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雨の中で踊ろう
小鳥のさえずりは天国の天使達の元へ。
黒く淀んだ僕の声は、暗い海の底へ。
そこで僕の言葉は海底にいる蟹の餌になる。
蟹が吐いた泡は上昇し、地上に出る。
それはやがて雲に変わり、雨となって流れる。
人を傷つけた言葉は赤い雨、
自分を傷つけた言葉は青い雨となって僕の頭上に降り注ぐ。
雨になるのが嫌だから話す事をやめた。
濡れるのが嫌だから傘を差した。
虚ろな顔を見られるのが嫌だから傘で顔を隠した。
憂鬱になるのが嫌だから生きるのをやめたくなった。
僕はいつの間にか夢を見ていた。
鏡の中から、鏡の外の僕を見た。
おぞましいほど歪んで見えた。
僕はこんな顔をしていたのか。
こんな顔じゃ誰も寄ってこない。そう思った。
降り止まぬ雨の中、一本の枯れ木があった。
それはどこか僕に似ているから親しみを感じていた。
その枯れたと思っていた木に緑が色づいているのを見つけた。
それは雨をめいっぱい吸収して本来の美しさを取り戻したのだった。
僕は傘を捨てた。そうしたら人に見られるようになった。
見られるようになったから、勇気を振り絞って声を出してみた。
声が出るようになったら自然と笑顔になった。
笑顔になったらみんなが集まってきた。
雨の中、みんなで輪になって踊った。




