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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第二章
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073 迷宮生成に一番必要なもの…それは取説

―ねぇマナト!アンラッキーだよ。この周囲の土地、ナノマシン死んでる!―

「おいコラ!前回とセリフ違う上に意味も真逆じゃねーか!」


そんな俺の言葉を、このネコは華麗にスルーして言葉を続ける。


―むしろナノマシンがぶっ壊れてないわけないじゃん―

「ですよねぇ…っておい!」


じゃあなんでナノマシンがあることを知らせやがった!

むしろ無いものとしておいてくれた方が平和だったのに!


「核と同じ方法で修復するか、上位互換を【創成】すればよろしいかと」


あ!………さすがミラさま、ナイスアドバイス。

そして《完コピ》交換修理法は万能だな。

ここまでくると、見た目そのまま中身は最新の別物で、

もはや原型()()留めてないな…


そういう事ならとりあえず、ナノマシンの件は後回しにして

メニュー画面にあった全体図を表示してみよう。


全体図を表示すると、結構な範囲が敷地内となることが分かった。

というか…ここの街すっぽり収まってるな…

地下も無茶苦茶深いところまでが範囲に入ってる…


現在の生成状況は…

地表の遺跡の地下に何もない洞窟が生成されてるだけだな。


―チュートリアルの途中で止まってるよ―


これだけ広大な土地と完全版を入手しておいて、

なんでチュートリアルだけを、しかも途中でやめたんだろう?

ホントに宣伝文句みたいに、途中で力尽きたのかな…


「おっけー《ggrks》この核の前の持ち主のこと教えて」

<5歳の男の子です。祖父から誕生日プレゼントとして一式を贈られたようです>

「…5歳児の誕生日プレゼントが広大な土地とスパコンかよ!」

<贈られた男の子は、チュートリアルの途中で飽きたようです>


まさかの途中で飽きたときたか!

…またひでぇ結末を迎えたな…と言っても5歳児じゃなぁ…

なんとなく俺は【俯瞰】を行使した。


―お祖父さんすごい涙目になってるね…―

「お祖父さんが不憫すぎる…」

<なお、祖父はゲームには全く興味を持っていないようです>


なるほど、孫の代わりに自分がプレイヤーになる事もなかったのか…

というか、この街の周囲にダンジョンも魔物も居ない理由がよくわかったよ…

まともなユーザーの手にわたっていれば、

きっと余所の地域同等数のダンジョンが生み出されていたことだろう。


「よし!お祖父さんの涙をぬぐうためにもチュートリアルを終わらせよう!」


俺は、見知らぬそのお祖父さんのために、そう決意した。


―本当は?―

「こんな面白そうなアプリ、やらない方がおかしいだろ!」

―さっきの決意はなんだったのか…―


俺を見つめるネコのジト目には、全く気付かなかったことにして、

俺はコンソールに向かった。


そうと決まれば、巣窟都市(すくつたうん)について、

《ggrks》マニュアルで操作方法をもう少し詳しく調べる必要がある。


「…ヘイ!《ggrks》!詳しい操作方法だ!」

巣窟都市(すくつたうん)の詳しい操作に関する情報は見つかりませんでした>

「おい《ggrks》?!…まだだ、まだ終わらんよ!」


でぇじょうぶだ!ガチプレイヤーが居る!


「というわけでアニー、巣窟都市(すくつたうん)の操作を詳しく教えてくれ」

―ネット版とこの完全版で操作が根本的に違うから、むり―

「おい、ガチプレイヤー?!」

―街づくりゲームの達人だからって、実際の市長選候補者の育成はむりでしょ?―

「正論だよコンチクショウ!…なんてこったい!」


絶望した…

見知らぬお祖父さん、あなたの涙はぬぐえませんでした…。


「マナトさま。【俯瞰】と《完コピ》でマニュアルを作成しましょう!」


その手があったぁ!

希望の光がさした!

ミラさま…あなたが女神か!

…いや、そこの駄猫、お前の事じゃない。


俺は【俯瞰】に映し出された巣窟都市(すくつたうん)マニュアルを

一字一句漏らさず、正確に《完コピ》した。

やがて、結構な時間をかけて出来上がったマニュアルは、

まるで電話帳のような冊子だった。


…内容多いわ!

それでも電話帳のようなマニュアルの内容すべてに目を通し、

丸一日かけてマニュアルを読了した頃、

ふと何気なく【創成】を行使してみたら、

『完全攻略“巣窟都市(すくつたうん)”for professional』

と言う、丁度いい内容量の書籍が一瞬で製本された。


必要なことがわかりやすくまとめてあって、

マニュアルにはない、上級者の高度なテクニックも載っていた。

帯にはご丁寧にも

「この一冊でどんな素人もマニュアル不要のプロ級に」

などと書かれていた。


《完コピ》にかけた時間。読了にかけた時間。そもそも読了しようとした事。

そして、それら全てを一蹴する【創成】をしてしまったこと。

いろんな意味で、わりと後悔した。

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