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8 コンテストに出場しますっ!!

「はい。優。バンザイして」

「んぅ?」


僕は言われた通りに手を上にあげた。


どうしてバンザイするの?あ。ねぇねお洋服脱がしてる!!お外で脱いじゃダメなんだよ!!


「ねぇね。や!!」

「ここは物陰だし他にも着替えてる子いるから大丈夫」


周りを見ると本当に色んな子が着替えていた。


ん〜でも女の子ばっかりのような…?


「…持ってきたやつで大丈夫そうね。優。今からあなたはミユよ」

「動画撮るの?お外で?」

「…そう。そう思ってくれればいいわ」


わかった。いつもとやることは同じだね。


ねぇねは僕を着替えさせると近くの椅子に座らせた。


「ちょっと目を閉じて」

「ん」


サワサワと何かが僕の肌に触れた。


くすぐったい。それに冷たい!!


「ねぇね…」

「我慢よ。よし。ミユは肌が綺麗だからチークと色つきリップくらいでいいわね」


ちーく?それって何?いろつきりっぷ?…クレヨンか何か?


「さぁ。目を開けていいわよ」


僕が目を開けると目の前に鏡があって必然的にそれを見つめることになった。


「…ほっぺがピンク色…」

「それがチークよ。触らないでね」


あ。これ触っちゃダメなの?


僕は頬に触ろうと伸ばしていた手をさっと元の位置に戻した。


「ミス・コンテスト出場の方そろそろ舞台袖に移動を…」

「さ。ミユ。立って」


ねぇねは僕に手を伸ばし、立つのを手伝ってくれた。


今日は…この頭の上のリボンがふわふわしてるね。首のこれはなんだろ…鈴?でもこの足のベルトみたいなのは嫌だな…動くと擦れて痛いもん。


「いってらっしゃい。私は前の方にいるから」


前…?


ねぇねは僕の背をトンと押した。

弾みで僕は前に足を踏み出した。


「うぉぉぉ!!」

「ミユ!?ミユがいるぞぉ!?」

「夢か!?」

「死ぬのか!?俺は死ぬのか!?」


え…えっと…。


「こ…こんにちは。ミユ…です」


僕がいつものように自己紹介をするとさらに声が大きくなった。


こ…怖いよぉ…。ねぇね…助けてぇ…。


「じゃあミユちゃん。君は今日どうしてここに?」


ずっとステージに立っていた人が僕にマイクを向けた。


「にぃにに会いに…来ました」

「にぃに?兄弟がこの学校に?」

「うん!!にぃにはね!!頭いいんだよ!!ボクにぃにだいすき!!」

「「「「俺も言われてぇぇぇ!!」」」」


ビクッ。


な…なんで怒鳴るの?ボク…いけないことしちゃったの?


「ゆ……ミユ!!」


にぃにが向こうの方から駆けてきて階段も使わずにステージに上がった。


「にぃに!!」


僕はすぐににぃにに抱きついた。


「…東郷様の妹でしたか」

「妹…そうだけど何か?うちのミユをミスコンなんかに出場させたのは誰だ?」

「にぃに…怒っちゃや…」

「ごめんごめん。大丈夫。怒ってないよ」


にぃには僕に目線を合わせると僕の額にチュッとキスをした。


「にぃに。今はおはようの時間でもいってきますの時でもないよ?」

「ミユが泣きそうだからだよ。にぃには笑顔のが好きだな」

「…えへ」


にぃにに好きって言われちゃった。ボクもにぃに大好きって言ったしおあいこかな?


「…あ…あの…クールな東郷様が…」

「ミユ…やっぱ天使だ」

「いや神だろ」

「天使だ」

「エンジェル…」


ボク天使じゃないもん!!人間だもん!!

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