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明文とカマセ

前回のあらすじ


東条夫婦の夜を盗み見た明文は死ね

 今、明文とミーナとロンとケイタは王都へ向かう馬車の中にいた、今から向かうのは王都での辺境伯の御用達宿があるらしくそこを拠点に教師として動き回る予定だ。


 新たな出会いを期待して明文はどこかうきうきとした様子で、ミーナはそれを今にも殺さんばかりの視線で睨み、どうすればいいのかわからず、ロンはニコを両手に抱いて二人をキョロキョロと見ている。ケイタはぐっすりと寝ている。


 「いやあ、楽しみだ、王都にはなにがあるかな。」


 「貴様の墓場はそこにあるだろうな。これから行くのは最後の旅行だ心置きなく楽しんでおけ。」


 「ミーナ姉、怖いよ。」


 三者三様とでも言ったらいいのか、これほど混ざり切らない空気はないだろう。すると思い出したかのようにロンを向いてきた。


 「ああそういえばロンくんの首輪少し、いじるね。」


 そうすると明文の体から紫の魔力が出て、黒色だった首輪を全面紫色に変えた。


 「これで奴隷とかにも見られないだろうし、よかったね。」


 その言葉がぷちんと堪忍袋の緒を切った。ミーナが明文の顔面を一発入れる。明文はただ避けれず、それを受けるが、全く痛がらない、むしろミーナが痛がっている。


 「貴様の石頭は一体なんだ。私の拳は岩をも砕くぞ?」


 「まあ、実験の賜物だよ。それよりロンくんその首輪からわかるよね?」


 「?・・・・ああ、お師匠様の魔力の流れが首を回っているのを感じます。」


 「そう、これは「絆し」という術なんだけど、俺と君が両方の魔力を感じることが出来るようになる術なんだ。でこれで何が言いたいのかというとこれが第二段階目の修行に必要なんだ。」


 「どういうことですか?」


 「君に死にかけて貰ったのは、自分の中に眠ってる魔力を呼び覚ます訓練をしたんだ。ついでの要素がたくさんあるけど主な目的は『危機感を感じる状況による魔力の覚醒』という修行法なんだ。魔力が根本的にない魔術師が手っ取り早く魔力を感じる、増やすことができる方法だよ。他にもあったけど、あれが一番速く済む方法だったんだ。」


 「ちょ、ちょっと待ってください、魔力を感じたり、増やす修行って他にもあったんですか?」


 「うん、あるよ。もっと楽な方法でね。」


 「なんであんな・・・修行をしたんですか?」


 「はやい、そして、戦術も覚えたり、自分の体力増進、そして、自己管理、これほどの要素が詰まった修行法はほかになかったからね。」


 「・・・そうですか。」


 ロンはどこか拗ねたような気持になった。あんな辛い思いをして手に入れたものが他に楽して手に入ることが出来たんだから、そっちがよかった。そう思っているに違いないと明文は思った。


 「それはそうと魔力を流れを感じることに何か意味があるんですか?」


 「君もおおよその検討はついてると思うけど、魔力を操作することを覚えてもらう。これは体から部分的に魔力を出したり、魔法の威力や精度を変えることで訓練できるけど、その補助で絆しは使えるんだ。」


 「・・・お師匠様の魔力の流れを真似するんですか?」


 「そうそう!わかっているじゃあないか。首から伝わるその流れを再現出来たらいいよ。かなり難しいと思うけどね。その流れの大きさと力と速度を意識しながらやってごらん。」


 「はい。」


 そういい。ロンは体から魔力を出す。凄く薄い青色の光がロンの全身から出る。しばらくそのままだった。


 「・・・・お師匠様、どうやってこれを小さくまとめるんですか?」


 「それが第二段階の修行だよ。自分で考えてやってごらん。」


 何事も自分で考えて動くことが一番自分の力になる。失敗しても言い訳はきかず、反省し、直していくしかない。その地道な作業に自分の癖が見えたり、強みが分かるようになる。だから、ある程度の指針を出すと放置するのが明文流だ。


 「・・・・難しいです。」


 「そうだね、まだ魔力を出せるようになってまだ間もないから、とりあえずは自分がどこまで出せるかやってみ、魔力を操る技術は自分を知ることだよ。」


 「自分を知ること・・・・わかりました。頑張ります!」


 ロンはすでに軽く明文から、この世の魔術について教わっている。今の世を蔓延っている神聖魔法も火、水といって属性魔法も元をただせば一つだと。つまり、神聖魔法も、属性も選ばれた者ではなく誰にでも使えるんだと。自分の兄が床に伏したときなにも出来なかった歯がゆさを思い出し、いっそう励むことを誓ったロンだった。


 王都について御用達の宿につくと、明文はずっと、騒がしかった。この木はどこの植物で?、この食べ物は?この生地は?


 この様子にミーナとロンは溜息を吐いた。実をいうとウスリムでも最初はこんな感じで質問攻めをしていた。本人はレイや東条の側近たちの質問がやかましくて不機嫌になっていたが、どの口がそれをいうかとミーナは言いたかった。なにが己を知るだ。もう一度自分を見直してこい。心の中で明文に毒づくのであった。



 東条から学院の教師を任された明文は翌日さっそく、アズワルド学院という場所にいった。東条からの口利きなので、試験なども受けずにそのまま着任した。ちなみにもう次男は王都についた時点で学院寮に戻っている。


 今現在、職員室にいる。やっかみというより奇妙な目半分で明文を値踏みしている。あの武で有名な辺境伯の紹介なのだ。それ相応の実力者であることは間違いないがこの格好はなんだという視線だ。


 「どーも、初めまして、明文といいます。東条さんからの口利きで入りました。よろしくお願いします。」


 東条からの紹介なので一応、礼儀を尽くしている明文である。


 「初めまして、私は教頭のサイトラ・ベンデンスと申します。明文先生には魔術を専門としています。これから、一緒に学院で働いていくのでよろしくお願いします。」


 教頭を筆頭にどんどんと自己紹介が済んでいく、明文の奇妙な格好に驚きながらも、挨拶をすると一般の人間だというのがわかると、いい意味でそこにある壁は取り除かれた。


 「ふん、魔術専門のカマセ・セマカだ。貴殿の魔術は何属性であるか答えられますかな?」


 「ええまあ、属性ですが、あるような、ないような。いやないですね。」

 

 周りがぞっと明文を見る。この時代において無属性は落ちこぼれの証拠になっている。なぜ東条ほどの男がこの学院にこの男を潜りこませたのだ?謎は深まるばかりである。


 「なんと!?ではではあまり、生徒に大層な物言いがしづらいでしょう。」


 お前は生徒からも見下されるよ。と言いたいのであるが、明文はすでに自身の世界入っており、何も聞いてなかった。


 「ん、ああはい」


 適当に返事をして、話が流れた。そのとき、鐘の音が鳴った。


 「明文先生、これから朝礼がありますので、行きましょう。」


 朝礼の合図らしい。職員全員で移動した。そこには各場所から来たいかにもという貴族が半分、裕福な平民と恐らく頭脳か体力が優秀な人間が半分と混成としていた。


 「皆さん、おはようございます。今日も一日・・・・」


 校長らしき人物が朝礼をする。これもまたほとんど、聞いていなかった。


 ふむふむ、魔力自体はある子がかなりいるな、訓練したらそれ相応にはなるが、やはりこの程度と言わざるを得ないな。筋肉とかはお化けなんだけどね。魔術専門とかいったあのハゲも魔力が少なくて、おそらく、それほど大規模な魔法はないんだろうな・・・んなんだ?


 思考の海入っていたため気付かなかったが、どうやら檀上に呼ばれているらしい。そのまま訳も分からず檀上に上がった。


 「えっと、明文と言います。魔術を専門です。無属性らしいですがよろしくお願いします。」


 この発言に生徒はざわめいた。このアズワルド学院ははっきりいって王都の中でもレベルが一番高い者達の集団だ。少なくとも無属性で魔術専門なんて珍獣はいない。だからこそおかしいのだ。そのような者がここにやってきたのが。すると、さっきのカマセが壇上にあがった。


 「ごほん、明文先生、ここは生徒たちが切磋琢磨し己を磨く場です。あなたのような方が一体なにができるというのでしょうか?」


 「ん?なにハゲ?」


 また考え事をしていた明文はうっかり失言してしまった。少し、生徒たちがそれを笑うと、頭部がゆでだこのようになったカマセ。


 「・・・いいでしょう、見世物として、貴方に魔術戦の申し出をします。」


 「プライド高すぎてバカなんじゃあないかなあ。頭悪すぎて草wwwっていうんだろうなこういうの。」


 またうっかりと口に・・・これはわざとやっている。カマセの反応が楽しいようで煽りに煽る。それを不快な目で見る生徒と、面白そうなものが見れると期待する生徒と、様々な反応に別れる。


 「貴様・・・・・・覚悟しておけ」


 「いいよ、やってあげるよ?いつがいい?」


 「今からに決まっているだろう。校長先生許可をください。」


 「・・・いいじゃろお、なんか面白そうだし。」


 校長も校長であった。教頭先生が顔を青くしている。先生たちが困惑している中で生徒たちノリノリにヤジを飛ばし来る。


 「ついてこい、あちらの闘技場で10分後、勝負だ。」


 「おっけおっけ、はいはい。」


 その余裕綽々な態度にまた赤くなるカマセであった。


お読みいただきありがとうございます。

最近、気が付いたことがあります。というのもちゃんと練った短編物の作品は筆というより手が全く進みません。一時間でたった1500文字しかすすみません。でもこの作品より格段に読みやすいので、やはり話を練ったほうがいいんだろうなというのに今更ながら気づきました。すみません。あほの子なのです。

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