表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三月羅針譚~盾持ちと吸血鬼~  作者: FOXtale
二章 ■■にあつまれ
57/59

アイカを救うために

どうも、作者です。五十七話です。

「さて、アイカさんを救出するにあたって問題は三つ」


ヒビキさんは救出にあたって問題を話す。つまり作戦会議なわけだ。


「一つ目はアイカさんの囚われた場所が分からないこと。二つ目は洗脳冒険者たち。そして、三つ目は時間制限が分からないこと」


正直どれも厳しい話だ。特に三つ目、これに関してはギルドからの協力が絶望的な以上、分かりようがない。つまり、タイムリミットが分からない。そのため、できる限り行動するしかない。


「では、具体的に説明しますが……一つ目から、アイカさんがどこにいるのか、それが分からないわけですが……アメイさん、『シゲン』の街の外にアイカさんが運び出された可能性は?」


一番の問題はそれだ。もし、アイカがダンジョン街の外まで運び出されていた場合、探しようがない。というか、ダンジョン街の外はレディポートの管轄、敵が聖王国の者である可能性が高すぎる以上、外まで連れ出されていた場合、勝ちようがない。


「……ないな、この街のセキュリティは固いからな」


ほとんど即答、そんなにすごいのか。


「そんなにか?」


「そんなにだよ。まず結界、こいつが外壁と、ダンジョン頻発区域、街道にそれぞれ設置されてる。不具合やらがあれば、すぐにわかる。正直、そっち方面でセントラルフラッグが負けるのは考えにくい。つーか、結界をどうしようもなかったのも、聖王国がこの街をどうこうできなかった理由の一つだし」


なるほど、そこまでなのか。というか、一国、しかも大国らしい聖王国すらできないとはどれだけ固いんだ。となると、この街から出ようとするなら


「外壁の関門しかない……ですね」


エフィの言う通り、関門しかないわけだが。


「それもない、と思う。この街、冒険者なら入るの簡単だけど、それ以外には基準とチェックがめちゃくちゃきついし、出るときは平等にきつい」


なるほど、税関ばりの警備がされているのか。そういえば、俺たちが入ったときも、連れてきてくれた商人さんだけ途中で別れたな。あれはそういう理由か。


「となると、やはりアイカは街の中にいる可能性が高いのう」


そうなるか。ギルドやこの街のことに詳しいアメイがここまで言うのだから、それを信じよう。というのもあるが、どの道街の外にいる時点で負けだ。


「そうですね……とはいえ、どの道どこにいるかわからないのは変わりありません」


そうだな、この街、無駄に広いし複雑だ。それに、各々が好き勝手に建物を建てているので裏路地なんかが多い。


正直、この街をしらみつぶしに探すのは厳しい。時間はかかるし、何より、二つ目の”問題”もかかわる。


「泉さん、赤月の女神も居場所を知らないのですよね?」


「ああ、みら……赤月の女神さんは、外にはいないって言ってた」


ヒビキさんはその言葉に、深く考え込む。何かあるのか?


「あ、あの……僕なら、見つけるまではいかなくても絞るのはいけると思います」


「ああ、『空間』魔法か」


そういえば、そんな力あったな。俺も断片的にだがそれについては知っている。魔尾の一族が使える、『空間』の力。確かにそれなら見つけるのに使えるか。


「それ大丈夫な奴か? 魔王ってバレたりしない?」


まぁアメイの意見もわかる。


「安心せい、魔王の力ではなく、あくまで魔法じゃ……使っただけで分かるもんではないわい」


流石に魔法だけでは魔王と分かるものではない。まぁ、魔人っていうのはバレるかもだが。


「で、でも、詳細な位置が分かる物でもないんですけど」


「それでも、無いよりは圧倒的にましですね。いてくれて助かります」


実際、エフィがいるかどうかの違いは圧倒的だろう。ヒントがないよりはましだ。


「ただ、どの道、二つ目が問題なんだよなぁ」


「はぁ、そうですね……洗脳冒険者、そして敵そのもの、それがどこにいるかわからない以上、あまり動くと、気取られます」


ヒビキさんも流石に大変なようで、ため息をついている。こっちのできることがバレていないし、


「相手はこっちが知っているなんてひとかけらも思ってないと思うが……ただ、ダンジョン街を捜索してりゃ、いずれバレる」


そう、恐らく洗脳冒険者はそこら中にいる。そうなると、相手に俺たちの動きが逐一報告される可能性がある。


そうなると、いくら相手が俺たちの状況を理解していないとはいえ、少なくとも俺たちがギルド職員が誘拐されている情報を掴んでいるとバレるだろう。


「うーむ、解除方法が分からん以上、どうしようもないな」


「そもそもなんですけど……どうやって洗脳してるんですか?」


それは俺たちも知らない……薬か何かだと思っているが、俺とクランはヒビキさんの方を見る。


「あれは……恐らく薬もあると思いますが……魔法ですね」


「魔法……でも、あんな魔法」


エフィはそう言う。彼は割と魔法の知識がある方だ。元々研究肌で魔法の知識を集めるのが好きな奴らしい。まぁ、それで劣等感はどうしようもなかったらしいが。


「私も、このような形の精神干渉系の魔法は知りません。しかし、私たちが知らない魔法があること自体はおかしくないでしょう?」


ん? そうなのか? エフィとヒビキさん、どちらもかなり知識があるはずなのに、その二人が知らない魔法があってもおかしくないのか。


「あ、固有魔法……ですね」


「固有魔法?」


初めて聞く名詞だ。


「名前の通り、固有の魔法。知能種は、自分だけが持つ魔法を得ることがあります。簡単に言えば、スキルの魔法みたいなものですね」


なるほど、自分だけのオリジナル魔法みたいなものか。


「ちなみに……」


『記録者よ、ここに悠久の知識を記せ』

人々の歴史(ヴォイドレコード)


ヒビキさんがそう唱えると、光を帯びた本が出てくる。


「こ、これは……! 原本か!」


「はい、私の固有魔法『人々の歴史(ヴォイドレコード)』です。私の得た記憶や知識を記録してくれるものです。他の紙に自動で写本できたり便利ですよ」


なるほど、人によって様々なんだな。それにしても、記録するだけの魔法なんて、なんともヒビキさんらしい。


「となると、その魔法使ってるやつがリーダーっぽいな」


「そうなのか?」


「固有魔法はかなりの実力者しか習得できないんだよ。実際俺も持ってない」


なるほど、クランも持ってないみたいだし、確かにリーダー格じゃないと持ってなさそうだ。


「ま、どのみち解除方法が分からないんじゃなぁ」


「一個だけ確かなのは、そのリーダーを倒すことじゃな」


それはなんというか、手段と目的が逆転しているな。アイカを救出するってことは多分そいつを倒す必要があるだろうし。


となると、


「これ、解決のしようがないな」


「うーむ、もう洗脳冒険者を全員同時に倒せればいけるんじゃがなぁ」


まぁ、それが一番簡単だが。それしている間にバレて終わる気がするんだが……。というか、できるわけないだろ。確かに、それが出来れば、かなり見つけるのは簡単になるだろうが……。


「んなもんできるわけ……いや、ハイカとギルマスならできるわ」


あの二人ならできるのか……。


「じゃあいっそのことハイカを説得すればいいんじゃないか」


ここまで、捜索だけどうにかなるのなら、ハイカさんを巻き込めばいいだろう。といっても、その捜索もまだ穴があるわけだが……。


「それが出来たら苦労しな……」


「それがいいかもしれません」


え? 思い付きで言っただけなんだが……


「そうですね……今から作戦を伝えます」


ヒビキさんの、作戦が伝えられる。

読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ