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ドMの俺が異世界でモテモテだったけど事情があってすぐ帰ってきた時の話

 会社に向かう駅の構内。

 

 この場所で数日に一回、あるはずの無い場所に道ができる。

 そこを曲がるとどうも異世界に行くらしい。

 

 最初これを発見した時、あまりの事にビックリして異世界からすぐに土下座ワープ(女神の石像の前で土下座をすると元の世界にワープする)で駅に帰還してしまったのだが、後日、気持ちを整えてまた行ってみる事にした。





「え?ただのYシャツですが何か?」


 何も考えてなくて、ついYシャツ姿で異世界に来てしまったが、それが何故か町の人達に大ウケだったようで、周囲に人だかりができてしまった。


「この服は素晴らしい!軽量な上にこの白さ。光の魔法を反射する事ができるじゃろう。それにこの薄さ。魔道着の下に着るのにも適しているぞな」


 群衆の中、いかにも博識そうな老人が俺の身体検査をしている。

 こんなジジイよりも女の子と話がしたいな、などと思っていると

 

「その襟、立ててもらえませんか?」


 と、一人の女の子がモジモジしながら言ってきた。

 

「え?こう?」


 言われたとおりYシャツの襟を立てると、それがカッコよかったらしく女の子達はキャーキャー言いながらはしゃいでいた。

 俺が得意顔でいると、女の子をかき分けるようにしてジジイがまた質問をしてきた。


「その手に持っておられる武器、それは何という武器ですかな?」

「え、いや、ただの傘ですが」


と、手に持った傘をジジイに渡すと、ジジイはそれを両手で抱えながら吟味し始めた。


「カッサーとな。ふむ、軽量な上に相手と距離を保ったまま攻撃が可能な上、力も一点集中が可能ですな。先端を金属で作れば、かなりの殺傷力を得られるじゃろう」


 カッサー(傘)は形を真似て武器を作るとかで取られてしまったが、Yシャツを着ている限りは女たちにモテにモテた。



 しかし幸福な時間はあまりにも短すぎた。

 

 俺が町一番の美少女のセレナちゃんとニャンニャンしていた時の事。

 

「はぁはぁ……セレナちゃんペロペロ」

「やだぁ、やめてよぉ~」

「ねぇ、セレナちゃんの体ちょっとだけ触らせてよ」

「えー、しょうがないにゃあ…」

 

 この反応ならいけると確信した俺は、思い切ってセレナちゃんのデリケートな部分に触ろうとした。

 

 しかし当ては外れ、強烈なビンタをお見舞された。

 

「死ね!この変態!」

 

 

 その後、噂はすぐに広まり、町の女全員を敵に回す事になってしまった。

 

 俺は女達の前で泣きながら正座をしていた。

 

「この落とし前どう付けてくれるのよっ!」

「ずびばぜんっ…!」 

「罰として身に付けているものを全て置いていきなさい!」

「そ、それだけはご勘弁を!」


 必死に抵抗するのも空しく俺は女達に身ぐるみを剥がされた上に、全裸で土下座ワープをさせられ、元の世界に強制送還されてしまった。

 

 こうして俺の異世界デビューは大黒星で終わった。

 数々の異世界トラベラーの中でもこんな惨めな想いをした男はそうそういないだろう。

 


 でも俺、留置所から出たらまた異世界に行くんだ…(ビクンビクン)

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