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現実と異世界の対応ジョブ解説

 ここは異世界。

 と言っても現実世界とリンクしたオープンな異世界だ。


 引き継がれるのは現実世界におけるその人の才能。

 現実世界での職業が異世界特有の能力となってその人に備わるのだ。



 例えば看護士や介護職ならヒーリングの魔法が使える。

 肉体労働者は戦士。教師は魔法使いだな。

 絵描きは召喚士。何もない所からモンスターを生み出せる、この世界では最も重宝されている才能だ。


 誰もが才能を発揮して異世界ライフを満喫している。


 現実でただの接客業だとしても恥じることはない。

 魅力のステータスの高い人間は、異世界でも仲間やモンスターを引き連れるのに便利だし、アイテムも安く買える。


 え?ニートだって?それでも恥じる事はない。

 ニートはちょっと打たれ弱いけど、賢さがそこそこ高い。

 某ゲームと同じで賢者に覚醒する可能性を秘めているし、あまりお金がかからないから、パーティに一人は欲しい。


 ついでだから少し僕の事を話そうか。

 僕は才能も何もないただの無能。ニート未満のクズだ。


 木の杖を一本だけ持って異世界をのんべんだらりと歩き回っている。

 無能だからモンスターを討伐するわけでも無いし、パーティに居ても食っちゃ寝するだけの存在。

 

 何の役にも立たないけど、僕はこれでいいのだ。

 

 

 

 

「おいクズ。てめぇはこの異世界でダラダラ過ごしてて恥ずかしくねえのか?」


 おっと、ここで僕に突っかかってくるアホ登場。

 戦士は気のいいやつは頼もしいが、自惚れてるバカは手に負えない。

 

「お前現実世界で何してんだ?ニートですら役に立ってるってのに、何なの?クズなの?」


 弱者をいたぶる事しか脳の無いアホはさっさと消えて欲しいものだ。

 だが生憎、真っ向から戦士に歯向かう気は無い。

 

「へ、へへへ、すみません」

「ったく、こんなクズさっさと死ねばいいのに」


 僕はただヘラヘラ笑っているだけ。


「魔法も使えねぇ癖に木の杖なんて持ってるんじゃねぇよ。オラ!貸せよ!」


 木の杖が取られそうになった。まあこの辺が潮時だろう。


グサッ


「カ…カハッ!」


 次の瞬間、戦士は喉から大量に血を流して倒れた。

 喉元にはナイフ。


「これ木の杖じゃなくて、ナイフの入っている仕込み杖なんだよね」


 実を言うと、僕は小説家。

 小説家とは「嘘つき」の職業なのだ。

 

「て、てめぇ………ガハッ!」


 戦士はポッカリと口を開いたまま絶命した。


 

 嘘も攻撃もひとつきで充分。会心のオチがあれば、ね。

 

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