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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第三章 離島に蠢く怪虫
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小屋内捜索

 ある程度周囲の確認を終え、俺は部屋の中へと戻ってきた。

 中では冬月が分厚い本を読んでおり、弓月と香織が一緒になって紙の束を漁っていた。


「どうだ弓月、何か見つかったか?」


「あ、兄さん。散らばった紙見てたのだけどどれも虫について書かれたものばかりだよ。あと、こんな感じの変なマークもあったよ」


 弓月が見せてきたのは虫を模したものであろう奇妙なデザインのマークだった。


「……なるほど。他にはなかったか?」


「他にはまだ見つかってないよ。さっきのやつだけ」


「そうか。俺も何かないか見させてもらうぞ」


 弓月たちが見ていた紙を見ていくと、言っていたように虫についてや奇妙なマークが描かれたものが多かった。

 しかし、その二つが書かれていない紙が一枚だけあった。

 そこには地図のような簡単な絵が書かれていた。


「あれ、ここどこかで見たことあるな……」


 この絵にどこか見覚えがあった。

 自分は間違いなくこの場所を知っている。

 そうだ、ここは……!


「あれ、何これ……?」


 香織が何かを見つけたようだ。

 何があったのか気になり、香織が見ていたところを覗いた。


「どうかしたのか?」


「あ、はい。床にこんなものが……」


 香織が指差したところを見てみると、そこには魔法陣のようなものが描かれていた。


「……なんだこれ」


 こんな古びた小屋に何故魔法陣が描かれているのだ?

 まさか正人がこれを書いたというのか?


「あの、これ何なのでしょうか……?」


「……分からない。だが、何かあった。それだけは言えるだろう」


 そう言うと香織は不安そうな表情でうつむいてしまう。

 弓月もこの陣を見て驚いた様子を見せる。

 少し硬直していたがすぐ我に返ったようで、俺に声をかけてきた。


「に、兄さん。さっきの紙なんだけど何かわかった?」


「あぁ、さっき渡してくれたものだが、恐らく鍾乳洞のことだろう」


「鍾乳洞って……昨日行ったあそこのこと?」


「この島でとなると真っ先にそこが思いつくな。バツ印されてるところが何を示しているのかは分からないが何かあるのは間違いないだろう」


 その点だけはいまいちわからない。

 何かあるのだろうか?


「でもここに行けば何かわかるのかもしれないし一歩前進だね!」


 弓月は少しうれしそうに言っているが、俺としてはやはり気がかりな点が多すぎる。

 ここは冬月が読んでいるものを待った方がいいだろう。

 冬月の方を見るとまだ半分も読めてないことがわかった。

 まだ時間がかかりそうか……それなら……


 俺は読んでいた書類をまとめ、ゆっくりと立ち上がった。


「兄さん、どこいくの?」


「見回りだ、この辺りを探してくる」


 そう言って足早に小屋を後にした。


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