↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/18

素顔

 ブレーキをかけた後、彼の肩は上下に浮き沈みしていた。

 ……自転車を降りた私も。

「怖かった」

 顔を見合せ、かすれた声で本音を口にしたのは彼の方。


 ふたりで腹を抱え、笑いあう。


「渡良瀬さんが煽るもんだから」

 笑顔のまま口を尖らせ、責める口調で彼は言う。

「ずるい。私だけのせいにするの?」

「いや、だって……」

 叱られた子供のように、わずかばかり彼は視線を落とし。


「……同罪、だからな」

 その一言で私たちふたり、また笑い転げた。


 マスクを外し、何の屈託もなく傷痕も隠さないままに。


 上手に笑えてただろうか――? 


 雲間から降り注ぐ、木漏れ日にも似た淡い日射しに照らされて。この街がちょっぴり、私を受け入れてくれたような。


 久しく見ていなかった、晴れ渡る景色を垣間見た気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。