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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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申し出

「……先輩、仙道さんのあの様子おかしくないですか?」


 仙道が部屋を出た後、呆然としていた俺たち。

 そんな中、冬月がぽつりと呟いた。


「あぁ、あの態度はどう考えても怪しい。明らかに挙動不審な態度を取ってたからな」


 あそこまで怪しい態度を取っていると疑いもかかる。

 だが、疑いがかかるのは仙道だけでは無い。

 我孫、金子、吉木の3人も怪しくないと言ったら嘘になる。

 これは一度この4人について調べてもらう必要があるだろうな。


「冬月、すまないが少し席をあける」


「はい、わかりました」


 そのように伝えて俺は部屋を出た。

 廊下をゆっくり歩きながらスマホを取り出し、桂木に電話をかける。


『もしもし、お疲れ様』


「あぁ、おつかれ。すまないが調べて欲しいことがあるんだ」


『あら、急ぎの調査なの?』


「急ぎは急ぎかもしれないな」


 俺の口ぶりからどこか穏やかでないことを察したのか、少し声のトーンが下がり『そう……』とだけ声を出した。


「詳細は後でメールで送らせてもらう。事件に直接関わってるか分からないが怪しい人物が4人上がった。その4人について不審な点がないか調べて欲しい」


『分かったわ。それじゃああとでメールよろしくね』


「あぁ、頼んだ」


 そう言って電話を切り、すぐに調べて欲しい4人についての分かっている情報をメールに書き込み送信した。

 桂木への連絡を済ませると冬月が待っている部屋へと足を進める。



「すまない、待たせたな」


「お疲れ様です。そう言えば何をしてたんですか?」


「桂木に4人について調べてもらうように連絡してたんだ。現状、調査対象になるのはあの4人だと思うしな」


「そう……ですよね」


 冬月は眉をひそめ、俯いた。

 そして、小さく深呼吸をすると顔を上げ、真剣な表情で口を開いた。


「先輩、私やはり仙道の動向が気になります。ですので行動を監視したいのですが許可頂けないでしょうか?」


 仙道に対し、何度も追求していた冬月。

 彼女は恐らく仙道が黒であるという予感が働いたのだろう。

 だから備考して、情報を増やしたい。

 何か怪しい行動は無いかを調べたいのだろう。


「……分かった。だが俺は他の件で調べないといけないしな」


 ついて行くことは難しい。

 桂木に負担をかけることを頼んでいるのだ、俺も手伝わなければいけない。


「では警部に同行してもらうようお願いしてみます。それでしたら大丈夫ですよね」


「そうだな。警部も別で調べてくれているだろうし、可能そうなら情報を共有しておいてくれ」


「はい、わかりました」


 今後の行動方針が決まり、時計を見るともう17時だ。

 一度署に戻り今日の捜査の進展を報告しなければならない。

 一度院長の元に訪ね、一言挨拶を残すと俺たちは署へ戻るのだった。

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