表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちポチ  作者: 四宮楓
2/25

第2話 ポチ、パシリを卒業ス

「休憩中」のホルダーを外し、透明袋から3人のオーダー分の商品をテーブルに並べる。


このレジチェッカー三羽烏は(たち)が悪く「ありがとねー」の一言のみの代金スルーで下世話な話に花を咲かせている。


「あの、代金をいただいていないんですけど」

何度か繰り返すと


一番古株のボス猿女がうるさそうに()()()()

「ロッカーに行かなきゃお財布ない事、分かってるでしょ?後で払ってあげるわよ」


「この間の分もまだいただいていませんが…」

遠慮がちに、こう付け加えると


ボスザルは鼻の穴を膨らませ大仰に言い返して来る。

「ヤダわあ!! 柏木さんったら、私たちを疑うの??!!」


私はひどく疲れた表情を見られたくなくて顔を伏せて言葉を返す。


「寺田さんはレジの違算についていつも厳しく仰いますよね。 私のお財布もずっと違算状態なんですが」


「あなたのお財布の事なんて知らないわよ」

ボスザルはしゃあしゃあとこんな事を言う。


どうやら穏便という言葉は通用しないようだ。

仕方ないよね。

お金と労力と時間を搾取され続けるわけにはいかない。


『排除するか』、『排除されるか』だ!


私は生活が掛かっているから、ただでは引けない!!



暴力を受け続けた私の“黒歴史”は、何をすれば相手にダメージを与える事ができるのかを、否応なく教えてくれる。


私は…

「どうか、代金を返して下さい」

と大声で言いながら勢いよく頭を下げるフリをして、寺田の鼻と口の間に“チョーパン”というものを食らわせてやった。

その結果、

寺田が椅子から転げ落ちて悶絶しているので


私はカノジョを真似て大仰に言ってやる。

「あらぁ~!! 大変!! ゴメンナサイ 大丈夫ですか?」



--------------------------------------------------------------------


くだんの件で私はマネージャーと面談していた。


このマネージャー、寺田と“同じ穴の狢”と陰口を叩かれている。



「わざとやったんだろ?」


「いいえ、私はただ、立て替えたお金を返してもらいたいだけだったんです」


「いいや、オレは実際目で見て、判断した」


「えっ?!!」


マネージャーはフフン!と鼻を鳴らす。

「監視カメラはちゃんと録画してるんだ」


「そんな?!!」

動揺して見せる私にマネージャーは勝ち誇ったように言葉を被せる。


「それだけじゃない、アンタの体のあちこちにキズがあるのもオレは知っている」


「どうしてそれを!!?」


「ロッカー室で着ぐるみに着替えただろう?!、寺田さんが新人のあんたにイベントの教育的指導をした時に… 記念にダビングしておいてあげたよ」


「隠し撮りしたんですか??!!」


「ハハハ、ウチは各部屋、監視カメラ付きだ、だから…」

とマネージャーは不躾にその手を私のカラダに伸ばし、衣擦れの音をさせる。


「何するんですか!!?? あなたの行為も録画されてるんですよ!!」


「ああ、これも記念にダビングしておくよ、消してしまう前にな」


よし! 裏取りOK!!

私はこのタイミングでヤツの急所を蹴り上げて部屋を飛び出し、廊下で本部の相談窓口へ電話した、「一部始終をスマホに録音してあります。すぐに監視カメラを押さえて下さい」と。

すべては事前に打ち合わせ済だった。


すぐにヤツの電話が鳴ったのを私は廊下の外から確認した。


これからは…ここでのパートも楽ではないだろう。

でも今までのような、なされるがままの一方的な搾取や暴力の鎖をようやく断ち切れて、

私の心は随分と軽くなった。





。。。。。。。


イラストです。



柏木 伊麻利さんのラフ案2


ラフ画を彩色しました。



挿絵(By みてみん)






真っ黒いのお話続きで申し訳ございません。<m(__)m>


次回で、恋の予兆が書ければいいなと思っています(#^.^#)


感想、レビュー、ブクマ、評価、いいね 切にお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 逞しい! 賢い! 裏切りと哀しみの末、自分以外誰も信用できなくなった結果なのかもしれませんが、自らの力で立ち上がり、また立ち向かう姿にはエールを送りたくなります!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ