表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/34

くさやの英美里

 俺が好きだった地元の不動産屋。

 10年経って帰ってきた時にはもうなかった。

 っていうかクリーニング屋になってた。


 その不動産屋に子供の頃よく遊びに行っていたのは、別に家が好きなわけではなく、ただ大好きな英美里ちゃんがその店の一人娘だったから。


 英美里ちゃんは父親の好きなくさやをよく買いに行ってた。

 両手に引っさげたくさやと、その真ん中で可愛い笑顔を見せてくれた彼女は、もうどこか遠くに行って、結婚でもしてるだろう。


 くさや、くさかったな。


 誰しも、音楽を聴くと昔を思い出す、なんて事があるが、まさか、くさやの臭いがこれほど強い思い出となって残るとは思わなかった。五感恐るべし。


 これがドリアンだろうがシュールストレミングだろうが、五感と繋がった思い出はどれも美しいものになるのだろうか。

 なんてバカな事を考えながら、その変わり果てたクリーニング屋に入ると、なんと大きくなった英美里ちゃんがそこにいた。


「え?君は……くさやの英美里ちゃん!?」

「そういう君は……だれ?」


 そりゃそうだ。俺にはくさやという記憶材料があるが、彼女には何もない。


「俺だよ俺!小学生の頃よく遊びにきてた翔太だよ!」

「あー、思い出した。ワキガが臭かったから覚えてるわー」


 ワキ……ガ……だと?


 ワキガで覚えられてただとー!



 五感恐るべし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ