↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちポチ  作者: 四宮楓
1/25

第1話 ポチは不採用

件名/【選考結果のご連絡】株式会社 庚申


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・


柏木 伊麻利(イマリ) 様


株式会社庚申、採用担当の鈴木と申します。


この度は、多数の企業から弊社へご応募頂きまして、誠にありがとうございます。


さて、書類選考の結果についてですが、厳正なる選考の結果、

誠に残念ではございますが、今回はご希望に沿いかねる結果となりました。


ご期待に沿えず大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。


尚、お預かりした応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄いたします。


柏木様のより一層のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。




不採用のメールをあからさまに表示したコタツの上のタブレット。


電気ケトルのボタンがカチン!と戻って湧き上がりを知らせる。


私は、狭いベランダから抱えて来た洗濯物をバサリとカーペットの上に投げてため息をつく。


「また書かなきゃ」


タブレットを押しのけ、真新しい履歴書用紙を広げ、したためる。


『柏木 伊麻利 … … 満40歳』と


。。。。。


『もう二度と戻ってくるな!』

この部屋を借りる為に頼み込んで渋々保証人になってもらった兄は私にこの言葉を投げ付けた。


DVカレシからの暴力が警察沙汰にまでなってしまって

私は長年勤めていた職場はおろか、狭い故郷の街やそこに住む人々から追われ、遠いこの地のこのアパートに逃げて来た。


決して、のほほんと仕事をしていたわけではない…と思っていたのだけど…

とりたてて資格や特技を持たない40女の…慣れない都会での仕事探しは想像を超えて困難を極めている。


自分が何の価値も持ちえない事をまた身に染みて思い知らされ、ただでさえ崖っぷちの私は、もう谷底へ突き落されたように、度々無気力の沼に沈み込んだ。


ああ、もう 死にたいかも…


だけどもし私が、今カンカン聞こえて来る踏切に身を投げても、だれも遺体の引き取りに来ないだろう。


私は自分が、アパートの外階段で踏み潰されていたゴキブリに思える。

ひしゃげ崩れ、グロテスクな中身をさらけ出している。


絶対に死ねない!!


死んでからもまた

身ぐるみはがされ、あらゆるものをさらけ出される恥辱を受けるのは

死んだ身にも耐えがたい。


死なない為に、なにか食べなきゃ



私は乏しい冷蔵庫の中身を取り出し、狭いキッチンに並べた。





。。。。。。。



イラストです。



柏木 伊麻利さんのラフ案1


ラフ画を彩色しました。



挿絵(By みてみん)





取りあえず短めのスタートです。(短期連載の予定です)


感想、レビュー、ブクマ、評価、いいね 切にお待ちしています!!<m(__)m>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 不採用通知にケトル。 職と住処を追われ、人間関係にも恵まれない独身女性の、虚ろで力の入らない絶望、生活感がリアルに感じられました。 死にたいなぁ……と、ぼうっとする感じ。 そこから死んだ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。