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手紙  作者: 大和香織子
第二章 失望
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第二章 聞き込み


その日、俺は仕事を休みパンクラブに連絡を入れた。


「お忙しい所すみませんが、今日もやっています?」


「パン作りですか?やっていますよ」


「そうですか」


そう答えて、車に乗り込み公民館へと向かった。


公民館の料理教室へと向かい、ドアをコンコンと2回ノックした。


扉の透明ガラス部分から中身が見える。


三角布とエプロンをした女性4人が一斉にこちらを見る。


4人は俺の事を、心江の夫だと気が付いたのか、手を止めペコリと挨拶をし一人の女性がこちらに近づいてきた。


「下見さんのご主人ですよね?」


「はい」


「私は、大角 圭子と申します。この度は本当にご愁傷様です、心情お察し致します」


「どうも、ところで、この後、皆さん時間とれませんか?お聞きしたいことがあるんです」


「どうでしょう…こんな所ではあれですので、どうぞ中にお入りください」俺はそう言われて教室の中の黒板の前の席に腰かけるように案内され背もたれがない丸い椅子に腰かけた。


 大角さんは、3人に聞きに行ってくれて、すぐに戻り、「大丈夫ですよ」と言った。


「では、14時半にあそこのファミレスでいいです?」


「わかりました。なるべく早く行けるようにしますから」


 俺は椅子から立ち上がり、ドアの前で軽くお辞儀をして料理教室を後にした。

 

 待ちあわせまで時間があったので、


公民館のすぐ隣にある図書館に入った。


 入口入ってすぐ左にある絵本コーナーに置いてある「ももたろう」が目に入る。


 懐かしい。


 心江が、いつか俺に読んでくれたことがある。


 いい大人であり、おっさんの俺だが、妙に嬉しかった。


 俺は、「ももたろう」や「シンデレラ」「ドラキュラ」「ヘンゼルとグレーテル」などの絵本を全部で10冊ほど借りて帰ることにした。


 心江は本が好きで、一度に沢山借りたいからと俺の名義でもカードを作りそれを使用していた。


 家に帰ったら今度は俺が心江に、読み聞かせてあげよう。


そう思いをはせて車に乗り込み、ファミレスに向かう事にした。

 


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