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彼のエピローグ

 突然ですまないが俺の人生について語らせてほしい。

『突然なんだ』とか、『めんどくさい』とか、『お前の人生なんか興味ない』とか思っているかもしれないが、気持ちはわかるんだけどもとりあえず聞いてほしいんだ。



 ありがとう。

 とりあえず話していくぞ。

 俺の名前は向井 章浩(むかい あきひろ)、22歳の大学生だ。

 長野で生まれて、10年ぐらい住んでいた。

 俺の幼少期は、いってしまえば内向的な性格だった。

 友達は性格も相まってあまりおらず、ほかの子供たちが外でワイワイ走りながら遊んでいるのに対して、グラウンドの端っこで数人の子と一緒に砂遊びをするような人間だった。

 そのせいかどうかはわからないが、俺はいじめられていた。

 多分、今思うに子供っていうものは『違い』にすごく敏感な生き物だと思う。

 まあ、今となっては、そんなことどうでもいいけど。

 話を続けるぞ。

 俺は確かにいじめられていたけど、俺をいじめている奴らが怖くって仕返しすることはできなかったけど、それども友達はいたし、家でうまい飯食えば忘れられたし、そこまで気にしてなかったんだ。


 でもある日、俺は『大事なこと』に気づいた。

 その日は俺がドラゴンボ〇ルに出てくる如意棒が欲しくて、家で新聞紙で丸めて作ったそれっぽいものを幼稚園に持って行って、友達に自慢していた。

 それが気に食わなかったのか、いじめっ子たちは、俺の持ってきた新聞如意棒をぶち折った!

 それに俺は怒って、いままでのいじめられていた分も含めて、泣きじゃくりながら殴り掛かった!!

 そっからはいじめっ子達も殴られて泣きながら反撃してきて、俺もさらに泣きながら反撃して、いじめっ子達もさらに泣きながら反撃して・・・の繰り返しになった。

 最終的に先生に止められて喧嘩は収まったが、それ以来その子達が俺をいじめてくることはなくなった。

 それから俺は気づいたんだ。




『頑(・)張(・)っ(・)て(・)努(・)力(・)す(・)れ(・)ば(・)こ(・)ん(・)な(・)俺(・)で(・)も(・)結(・)果(・)が(・)出(・)せ(・)る(・)』って




 それに人生の早い段階で気づけたのは本当にラッキーだと今は思う。

 そこから俺は変わっていった。

 小学校に入学してから、かねてから苦手だった人とのコミュニケーションについて自分で学んで友達を作った。

 中学校に入学してから、柔道部に入り、柔道を頑張った。

 高校に入ってからも、柔道をがんばり続けて、彼女が作りたかったから異性との付き合い方を勉強した。

 結果は・・・聞かないでくれ・・・。

 彼女は作れなかったし、柔道の最高記録も都大会まではいったのだが2回戦負けだった。

 勉強も柔道と趣味そっちのけだったのであんまりやっておらずで、1回浪人してしまった・・・。

 何とか大学に入った俺は、趣味に本気に打ち込むことにした。

 柔道やって、体を鍛えて、アニメ見て、小説サイトでラノベ書いて、ロックが好きだったから楽器勉強して、作曲して、バイトも頑張って・・・もちろん勉強も頑張った。

 ほかにも新しいことを、いろんなことを知って、なんやかんや彼女までできた。

 先輩の影響でタバコ吸い始めちゃったけど。

 これからもさまざまな経験をしていきたかったんだ。



 まあ、俺がここまで自分の人生を語ってきて何が言いたいかというと――――



 ――――俺は才能はなくても努力して生きている『普通』の人間だ――――



 ってこと。

 これからも俺の人生を語っていこう!



















 って言いたかったのだけども、もう語れないんだ。

 語らないんじゃない、語(・)れ(・)な(・)い(・)ん(・)だ(・)。







 向井章浩、23歳、202X年、9月30日、午後11時40分頃、タバコを買おうとコンビニに行ったその帰り、









 俺はあっけなく死んだ。

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