11・ナンヤ寮のメイドさん?!
「ねぇ!僕の常識返して!!」
ナンヤ寮には悲鳴が響きます。
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セン兄に連れられて入った食堂で、僕は硬直した。
「はい、シュウ様。お持ちしました」
メイドのような服を着た少女がご飯を運んでいる。
いや、そこまでは別に良いんだけど!
良くないかも知れないけど!メイドがいる時点で。
……でも、
「ねぇ!ここではご飯を運ぶとき、ブリッジしながら運ぶのが常識なの!?」
「へ?何か変か?」
不思議そうに首を傾げるシュウ。
……うん、君らにとっては普通なのね。
「すみません。いつもは逆立ちなのですが……」
メイド少女が申し訳なさそうに形のよい眉をひそめた。
ごめん、僕はその言葉が聞きたかったわけじゃないんだ。
「あっいつもは逆立ちなんだね」
「ああ、そうなんだよ。すごい綺麗に逆立ちするんだ!」
目を輝かせ、シュウはメイド少女を見つめる。
メイド少女は顔色を変えず、口元だけで、笑みを浮かべた。
「マシラと申します。マシラとお呼び下さい、ハル様」
綺麗に後ろに90度、礼をするマシラ。
だから!
「なんで!後ろなの!?」
「いえ、気分で」
「気分で後ろに行くの!?すごっ」
爽やかに微笑むマシラ。
「ていうか、よく俺の名前知ってたね」
「わたくし、マシラの得意分野隠密です」
「え?」
何か、サラっと怖いこと言ったよこの子。というか、お腹減ったな。
もう、みんな席についてご飯を食べはじめていた。
美味しそうなシチューの匂いだ。
「ほら、ハル。こっち来な」
セン兄がそんな僕の様子に気づいたように声をかけてきた。
セン兄とシュウの間に座ると、マシラがブリッジしながらシチューを運んできた。
「ご飯とパン、どちらにしますか?」
う~ん、どっちも良いけど
「ご飯がいいな」
綺麗に盛りつけられたご飯とシチューを前に僕は少し困惑していた。
「ねぇ、食べて良いの?」
「良いに決まってるよ。早く食べな」
「そ、そうだよね」
何か、誰かに作ってもらうのが久しぶりで
「いただきます」
シチューを口元に運ぶ。
「あれ?」
思わず、声を漏らす。
「どうしましたか?」
マシラがそく飛んできた。
「あのさ、これ昆布茶入ってる?」
このなめらかさ、昆布茶で間違いないだろう。
すると、マシラが驚いた顔で僕を見た。
「よくわかりましたね?」
「えへへ、これでも料理してたんだ」
「料理したぐらいで昆布茶が入っているのを見抜けるとは思えませんが……」
マシラが納得できなそうな顔でぶつぶつ言っている。
「マシラ、料理のことになるとああなるからほっといて良いよ。にしてもよくわかったな。昆布茶入ってるって」
シュウが褒めてくる。
「特に何もしてないんだけどね」
ボソッと呟く。いつも期待されて落胆されて。そんなのもういやなのに……
「ほら、ハル。ご飯食べちゃいな」
「そうだった!」
ちゃっちゃと食べちゃわないとね。
メイド少女、マシラです。
最近、投稿できなくてすみません。
ゆっくりとですが、投稿するのでよろしくお願いします。




