので、なるべく元気に答える。
「よろしくお願いします。」
ところが。
「いや!教えるのは私ではなくその道のプロが師匠になる。」
「そろそろ稽古場に奴らが、到着しているはずなので行くぞ。」
といった後。太陽さんとお月様は雲っぽい何かで稽古場に向かい、私はその後を歩いてついていく。
ちょいちょい修正してます。
これまたテンプレの転生してイケメンになりました。
まあちゃんと訳があるのですが・・・
注意!!この【太陽教】の教皇や枢機卿や司教や司祭などの役職は、
現実とは少し異なった役割になるので、
後々解説をはさみたいと思います。