口裏あわせ(ベーゼ視点)
ベーゼ視点
僕は馬車の中であのドライアドのことについてどこまで話すかをジョルト、ヤミカに相談しようと思っている。
まぁいわゆる口裏合わせってやつをしようと思ったからだ。
あの狸の宰相は多分あとで全員バラバラに話を聞き出してくるだろうから。
「ジョルト、ヤミカ、今回の件、口裏を合わせてくれないかな?」
「わかった…いくら払う…?それで…決める…」
…くそ…あまり無駄遣い出来ないのに…金を要求してきた…金額によっては…口裏あわせの意味がなくなります…それに口裏を合わせようとしていたことも話されるとまずいことに…となると…ここは…
「金貨1枚と銀貨50枚でどうです?」
「…分かった…それでいい…」
やけにアッサリしていますね…普通ならギリギリまで縛り上げてきそうなものなのですが…ここで疑ってもしょうがないし、釘を刺しておこう…
「報酬は前払いだよ。その代わり、狸宰相にいくらお金を積まれてもちゃんと口裏を合わせてくださいよ。」
「分かってる…そんな…ことは…しない…」
よっし。冒険者は流儀を大事にする。なら、裏切ってきたりはしないだろう。……多分…
「そっちの話は纏まったな。んで、どうすんだよ。あの狸ジジイ、絶対根掘り葉堀りきいてくるぞ。まぁ、要点は俺らがどれだけ話していいかだよな。」
「そうだね。とりあえず、ジョルトがもらった木の根だっけ?あれは内緒で頼むよ。槍みたいに扱ってたのを見たけど軽く岩に穴開けてたし、鉄の剣と打ち合っても傷一つつかないんだから…」
「なんでだ?この木の根を披露したらいい宣伝になると思うのだが?」
「確かにね…でもさ、それ、普通に手に入れられる?
僕は無理だと思うな。だってそれ、地下深くにある木の根だよ?掘り起こそうとしても他の木の根が邪魔をする。だから掘り起こせない。
それにあのドライアド、多分木ノ実とかなら普通に取ってもいいって考えてると思うんだ。でも、根っこは…ある程度は認めてくれるだろうけど…やり過ぎると…多分報復される…そうなると…」
「なるほどな…優秀な素材だからこそ皆が取りに行くってのか…んで、優秀な素材を取るために周囲を荒らしまくらないといけない。そうなると向こうも容認できないってことか」
「そういうこと。だからその素材の報告は無しで。
話すネタとしては森の奥にはものすごく強いドライアドが生息する木があって、
アルブランド大森林が魔境と化したことと、そこにものすごくいい素材が大量に存在することの二つかな。」
「一つ忘れてるぜ。古龍の脅威は消えてないってのがな。」
「それもあったね。それじゃ、その三点についてよく話し合おう。」
馬車は進む。王都に向かって。王都まであと7日。それまでには打ち合わせは終わってるだろう。
ぼくの領が発展し、領民に豊かな暮らしを。
話し合いをしながら領の発展をぼくは夢見ていた。




